『振り回される韓国ウォン!今度はウォン高で赤信号…』
大統領選挙を控えて、米国の不安定な国内事情もありドルの下落が続いています。
このままウォン高が進んでいくと、困るのは輸出に依存している韓国です。
世界経済の煽りを常に受け続ける韓国、このウォン高に政府介入はあるのでしょうか?
ウォン相場1130ウォン割れ輸出非常事態
ウォン高の勢いが止まらずドル相場は1年7カ月ぶりに1120ウォン水準まで値を下げた。
ドルの下げ幅が大きくなり、自動車や電子など輸出企業の緊張感も高まっている。
輸出戦線で価格競争力が低下し業績が悪化しかねないという懸念のためだ。
ただ韓国輸出大企業の製品競争力が強化されている上に海外生産工場が増えているだけに為替相場による価格競争力低下を相当部分吸収できるだろうという分析も少なくない。
26日のソウル外国為替市場でドル相場は5.20ウォンのウォン高ドル安となる1ドル=1127.70ウォンで取引を終えた。
この日の為替相場は1ドル=1130ウォンで取引を開始した直後から下げ幅を広げ1120ウォン水準に入った。
ドル相場が終値基準で1120ウォン水準まで下がったのは昨年3月21日の1127.70ウォン以来だ。
中国共産党最高権力機関である中央委員会がこの日から29日まで、北京で第19期中央委員会第5回全体会議を開くことがウォンを押し上げる材料として作用したとの分析が出ている。
中国指導部が会議で出す内需経済活性化と先端技術育成に対する市場の期待が少なくないためだ。
先月4日に1ドル=1189.60ウォンまで上昇したドル相場はその後下がり始めた。
先月4日からこの日までドル相場は61.90ウォン下落した。
ウォンと似た騰落傾向を示す人民元の価値が急騰した影響を受けた。
7-9月期の経済成長率が4.9%を記録するなど回復傾向を見せている中国の実体経済に押され人民元は下半期に入り強さを継続している。
ウォン高は通常、輸出企業の業績を引き下げる役割をする。
現代経済研究院はウォン高ドル安が1%進めば輸出が0.51%減少すると分析した。
韓国貿易協会国際貿易研究院もウォン安が1%進めば韓国の輸出が0.3~0.4%増えると推定した。
ウォン高傾向が新型感染症流行後に活気を帯びている輸出に冷や水を浴びせるとの懸念は相当にある。
産業通商資源部によると、9月の輸出は480億5000万ドルで前年同月比7.7%増えた。
輸出が増加傾向を見せたのは新型感染症の流行が世界的に広がる直前である2月の3.6%以来だ。
為替相場に敏感な自動車の輸出は前年同月より14.8%多い19万3081台となった。
先月以降ウォン高傾向が続いているだけに価格競争力が弱まった自動車輸出が近く鈍化するのではないかとの懸念が出ている。
ある自動車メーカー関係者は「決済通貨が多様化しており当面大きな懸念はないが、ドル安が長期化する場合には海外販売台数が減るなど少なくない打撃があるだろう」と話す。
電子メーカー関係者は「半導体やディスプレー事業への打撃は避けられない。
今後もドル安傾向が続けば10-12月期の業績は期待を下回るだろう」と話した。
一部では為替相場が輸出に及ぼす影響は予想より大きくないかもしれないとの反論も出ている。
大企業の相当数が海外工場での生産比率を増やすなど為替相場変動リスクに備えている。
海外から調達する原材料費負担が少なくない化学・石油精製・鉄鋼企業などはドルが下がれば採算性が上がったりもする。
一部大企業は価格競争力を相殺するほど製品競争力も上がった。
ウォン下落により外貨借入金の利子費用が減るなど一部で付加的恩恵も享受できる。
こうした脈絡から韓国銀行のイ・ジュヨル総裁は14日の記者懇談会で「為替相場よりは世界的な需要と新型感染症展開の流れが輸出の行方を決めるだろう」と予想した。
【この記事に対する私の見解】
といったように、米国の不安定な国内情勢を受けて、ドルの下落が続き、相対的にウォン高ドル安が進行しています。
これまではウォンの暴落に怯えて来た韓国ですが、輸出に大きく依存する韓国にとっては過度のウォン高も考えものです。
ですが、今後も米国経済は不安定な状態が続くことが予想されていますから、ドル安の傾向は、中長期的に続くことは避けられない展開になりそうです。
輸出に大きく依存する韓国の財閥企業にとっては頭の痛い事態ですが、報道などを見ていると、韓国政府は楽観的な姿勢を続けています。
韓国メディアも企業の税収の悪化や財閥企業の衰退に伴う周辺産業の縮小についてまで言及している記事は少数派という印象を受けます。
韓国の中小企業は全体の99%を占め、全企業従事者の割合は83%ですから、大半の国民は財閥企業の悲鳴など自分には関係ないことだと思っているのでしょう。
しかし、財閥企業のGDPが44.3%を占める韓国経済において、このドル安の傾向は死活問題です。
ですが、韓国銀行のイ総裁ですら「昨今のウォン高ドル安の影響は限定的である」と発言するなど危機感を持っていないことがわかります。
朴槿恵政権の時も、ウォン高が進んだ時期はありましたが、この時の韓国政府は、国際社会で競争力を失わないためにウォン安に誘導しようと奮闘していました。
にも関わらず、サムスンの2013年第4四半期における為替差損は約707億円に達するなど、多くの財閥企業が大きな打撃を受けました。
文政権は未だ動きを見せておらず、中長期的な目で見たときに、韓国のGDPは大きく低下することは確実と言ってもいいでしょう。
経済音痴の文政権はまだしも、韓国メディアの多くがこの状況に危機感を感じていません。
中央日報などは「ウォン高で米国人投資家が帰ってきた」などと、ウォン高のメリットばかりに浮き足立っているのです。
スワップなど防衛の手段が明確なウォン安と違い、米国の意向も絡んでくるため、一筋縄ではいかないドル安ウォン高状態、文政権は水面下で動いているのでしょうか?
■この記事に対する反響のポイント
韓国経済は弱過ぎ!韓国国民の溜息
それでは、この記事に対する反響なのですが…「韓国経済は外的要因に影響を受けすぎだ」「ウォン高になると輸出がほんと心配だ」「ウォン高になればガソリンとかも安く買えるから、消費者にとってはメリット」このように、韓国国内ではウォン安でもウォン高でも苦しい状況に置かれる韓国経済の脆弱性を嘆く声が多く見られます。
韓国政府やメディアよりも、国民の方が切実に韓国経済の危機を実感しているようです。
一部ではウォン高のメリットを享受しようというポジティブなコメントも見られますが、今の韓国経済の状況を考えると、韓国においてはメリットは限定的であり、財閥企業の衰退により韓国経済はさらに弱っていくことが予想されます。
この兆候を財閥憎しの文政権はどう捉えているのでしょうか?財閥を苦しめる政策を続けて来ましたが、ウォン高はそれ以上の打撃になりかねません。
文政権が何か対策を打ち出すのか、はたまた放置するのかまともな韓国国民は気が気ではないでしょう。
乱高下を繰り返す不安定なウォン、こんな国と通貨スワップを結んでいたなんて今思えば完全に慈善事業ですね。
続きは動画で…