『米中対立の間でどんな外交をするのか?文大統領の采配に韓国国民の焦り』
中国と韓国の急接近ですが、韓国国民の間では、米中対立の最中での行為に対して、批判的な声が噴出する中、米中関係において政府の采配に注目しているようです。
韓国国民と韓国政府の間にある、外交についての感覚のズレはどのような物なのか。
NHK「習近平主席の早期訪韓、米国牽制・国際社会の孤立防止の為」
NHK放送は22日、ソ·フン国家安保室長とヨウ・ケツチ中央政治局委員が習近平国家主席の早期訪韓に合意したことをめぐり、中国が米国の同盟国である韓国と関係を強化し、米国を牽制するとともに国際社会の孤立を避けようとしていると報じた。
NHKは「感染症の状況が安定し、条件が整い次第、習主席の訪韓を早期に実現させることで合意した」という青瓦台の発表を紹介した後、このように伝えた。
NHKは「米国は感染症対応、香港情勢、南シナ海(領有権)問題などをめぐり各国と手を取り、中国への対応を強化している」とし「中国は米国の同盟国である韓国と関係強化を図り、米国を牽制すると同時に国際社会で孤立を避けようとしているようだ」と伝えた。
また「韓国は悪化した北朝鮮と関係を再建するために中国の協力を引き出そうとしているようだ」とし「(韓国は)香港情勢などをめぐり中国の立場を支持しろという要求を受ける可能性があり、米国との関係で困難な状況に置かれる可能性がある」と述べた。
中国政治外交専門家の加茂具樹慶応大教授はNHKで中国が習主席の早期訪韓を推進する理由について「中国外交の大きな課題は感染症、香港情勢などをめぐり米国と関係が急激に悪化している中、近隣国家との関係を安定化すること」とし「そういう意味で韓米安全保障関係に入り込んで安全な地域秩序を作っていくことが中国に重要な目標になったものとみられる」と分析した。
また韓国の立場については「朝鮮半島で最悪の事態が起きるのを防ぐのが韓国の安全保障上最大の課題」とし「北朝鮮に大きな影響を及ぼす中国との関係を深めることが重要だ」と評価した。
加茂氏は、「日本の立場では、中国の周辺諸国との関係改善の意欲を注意深く見守る必要がある」と語った。
習主席はこの4月、日本を国賓訪問する予定だったが、感染症の事態に続き、中国の香港国家保安法の導入、尖閣諸島領有権紛争などで関係が悪化し、日程が遅延された。
【この記事に対する私の見解】
このところの中国は、感染症パンデミックを誘発したという疑いに加え、強引に香港に国家安全法を施行したことから世界の信用を失い批判を浴びています。
また、中国は領有権を巡り南シナ海でフィリピンとカシミールでインドと対立していますし、言うまでもなく米国との対立は冷戦以来、最悪の関係に至っています。
つまり、世界で迷惑の種をまき散らしているのが今の中国なのです。
この様な習主席の強気一辺倒の外交に対し、旧指導部の長老たちが集まる北戴河会議において、過去の主席経験者の胡錦涛氏や温家宝氏らの長老たちが習主席をつるし上げているということです。
特に、長老たちは強気一辺倒の外交や対米関係の改善を求めた模様で、今後、中国は米国に対しては融和政策を取るのではないかと言われています。
一方の韓国も文大統領が同盟国である米国、トランプ大統領の信頼を失い、文大統領の極端な反日政策により対日関係は戦後最悪の状態と言われています。
また、文大統領が最も重視してきた北との関係も金与正氏が、ケソン工業団地内にある南北共同連絡事務所を爆破したことから緊張関係に戻っています。
つまり、現在の文大統領による韓国外交は四面楚歌と言っても良い状況に陥っており、唯一、良くも悪くもないのが中国と韓国の関係なのです。
従って、ここは中韓両国が互いに歩み寄るしかないのが現実なのです。
もともと、韓国の人達の本音を聞くと、中国を信用していない人が多いのですが、過去、歴史的に韓国は中国の属国でしたし、朝鮮戦争では北と中国が南を攻めた訳ですから、中国に心の底から好意を抱いている人はかなり稀な存在です。
こうして見ると、韓国が何かの分野で頼っている国に対しての感情は、何かしら負の感情が混じっているように思えますね。
これは韓国が各分野では対象の国に敵わないという事実に対する劣等感なのかもしれません。
とりあえず、貿易額では中国を重視し、技術やソフトでは日本、安全保障は米国と使い分けしているのが、これまでの韓国外交の流れでした。
ところが、それらの微妙なバランスを理解しているのか出来ないのか解りませんが、文大統領は極端な反日政策を押し進め米国からも離れつつあります。
つまり、韓国は長年保たれた微妙なバランス関係から抜け出し、北や中国との距離を縮めつつあるのが現状と言えます。
その様な国際関係の中で世界の嫌われ者になりつつある中国と、外交四面楚歌の韓国が接近を図るのは至極当然の成行きですが、互いに目先の利益だけを求める外交に大きな果実が与えられる筈はありません。
このように、一般的とは思えない方向にぶっこんで行く文政権ですが、あちらの国民からすると、国際社会から遠ざかっていると捉えているようです。
■この記事に対する反響のポイント
・韓国政府の極端なかじ取りに国民困惑
・政府としてはニュートラルなつもり?
・どう考えても中国に踏み込んでいる
それでは、この記事に対する反響なのですが…中国と韓国が互いに孤立を避けようと歩み寄っていることに対し、「中国と協力するという風には感じられない、結局いい様にしか扱われないだろう」「中国との関係が対等な物になるはずがない」との意見が寄せられています。
韓国は中国から下に見られているという思い込みが国民に染みついているのが分りますが、韓国政府としては「それでよし」という考えなのでしょうね。
国民と政府の間でのズレはこの部分にあると思います。
これは中国に限った話ではなく、韓国では常に上下関係で物事を見ているのでしょう、助けてもらう=下に見られる、というような考え方の下地があるのだと思います。
その為、安易な譲歩や歩み寄りには警戒心が強いのでしょう。
しかし、文大統領にはそういった感情を上回る思想がある為に、北や中国に対しては、まるで手下のような態度をとることになってしまい、これが平時ならそこまで大きな問題にはなっていなかったのでしょうが、米中対立という、付く陣営を選択しなければいけないというタイミングでは、この姿勢が致命的になってしまったようですね。
少しの歩み寄りのつもりが、完全に肩入れをしていると見られてしまう…文大統領にとっては計画通りの行動かもしれませんが、国民からしてみれば、極端な暴挙となってしまうのでしょう。
正直、いつ地雷を踏み抜いてしまうのか、気が気ではないでしょうね。
中韓は習主席の早期訪韓に合意しましたが、今後、この二国の関係に最も関心があるのは米国の筈ですが、果たして韓国はこの視線を受けてどのように振舞うのでしょうか?
続きは動画で…