『CPTPP加入について騙された!?加盟国の同意が必要と気付く…』
菅首相は中国と韓国のCPTPP加盟に対し、「全加盟国の賛成が前提」という意見を述べました。
両国は最近になってCPTPPへの関心を深めていますが、加盟には大きな道のりがあります。
加藤官房長官はリップサービスを言っていますが、それを真に受けるのはいかがなものでしょうか。
日本が韓中CPTPPに加入するには「既存の加盟国了解を得なければ」
菅義偉日本首相は11日、韓国と中国が「包括的・漸進的環太平洋経済パートナー協定」(CPTPP)に加入することについて「既存の参加国の了解が前提になるべきだ」という趣旨の意見を述べた。
菅首相は同日、インターネット動画チャンネルのニコニコで、文在寅大統領と習近平 中国国家主席がCPTPP参加の検討を言及したことについて「11の(既存)参加国の了解が必要なので、簡単には入れない」と述べた。
新規加入には「大きなハードル(障害物)がある」とし「戦略的に考えながら対応する」と付け加えた。
これに先立ち、8日に文大統領はソウルで開かれた「貿易の日」記念式で「市場多角化を必ず実現しなければならない」とし、「CPTPP加盟を引き続き検討していく」と述べた。
習主席も先月20日にアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議での演説を通じて、CPTPP加盟を積極的に検討するという立場を明らかにした。
菅首相の発言は、文大統領と習主席がCPTPP参加の可能性を示唆したことに対する初の公式の反応だ。
これについて共同通信は、「現在、CPTPPを主導する日本政府は、『高いレベルのルールの順守』が新規加入交渉の前提条件という立場を取っている」とし、菅首相の発言の背景を分析した。
日本政府のこうした態度は、文大統領がCPTPP参加の検討を初めて言及した当日、加藤勝信官房長官の定例記者会見でも表明された。
加藤長官は「多様な国と地域による関心表明は歓迎したい」とし、CPTPP加盟国が「高いレベルの市場アプローチとルールの整備」を求められる点として挙げた。
アジア・太平洋地域の経済同盟体であるCPTPPの出発点はTPP(環太平洋経済連携協定)だ。
2015年10月に妥結したTPPは、米国や日本などの参加国が国内批准を推進していた状況で、保護主義を主張するドナルド・トランプ氏が米大統領に就任した後、米国の脱退で日本など11ヵ国中心のCPTPPに名称を変え、2018年12月30日に発足した。
【これに対する私の見解】
それでは 記事を読んだ僕の感想ですがどうやら文大統領は日本のリップサービスを勘違いして逆切れしているようです。
記事によると加藤官房長官が「さまざまなエコノミーによる関心表明は歓迎したい」と言っていたことを、さも文大統領は日本が韓国のTPP加盟に前向きであるかのように捉えています。
首脳会談すら開けない関係で、何故日本が協力してくれると思うのかは幾分不思議ですが、それだけ必死ということなのではないでしょうか。
そもそもなぜ韓国は、対立している日本主導のCPTPPに今更ながら参加を表明したのでしょうか?米国への顔色伺いの意味も大きいと思いますが、韓国自身の状況も作用しているはずです。
それはCPTPPに加盟しないと、自国産業に甚大なダメージをもたらす可能性があるからです。
というのも韓国はこれまで日本企業に対しては欧州に関税無税で輸出できることを宣伝していました。
しかし、2018年にEUとの間にEPAを結んでから、徐々に韓国の優位性が無くなり、日本とEUの双方と関税無税で取引が出来るマレーシアなどに生産拠点が流出しています。
これを防ぐために日本との間に自由貿易圏を築き上げて、少しでも流出を減らしたいという算段だと思います。
しかし韓国の思惑通りに、CPTPPさえ結べば生産拠点の流出が止まるとはとても思えません。
以前にも述べたように、韓国の労組は常軌を逸した要求から経営陣の悩みの種となっており、韓国から外資系企業が撤退する大きな一因の一つとなっているからです。
産業の空白化を防ぐためには労組の改革は必須に思えますが、あくまで関税問題をどう解決するのかに終始しているあたり、韓国政府は問題を矮小化しているようにしか思えません。
また韓国と同じタイミングでCPTPPへの参加を表明した中国ですが、こちらは韓国とは別の意味で参加出来るのでしょうか?CPTPPの前身であるTPPがクアッドと同じ対中包囲網として機能していたことを考えると米国が混乱しているうちにCPTPPの主導権を握ってしまい、環太平洋戦略を優位に進めるという算段だと思います。
しかし、先述したようにCPTPPに参加するためには全加盟国の賛成を得なければならず、中国に対する警戒を強める豪州が参加に賛成するとはとても思えません。
かといってバイデン氏は当分は新たな貿易協定には参加しないと表明しており、すぐに米国が復帰して反中連合に回帰することも考えづらいです。
なので今後の国際情勢ではCPTPPを巡って米中が綱引きをする展開になる事が予想されており、だからこそ場をかき乱すことにしかならない韓国の加盟は問題外だといえます。
■この記事に対する反響
それでは、この記事に対する反響なのですが…「文在寅の正体は何なんだ?中国がCPTTPに加入すると言ったから真似しただけじゃないか」「じゃあ加入するのはやめよう!何が残念で日本主体の協定に入るんだよ」といったように、突然のCPTPP参加に激怒する声が上がっています。
今のCPTPPは事実上日本が取り纏めており、最近の文政権の親日路線を見て、現状での参加は日本に頭を下げることになるのではと、多くの韓国人は反対を表明しています。
また「CPTTPはお前のものか?むしろ加入してやるんだから有難いと思え!」など、参加に肯定的な層からは日本にマウントをとる声も上がっています。
韓国がここまで上から目線でいられる厚顔無恥さにはある意味感心します。
そもそもCPTPPは日本が苦労に苦労を重ねて実現した貿易システムであり、後出しジャンケンとして自分たちの都合の良いように美味しいところだけ利用するのはいかがなものでしょうか。
そもそもルールを反故にすることに定評のある中韓を参加させたら、腐敗するのは確実でしょうから、日本政府は妥協や譲歩はせず毅然と対応してほしいです。
一国でも反対が有れば加盟が遠のきますが、反対切り崩しに動いている事は明白です。
加盟国の絶大な結束を期待しています。
続きは動画で…