『文大統領、北と国民の板挟み…領海問題に発展し退路を失う』
北との問題を金正恩氏の謝罪の書簡で火消しムードに持って行こうとしていた文政権ですが、収束ムードどころか、領海問題にまで発展しているようで、文大統領も焦っているようです。
韓国世論はますます反北に向かっていますが、果たして文政権はどう対応していくのでしょうか?
北朝鮮軍、NLL以南を捜索中だが…哨戒艦沈没:北朝鮮が「海上境界線」に注目
韓国公務員男性の捜査過程で、韓国側が無断侵犯していると主張する際、「西海(ソヘ)海上軍事境界線」に言及した意図について注目されている。
北朝鮮は27日、朝鮮中央通信を通じて「我々は韓国側が新たな緊張を誘発する西海海上軍事境界線の無断侵犯行為を直ちに中断することを要求する」と主張した。
軍関係者によると、西海海上軍事境界線は1999年9月に北朝鮮が一方的に南北の海上境界線と宣言した「朝鮮西海海上軍事境界線」を意味するものと解釈される。
北朝鮮が「西海警備限界線」とも呼ぶこの境界線は、現在のNLLからはるか南側に設定されており、西海5島の広範囲な南端海上が全てこの境界線内に入る。
軍当局は、この境界線を基準にした場合、西海5島の南端水域をそのまま北朝鮮側に引き渡すことになるため、これを認められない。
一方、西海NLLは1953年8月30日に国連軍司令官が国連軍側の海軍・空軍の海上哨戒活動範囲を限定するために設定した基準線で、南北が合意で設定した境界線ではなかったが、南北間の実質的な海上境界線の役割を果たしてきた。
しかし、北朝鮮は公式にはNLLを認めていない。
その代わり、NLLを「西海熱点水域」「西海紛争水域」などと呼んできた。
1992年の南北基本合意書付属合意で、「海上不可侵区域は海上不可侵境界線が確定するまで双方が管轄してきた区域とする」ことで合意し、事実上、NLLを尊重することでまとまるように見えたが、その後も北朝鮮側のNLL認定問題を巡る論争も繰り返された。
こうした論争は2018年4月27日の板門店宣言と2019年の9・19南北軍事合意の時にも起こった。
特に9・19軍事合意で南北は「南と北は西海北方限界線一帯を平和水域にし、偶発的な軍事的衝突を防止し、安全な漁業活動を保障するための軍事的対策を取っていく」とし、合意書上にNLLが明示されている。
しかし、平和水域の造成に関する具体的な基準については合意に至らず、今後、南北軍事共同委で協議していくことにしている。
こうした状況で北朝鮮が9・19合意以前の海上軍事境界線を再び取り出したのは、過去のNLL問題を再点火しようということと分析される。
これに対して国防部は公式の立場を公表していない。
北朝鮮側の一方的な主張に一々対応すると、かえって政治的な議論に巻き込まれる可能性があることを念頭に置いたものと解釈される。
ただ軍関係者は「韓国軍は現在、海上捜査活動を正常に行っている」とし「NLL(北方限界線)付近で中国漁船が数十隻余り操業中であるため、これを統制する活動も一緒に行っている」と明らかにした。
西海NLL以南の水域で被害男性捜査などの任務を遂行中という意味に解釈される。
軍当局は、被害男性が海上に漂流している場合、中国海域の方に流れる可能性が高いと推定している。
【この記事に対する私の見解】
といったように、金正恩氏の謝罪の書簡に浮き足立ち、融和ムード全開の文政権の弱みにつけ込むように、北が領海問題を持ち出し韓国側の捜査を中止するよう警告するというまさかの事態に陥っています。
つまり、「もう謝罪の書簡は出した、この件は終わり、これ以上詮索するな」という不誠実極まりない対応というわけです。
文政権の弱腰姿勢に乗じることで、領海問題も優位に進めようという、北のしたたかな思惑も見え隠れしており、韓国国民の対北感情はますます悪化していくことが予想されます。
融和ムードを出した文政権を逆なでするかのような強い口調で、捜査の中止を要請した北の上層部ですが、一方で、被害男性を発見した場合、韓国側に引き渡す方法を検討中とも発表しており、「従北」の文政権が、この北の主張をどう受け止めるか注目が集まっています。
