『しれっと延期されたGSOMIA「関係改善の可能性が見える…」』
今年の夏まではGSOMIAの破棄をチラつかせてきた文政権ですが、菅政権の誕生とバイデン氏優勢の米大統領選挙以降、一気に態度を親日親米へと転換、しれっと維持の方向へ進めていますが、これで日韓関係は改善することができるのでしょうか?
韓日関係の足踏みは依然として…。 韓日関係回復始動か
韓国政府が日本の輸出規制解消を条件に韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)終了を条件付きで延期することを決めてから1年が経過したが、韓日関係は依然として平行線をたどっている。
両国の対立を解決する突破口が見えない中、来年1月のバイデン米政権の発足が韓日関係改善の新たな転換点になるという見方が出ている。
政府は昨年11月22日、文在寅大統領が国家安全保障会議(NSC)全体会議を開き、予定されていたGSOMIA終了を延期した。
両国間の神経戦、北東アジアの安全保障の空白を憂慮した米国の全方向からの圧力が、こうした決定に影響を及ぼしたという分析が提起された。
外交関係者の間では、GSOMIA破棄という最悪のシナリオを避けただけに韓日関係改善の可能性を予想する声も出てきたが、過去1年間、両国は立場の違いを狭めることができなかった。
2018年10月に韓国大法院で出た強制徴用被害者賠償判決をめぐり、日本は国際法違反という立場を固守している。
1965年の韓日請求権協定で強制徴用賠償問題は完全に解決されたという主張だ。
これに対し韓国は民事領域での独立的な司法府の判断を尊重すべきだと対抗している。
外交当局間の局長級協議など対話は続いているが、事実上、いかなる成果を出せずにいる。
韓国の裁判所が日本製鉄などへの強制徴用賠償判決に関連して日本企業の韓国国内差し押さえ財産売却手続きに着手し、日本がこれに追加の報復措置など正面からの対応を予告したことで、緊張の程度はさらに高まっている。
最近、パク・ジウォン国家情報院長と韓日議員連盟所属の国会議員が日本を訪問し、対話ムードを形成しようとしたが、日本政府の反応は冷たかった。
韓日議員連盟会長のキム・ジンピョ共に民主党議員は13日、菅義偉首相に会って訪韓を提案したが、菅首相は「条件が整うべき」と述べたという。
強制徴用賠償問題に対して韓国が解決策を提示すべきという従来の立場を再確認したという評価だ。
バイデン米政権が韓日関係の仲裁者として積極的に動く可能性があるという見方も出ている。
基本的に米国は韓日の対立による韓日米安全保障体制の崩壊が自国の利益およびインド太平洋の安全保障にマイナスになるとみている。
同盟の価値と多者安全保障協力を重要視するバイデン氏が、韓日の対立で機能しない韓日米軍事同盟の復元に積極的に取り組むと予想される。
【この記事に対する私の見解】
といったように、最近まではGSOMIAに関しても強気な姿勢を見せていた文政権ですが、菅政権の誕生とバイデン氏優勢の流れで、ここにきて急激に融和姿勢を見せて来ました。
GSOMIAに関しては、韓国国内の反発だけに気を使えば良い応募工問題や、東京五輪と違い、北や中国、米国との関係性にも大きく影響する問題です。
昨年、タイのバンコクで開かれたASEAN拡大国防相会議で、韓国と中国の国防長官の会談が個別に開かれ、韓中の防衛協定が定められましたが、これは、これまで韓国が日米と結んでいた軍事的なホットラインに相当するものだと言われています。
つまり、去年の時点では韓国は、軍事的なネットワークの構築を、これまでの日米中心から中国中心へと乗り換えようと画策していたわけです。
韓国は日本への反発感情を大義名分にGSOMIAを破棄しようとしていましたが、やはり、その裏には中国への忖度があったのです。
当然、米国がこれを許すわけがありません。
激怒した米国との間に板ばさみとなり、苦し紛れに「破棄の延長」をした韓国ですが、韓国政府はことあるごとに「我が政府は効力をいつでも終了できる」と発言し、以後、宙ぶらりんの状態が続いています。
こうした態度は韓国国内の反日勢力に向けたアピールもありますが、やはり、中国への気遣いという面が、一番大きいでしょう。
また従北とも揶揄される文政権にとって、北の感情も無視できません。
GSOMIAが実質的な維持状態であることに対して北は「民族の志向と意志に対する露骨な裏切り行為」と激怒しています。
こうした背景もあり、日韓関係が悪化すればするほど、米国に対しGSOMIA破棄の大義名分ができますから、反日に突き進んでいた文政権、トランプ政権もこうした韓国を引き止めるというよりは「無視する」という対応になりつつあり、これをいいことに韓国はレッドチームへの肩入れを深めていました。
しかし、米大統領選挙にてバイデン氏の当選が優勢になった事で、この方向性に急ブレーキをかけることになったのです。
バイデン氏は伝統的な軍事同盟を維持することを望んでいますから、韓国のこうした動きを「無視」ではなく強硬な態度を持って、米国に服従を求める可能性が高まっているのです。
バイデン氏に政権が移る前に、なんとかGSOMIAを含めた日韓関係を取り繕い、かつ、日中韓首脳会談を成功させることで、中国の溜飲も下げさせる必要に迫られている文政権は、日本との関係を改善させないわけにはいかない状況です。
こうした状況に対し、共に民主党の岩盤支持層である、国内の反日勢力とどう折り合いをつけていくのかは謎ですが、一方的な関係改善への意気込みは、日本からすれば迷惑でしかありません。
■この記事に対する反響のポイント
韓国政府の方針に国民も不満噴出
それでは、この記事に対する反響なのですが…「いまだにGSOMIAの終了を決定できずにいるのか?」「誤った協定は破棄が正しい」「関係を修復する必要もありませんし、人間じゃない日本とは会話をする理由もない」このように、韓国国内では依然として根強い反日勢力が、GSOMIAの破棄を熱望している様子が見て取れます。
しかし、コメントでもチラホラと言及されているように、活発化する北の軍事行動や挑発行為もあり「破棄しない方がいい」と、韓国国内からも破棄に反対する声も出始めているのも事実です。
最大野党の「国民の力」や「国民の党」は破棄には反対の姿勢で、文政権内でも国防部、外務省、国家安全保障会議のソ・フン室長までもが「破棄には慎重でなければならない」と反対を表明しています。
もはや引っ込みのつかなくなってしまた反日扇動ですが、国際社会における韓国の立場を考えると、どんなに中国の目が気になったとしても、反日を大義名分にGSOMIAを破棄するのは難しい状況です。
また、反中感情が高まりを見せている韓国国内において、中国中心の安保ネットワークを構築することに反発が起きる可能性も否定できず、昨年以上に深刻な板挟み状態におかれているようです。
果たして、この状況をどのように切り抜けるのでしょうか?
困った時だけすり寄ってくる文政権には日本国民はうんざりしています。
続きは動画で…