『韓国GSOMIA延長に北朝鮮も激怒!「裏切者」と非難され米韓同盟赤信号』
GSOMIAを韓国がしれっと延長したことに、北が激怒しているようです。
しかし、GSOMIA維持による日米韓の連携を目障りに感じているのは、北よりも中国です。
このタイミングでの北の激昂は中国の意図が絡んでいる可能性が高そうです。
北朝鮮「韓国、GSOMIA終了沈黙…民心背信・売国背族」
北朝鮮メディアは6日、韓国が韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)終了通知期間が過ぎたのに別途の立場を出さず自動延長されたとし、「民族の指向と意志に対する露骨な背信行為」と非難した。
北朝鮮の対外向け週刊誌の統一新報はこの日、「民心に逆行する背信行為」と題する記事で、メディア報道と専門家らの見解を借りて韓国が「別途の立場を出さないことで協定終了の有無をめぐる議論を避けた」と分析した。
また「日本も協定終了に対して言及すらしないなど意図的沈黙で軍事情報保護協定を自動的に延長させた」と指摘した。
これまで韓日両国は毎年8月24日までに別途の終了通知がなければ協定を1年ずつ自動で延長してきた。
韓国政府は昨年11月に「いつでも韓日GSOMIAの効力を終了させることができる」という前提でGSOMIA終了通知の効力を停止した後、先月24日には別途の関連の立場を出さなかった。
メディアは、日本が昨年7月の強制動員被害者賠償判決に対する報復として輸出規制措置を取り、これを受け韓国がGSOMIA終了を日本に通知したが米国の反発により終了通知効力を停止した過程に言及した。
その上で「終了通知期間を沈黙で曖昧にやり過ごしたのは相伝の要求ならば民族的尊厳も利益もためらいなく犠牲にさせる醜悪な売国背族的醜態。
南朝鮮(韓国)各階層の中で当局に対する非難と嘲笑が日増しに高まっている」と主張した。
【この記事に対する私の見解】
といったように、GSOMIAの延長に北が激怒しているようですが、文政権の北への尽くしぶりは、目に余る物がありますが、そうした努力を持ってもなお、このように理不尽になじられるのですから、よほど文在寅という人物は北に軽視されているのでしょう。
南北共同連絡事務所の爆破以降、外交部を親北派で固め直すなど、暴力的な挑発行為を受けても尚、北との関係改善に必死な文政権。
7月に就任したばかりの親北派のイ・イニョン統一相は就任以降、国際社会の目を盗んで北との経済的交流を活性化させようと必死です。
民間団体を通して北の貿易会社と契約し、1億5000万ウォン相当の北朝鮮産酒類と韓国の砂糖167トンを交換しようとするなど、物々交換をしてまで北との経済的な繋がりを求めています。
もちろん、韓国国民にとっては何の利益もないことですし、結果的に北の貿易会社が国連の経済制裁対象であることが判明し、計画は失敗に終わったわけですが、一般的な感覚を持つ韓国人からすれば、何故そこまでして北に忖度するのか、全く理解できないというのが現状でしょう。
そして、こうした韓国から北への一方的な救済措置は、必ずしも北のニーズに合っていなかったり、今回の物々交換のように失敗に終わったりと、北は文政権の親北姿勢の恩恵を、十分に受けれていない状態が続いています。
ひとえに文政権の外交手腕の無さといえばそれまでですが、北側にとっては「口先だけの親北パフォーマンス」のように映り、韓国国民からすれば、ここまで不和状態にあるのにも関わらず、北に尽くし続ける酔狂な大統領に映っているのです。
ですが、そもそも文政権の北に対する考え方と国際社会の考え方にはかなりの乖離が生じています。
文政権は、南北統一にとりつかれ、国際社会が最も懸念している核問題の解決と、人権侵害に関する問題意識が非常に低いのです。
事実として、文政権以降、脱北者に対する人権侵害は、韓国国内のみならず、世界中から問題提起されていますが、「人権派」をうたう文大統領は知らぬ存ぜぬを突き通しています。
南北統一に向かうことで、北で人権侵害を受けている人々の救済に向かうどころか、北の上層部の思惑通りに、脱北者を北に引き渡したり、韓国で生活する脱北者のサポートを怠っているのです。
今回、北が韓国のGSOMIAの維持に対し、激怒したのには、結局は日米韓との繋がりを捨てきれずレッドチーム参加に煮え切らない態度をとったことに怒ったのかもしれませんが、北の現状を考えると、米国や日本との結束を危惧するほどの立場にないというのが現実です。
米中対立において、韓国が米国側についたとしても文政権である限り、北の処遇に関してはそれほど大きな変化はないと言えるからです。
であるにも関わらず、ここまで激怒した背景には、北のバックにいる中国が影響していることは想像に難くありません。
8月下旬の中国外交トップのヨウ・ケツチ氏との会合で、日米韓3か国の軍事同盟など中国包囲網への参加をしないように釘を刺されたことは明らかですし、THAADの一件以降、日米韓の積極的な同盟維持には消極的になっています。
ですから、GSOMIAを破棄するわけでもなく、更新を宣言するわけでもなく、破棄宣言を無視するといった形で、消極的に日米との連携を維持することを選んだのでしょう。
それでも中国はこの状況を快く思っていません。
ですが、中国が表立って非難するのも不自然だということもあり、ある意味なんの立場もなく自由に発言のできる北に噛みつかせたのでしょう。
イデオロギーとしては中国と北を優先したいが、国内の声や実利を考えるといまいち踏み切れない文政権に、踏み絵を迫るレッドチームの面々。
果たして、今後の文政権の采配はどのようになるのでしょうか?
■この記事に対する反響のポイント
それでは、この記事に対する反響なのですが…「いつから北と韓国が協力関係になったんだ?」「北から文大統領に対する直接的な指令か?」「これはGSOMIAが必ず必要であるという証になってしまったな」といったように、韓国国内では北が過剰な反応を示すことを不審がるとともに、ここまで激怒するということは、北との距離を取りたい国民としてはGSOMIAは韓国にとって必要なものだという皮肉めいたコメントも見られます。
一方では「この破棄する詐欺は、反日感情を助長して支持率を引き上げることが目的」だと、そもそものこのGSOMIA破棄騒動が、文政権の反日パフォーマンスに過ぎない、といった指摘もあり、一部の韓国国民からもかなり冷めた目で見られているようです。
また、「北朝鮮は相変わらず中国の属国の役割をこなすのがお上手です」などと、この不自然なまでの激昂には中国の思惑が隠れているというコメントからも、韓国国内ではレッドチームへの嫌悪感と、それに伴い消極的ではありますが、親日・親米がじわじわと広がり始めていることを感じさせます。
今回の北の暴言に対し、文政権はどのような反応を示すのか、とても興味深いです。
北の挑発と暴言はいつものことですが、裏に中国の思惑が見え隠れしており、政府もスルーするわけにはいかず、頭が痛い話となっているでしょうね。
続きは動画で…