韓国大統領府は「南北それぞれの海域で捜査に全力を尽くし、情報交換できるよう願う」と領海問題は過熱させないようにして、捜査の継続をにおわせていますが、万一、北の「領海発言」に屈して、捜査を中止、縮小する流れが出てくれば、今の韓国世論を見ていると、政権弾劾にまで発展しかねない状況です。
しかし、韓国が被害男性の捜査を続けるのには、北の証言を事実として受け入れているからこそのことなのです。
北の発表によれば、被害男性は海上でなくなったと認識。
その後、被害者が使用した浮遊物を燃やしたといった筋書きですから、北の話が事実なら、被害男性が発見されるはずなのです。
韓国軍内の証言では、「処罰後燃やされた」という説が有力なことから自国民の証言を信じるのであれば、被害男性の捜査はする必要がないわけです。
北の証言に対しては、韓国国内の専門家からも矛盾を指摘する声が数多く上がっています。
専門家らは「救命胴衣を着ていた被害男性が処罰後、突然消えて、北側が浮遊物を一つ焼くのに約40分かかったというのはつじつまが合わない」と指摘している他、「被害男性に80メートルまで接近して身元を確認し、空砲を2発、逃走するような状況になった」という北の説明に対しても、不自然だと指摘する声が多数上がっています。
船舶自体の騒音や海上での音の伝わり方などを考えると、波打つ海の上で80メートルの距離から普通の会話はとうてい不可能だからです。
被害男性が「逃走しようとした」というのも違和感を感じざるを得ません。
30時間以上、海で浮遊物にすがって漂流していた被害男性が、武装した北の軍を前にして逃走や危険行為をするでしょうか?周到に訓練された人物ならともかく、被害男性は丸腰の一般人です。
北の証言の筋書きそのものが非常に信憑性が低いものなのです。
普通であれば、この北の主張の不審点を指摘することが最重要課題であるのにも関わらず「北の証言は事実である」前提で、無策に被害男性の捜査を続けていること自体が異常です。
書簡の「謝罪」に踊らされ、矛盾点を見て見ぬ振りをし、被害者や反発する韓国国民にポーズを示すために「とりあえず捜査」をしているようにしか見えません。
北と怒れる韓国国民を刺激しないように苦肉の策で、被害男性の捜索をしていたのにそうした文政権の弱みにつけ込むように、北は領海問題まで持ち出してきました。
領海問題に発展すれば、さすがの文政権も従北外交を続けていくことは、難しくなっていきますが果たしてこの事件はどのような結末を見せるのでしょうか?
■この記事に対する反響のポイント
文政権が窮地!最悪の板挟み状態
それでは、この記事に対する反響なのですが…「金正恩は文災害を永遠のカモとして扱っている」「強力な軍事力でNLLを越えて捜索しろ」「我が水域で捜索しているのに、北が文句をつけても無対応な文在寅」このように、北が文政権の弱腰対応を受けて増長し始めたことを受けて、韓国国内では反北感情がますます高まりを見せています。
このまま被害男性の捜索を禁じられてしまえば、文政権が被害者遺族や韓国国民に誠意をアピールする場は奪われてしまいますし、北の領海の主張を認めることとなってしまいます。
ですが、被害男性の捜索を続けたところで、北の証言の信憑性からいって、被害男性が発見される可能性は限りなくゼロに近いですから、意味もなく北を刺激し続けるという、またもや板挟みになってしまいます。
文政権が北を取るのか、国民を取るのか、普通の大統領なら迷う余地もないところですが、文在寅のこれまでの発言を見ていれば、北への忖度を続ける可能性も否定できないでしょう。
文政権が北を庇えば庇うほど、国民の対北感情は悪化していくでしょう。
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文大統領が窮地!北と国民、最悪の板挟み状態…領海問題にまで発展し退路を失う【世界情勢】
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