韓国政府が宗教弾圧？防疫か宗教か…感染拡大を防ぐため、教会での食事禁止措置は正しい？不公平措置で国民が二分化【世界情勢】

韓国政府が感染症拡大を懸念して、このような指示を出したのはよくわかります。
神聖な儀式も一部の熱心な信者には大事なのかもしれませんが、過去の例もありますし、やはり一般的には人命のほうが大切です。
ですが、今回の問題点は韓国政府の判断が公平かというところにあるようです。
というのも、教職員たちは引き続き、カフェや食堂で飲食を共にしているのです。
また、クラスターで大問題になったクラブも営業しています。
これらが許されて、どうして教会での飲食だけ禁じるのでしょう。
このあたりの不信感が、「共産党による宗教弾圧だ！」とまで言われてしまう原因ではないでしょうか。
集団で食事しているのは教会だけではありませんし、こうした状況を踏まえて見た場合、政府は何か意図があって、教会だけを目の敵にして不当に扱っていると言われても仕方ありません。
もちろん、宗教の集会中止に賛成する声も決して少なくはありません。
私もどちらかと言えば自粛をした方が良いと思います。
感染症のピークは過ぎたとはいえ、やはり第二波、第三波は起こしたくないでしょう。
感染症をもう二度と広めたくないからこそ、韓国政府はこのような取り締まりをしたのです。
では、何故政府は公平性に欠けていると捉えられるような事を行ったのでしょうか？それでは、韓国政府側の視点に立って考えてみましょう。
韓国政府は、ワケもなく宗教団体を不当に弾圧しているわけではありません。
宗教団体からの集団感染を、とりわけ懸念せずにいられない事情があったのです…振り返れば、韓国で新型感染症が流行り始めたのは2月中旬頃のことでした。
3月中旬には都市部で感染者が増え続けて行き、首都圏ソウル近郊で、新たなクラスター感染も発生してしまいました。
鎮静化の兆しが見えるたびに、新興宗教団体から集団感染が起こっていたのです。
韓国が宗教を特に厳しく弾圧しているように見えるのは、このような背景から、特に国民の目が宗教団体へ向いていたのではないでしょうか。
ちなみに韓国でまず問題になったのが、「新天地」という宗教団体でした。
毎週2回、信者が密着しながら礼拝するという独特な儀式があり、まさに三密の状態です。
そして、皆さんも覚えているかと思いますが、2月16日、感染者がこの集会から生まれます。
新天地でおこなわれた1000人規模の礼拝に参加した60代女性の信者から、次々に感染被害が広がっていき、国内外で大きく報じられることになり、政府としてはトラウマレベルの問題となったのではないでしょうか？こうした背景もあり、二度と宗教団体からクラスターを出させないようにと、とりわけ厳しく取り締まっているのでしょう。

それでは、この記事に対する反響なのですが…最近は政府に対して否定的だったあちらの国民も、この件に関しては肯定的なようで、「集会中止に賛成」や「人が優先だ！」といった意見が多くみられますね。
やはり、最初の感染爆発のイメージが強いようで「落ち着くまで教会を排除」といったかなり強目の意見も見かけられます。
しかし「この扱いは不当です」といったように、宗教側を擁護する意見もあるのが政府の頭の痛いところでしょうね。

今回政府がやらかしてしまったのは、特定の勢力だけを締め付けた事ですね。
宗教の集会で感染者が続出したことが背景であることは十分理解できます。
しかし、集団感染を懸念して教会での飲食を禁じるならば、そのほかで集団飲食しているところも同様にするべきというのは当然です。
経済活動などに直結をしない分、こういった団体への規制は比較的簡単にできるのでしょう。
後先考えず行った行為は、またしても国民を二分化してしまう事となり、要らぬ火種を持ち込んだ事になったのかもしれません。
この件は公平性の観点からいえば、韓国政府の対応には少し問題があるのではないでしょうか。
人の命が大事なので、防疫の為に教会での飲食を禁じるのは私も賛成できます。
しかし、そのせいで反発が上がるとは、考えなかったのでしょうか？「ほかも厳しくしているのでそちらもお願いします」という態度を取ることができたならここまで問題は大きくならなかったのではないでしょうか？もっと公平な対策をとろうと思えばできたはずです。
これでは反響でも出てたように「共産党による宗教弾圧」といわれても仕方ない気がします。

いくら感染防止のためとはいえ、一部の勢力だけを簡単だからと締め付けるのは不公平であり時代錯誤な気がしますね。
しかし、本来なら宗教側も、自ら自粛してほしいものですがね。