『韓国の資産現金化に対して日本企業は「即時抗告」を予定』
日本製鉄が韓国大法院の資産差し押さえ判決に対して「即時抗告を予定している」ということで、とりあえず、差し押さえ決定に対して法的な対抗措置を講じる模様です。
今後の法的な対抗措置や日韓の外交交渉・報復の応酬について考えます。
日本徴用企業、韓国裁判所の資産差し押さえ確定控え 「即時抗告予定」
日帝強制動員賠償訴訟の被告人である日本製鉄(旧新日鉄住金)が韓国裁判所の資産差し押さえ決定に関連して「即時抗告を予定している」と明らかにしたと、共同通信とNHKが4日、報じた。
この日午前0時から日本製鉄の韓国内資産差し押さえのための裁判所の差し押さえ命令公示送達の効力が発生することを受け、差し押さえ命令の確定を避けようとする狙いがあるとみられる。
効力発生により、7日後の11日午前0時までに日本製鉄が即時抗告をしなければ株式差し押さえ命令は確定する予定だった。
差し押さえ対象となっている資産は、日本製鉄とポスコの合弁会社であるPNR株式8万1075株(額面価5000ウォン基準で4億537万5000ウォン、約3600万円)だ。
これに先立ち、韓国大法院は2018年10月30日、強制動員被害者4人が日本製鉄を相手取って起こした慰謝料など損害賠償請求の大法院全員合議体で新日鉄住金(現日本製鉄)が被害者にそれぞれ1億ウォンを賠償するよう命じる確定判決を下した。
日本製鉄にこの判決を受け入れる動きが見られず、原告側は同年12月に損害賠償債権確保のためのPNR株式差し押さえを裁判所に申請した。
しかし、日本政府が韓国裁判所の資産差し押さえ決定文を被告人の日本製鉄に送達することを拒否し、ポハン支院は今年6月1日、関連書類の公示送達手続きに入り、
その効力がこの日から発生した。
公示送達は訴訟相手の住所が分からない場合や書類を受け取らず裁判に応じない場合、裁判所の掲示板や官報などに掲載した後、内容が伝えられたとみなす制度だ。
ただし、日本製鉄が不服申請方法の一つである即時抗告を行えば法律的に執行停止効力がある。
韓国裁判所のPNR株差し押さえ命令が確定すれば次の段階である売却手続きに入るため、日本製鉄は時間を稼ぐために即時抗告をするという意向を明らかにしたとみられる。
日本製鉄は「徴用をめぐる問題は、国家間の正式な合意である日韓請求権協定により、『完全かつ最終的に解決された』ものと理解している」とコメントしたとNHKは伝えた。
あわせて「日韓両政府による外交交渉の状況なども踏まえ、適切に対応していく」という立場も明らかにしたと共同通信は付け加えた。
【この記事に対する私の見解】
もともと、日本製鉄は韓国大法院が下した応募工に対する賠償判決について、両国の正式な合意である日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決された」という立場です。
そのため、日本製鉄が韓国大法院判決を無視した結果、大法院は公示送達を行い、判決結果を無視し続けた日本製鉄に対し、被告側が判決の結果を受理したと、先日4日、法的に認めさせた訳です。
これに対し日本製鉄が認められている権利は即時抗告という不服申立てしかありません。
即時抗告がない場合は、差し押さえが確定することになります。
従って、日本製鉄は期日の11日までに即時抗告するとの立場を示しています。
認められれば判決が凍結され執行停止となりますが、認められなければ差し押さえられた株式の現金化に向けた手続きに入ることになります。
現在の韓国大法院の殆どの裁判官は文政権が任命した裁判官ですから、日本製鉄の即時抗告が認められる可能性は非常に低いと思われます。
ただし、韓国は日本に対し「現金化するぞ、するぞ」と言いながら、日本側が先に折れ、譲歩してくるのを待つ戦略をとっていると思われます。
そうなると、日本製鉄の即時抗告は時間稼ぎになる一面も持っています。
ですので、即時抗告を受け入れて引き延ばしに入ることも考えられます。
もしくは、却下された場合でも、時間を掛けて株式の現金化を進めるでしょう。
現在、原告側は株式鑑定の手続きを進めていますが、日本製鉄は鑑定に対し異議申し立てできる債務者審問書の公示送達の準備中とのことです。
つまり、手続上の原告と被告の応酬がしばらく続くことになりそうで、どれだけの時間がかかるかは不明ですから年内の現金化は難しいとの見方も出ています。
その様な中で肝心の文大統領は何を考えているのでしょうか?もともと、元徴用工賠償判決については「被害者中心主義」や「政治は司法に不介入」などと、無責任なことを言っていますが背後で糸を引いているのは間違いありません。
ただ、ここに来て文大統領の支持率が40%台まで下落していることから、本来は株式の現金化など強気の対応をして支持率を回復したいところですがそれも難しい局面です。
ここで強気に出て、現金化を急いでしまうと、韓国が恐れている日本の報復措置を今の状況で受けることになるからです。
文政権の失政と新型感染症の影響で、マイナス成長に陥った韓国経済が、更なる日本の経済制裁により、1997年のIMF危機の再来となるという危機感を感じているのでしょう。
特に、経済制裁の中でも金融制裁により韓国の輸出が大打撃を受け、ウォンが急落することや、韓国企業の経営に大きな悪影響が出るのは、流石に経済音痴の文大統領でも理解している筈です。
従って、現在の文大統領は、それらのジレンマに悩まされているのではないでしょうか?
それでは、この記事に対する反響をポッチー君に教えてもらいましょう。
■この記事に対する反響のポイント
・現金化はしなくてはいけない
・日本の報復も覚悟
・文政権の思惑は?
アシスタントのポッチーです!それでは、この記事に対する反響なのですが…
「日本にだけは絶対妥協してはいけない」というように現金化をするべきだという声が占めています。
この資産現金化に反対する声は殆ど見れない状態となっています。
「一体いつまで延ばすのだ?」などの判決後一向に進まない現金化に苛立つ声も見られます。
国民としては、正しい行いをしているという認識のようで、「たとせ報復をされても立ち向かう」などというように、痛みも辞さな覚悟のようですね。
探さんが言ってたような思惑があるのなら、韓国政府は苦しい立場でしょうね。
【これに対する私の見解】
ポッチー君ありがとうございました。
日本製鉄が韓国大法院の決定に対して「即時抗告を予定している」と報道されたことに対して、韓国では日本が過ちを認めずに悪足掻きをしていると見ているようですね。
報復についても、「被害よりも決着をつけるべき」といった様子となっています。
概ね韓国世論は日本に妥協するべきではないという意見が占めている様ですが、果たして1965年の日韓請求権協定を正しく理解している人はどのくらいいるのでしょうか?
今回、日本製鉄の現金化の対象となっているのは韓国ポスコ社との合弁会社の株式ですが、そのポスコ社は1965年の日韓請求権協定による日本の賠償金で設立された会社なのです。
それらを理解した上での発言をしてもらいたいですね。
韓国は情を重視する国ですが、司法の場に情を持ち込むのはいただけません。
法治国家を名乗るなら、こういったところを直さないといけません。
続きは動画で…