文大統領には南北共同でのオリンピック開催という目標がありました。
しかし、感染症が蔓延した状況で、話題に上がらなくなりましたが、
文大統領の最近の動きを見ていると、どうも諦めた様子ではないようです。
ですが、この件については、以前から韓国国民の間では否定的な声が上がっており、
今の状況と見合わせると、更に実現から遠のいたと思われます。
このまま、この考えは無かったことになるのでしょうか?
今回は、おさらいと言う意味で、文大統領の野望を見直してみましょう。
文在寅大統領「南北オリンピックの共同開催、必ず実現しなくては成らない」
文在寅大統領が2020年の新年の挨拶で、南北間の持続的なスポーツ交流を再度強調した。
文大統領は、今年の国政運営方向を明らかにした新年の辞で
「2032年五輪南北共同開催は南北が韓民族であることを世界に誇示して、
一緒に跳躍する絶好のチャンスになるだろう」と強調した。
文大統領は「これは南北首脳間の合意事項であり、国際オリンピック委員会(IOC)に
共同誘致の意思をすでに伝えた国際社会との約束でもある」とし
「必ず実現するように持続的なスポーツ交流を通じて力を合わせてほしい」と述べた。
さらに、「今年韓国で開催される第1回東アジア重量挙げ選手権大会と
世界卓球選手権大会に、北朝鮮の実力のある選手たちが参加することを期待し、
東京オリンピックの共同入場と単一チームを向けた協議も
続けなければならないだろう」と強調した。
南北は昨年2月トーマス・バッハIOC委員長に会い、2032年夏季五輪を
ソウルと平壌が共同で誘致するという意思を伝えた。
しかし、ベトナム·ハノイの米朝首脳会談の決裂は、南北関係に水を差した。
しばらく活発に行われた南北体育交流は再び中断された。
文大統領は、こう着状態に置いた南北関係を解決する解決策の一つとして、
体育交流を真っ先に言及した。
2018年平昌(ピョンチャン)冬季五輪を契機に南北関係が急激に近く、
負けたことを思い出しながら2032年夏季五輪の南北の共同誘致のため、
引き続き協力するという意志を明確にした。
ただ、最近韓国に対して激しい非難を浴びせている北朝鮮が、
直ちに南北体育交流に応じる可能性は低い。
現在のところ来る7月東京オリンピックで推進中の南北共同入場と
単一チーム構成も容易ではない状況だ。
【これに対する私の見解】
韓国と北朝鮮の2国間における経済交流が米国や国際社会の
対北朝鮮制裁に阻まれ膠着しているが、
文在寅政権は民間交流、特にスポーツ交流を通じて
南北関係の進展を図ってきました。
2018年2月に開催された平昌冬季五輪への北朝鮮の参加は
その努力が実ったと言っても過言ではありません。
また文大統領がこのオリンピックという国際外交舞台に
北朝鮮を引き出す役割をはたしたのは
紛れもない事実であるといっても良いでしょう。
その歴史的な平昌五輪後、南北首脳会談と米朝首脳会談が相次いで行われ、
文大統領は北朝鮮の核をめぐる問題において韓国が主導的な役割を自任し、
彼の支持率は70%台の後半に達しました。
そして、2018年9月には歴史的な南北首脳会談が行われ、
両国間で採択した共同宣言には、2032年のオリンピックの南北共同開催を
招致するために協力するという内容が盛り込まれました。
しかし、2019年2月に行われたハノイ米朝首脳会談は
周知の通り決裂で終わり、状況は一変。
同年10月に行われたストックホルムの米朝実務協議まで事実上決裂し、
米朝関係が進展を見せていない状況で、
文在寅大統領の差し出した手を握ってくれる北朝鮮ではありませんでした。
そのような状況の中、2020年1月21日には
2032年夏のオリンピックの南北共同招致と
ソウル・平壌共催を推進するための計画案を閣議決定するなど、
南北関係改善に向けて動き出しました。
しかし、文在寅大統領と金正恩国務委員長が
2018年9月の南北首脳会談で採択した共同宣言には、
2032年のオリンピックの南北共同開催を招致するために
協力するという内容が盛り込まれましたが、
米朝協議が膠着する中で南北関係も冷え込み、
これまで具体的な動きはありません。
その閣議決定した計画案には、
オリンピックの南北共同開催を招致するための
基本計画を確定し、関連の措置を速やかに施行するとの
内容が盛り込まれました。
計画案は、来年にも実務レベルの南北合同の推進団を発足させて
南北共同招致計画案を確定し、国際オリンピック委員会による
開催地選考の過程で北朝鮮と緊密に協力を進めるとしています。
文在寅大統領は新年に入って、南北の交流を進めることで
米朝協議を後押しするとの考えを表明しました。
北朝鮮との交流を進めることで、
膠着している米朝協議を対話の局面に転換させ、
韓半島の平和定着に向けたプロセスを進展させるというのが
文在寅大統領の考えです。
しかし、この件に対する韓国国民の声を見ると、政権への不信からか、
過去の栄光は何処に行った…という反応になっています。
■この記事に対する韓国国民のコメント
・北は共同開催能力がないが、韓国が全て建て替えるのか?
・国の経済状況が分かっていないのか、
北より我が国の事をもっと考えてください!
・まだこんな事言ってるのか!文在寅に今後、絶対に投票しません。
・文さん、また北の話だね…韓国の事はもういいの?
・「ノーベル賞をもらいたいです」って魂胆が見え見えで恥ずかしい…
・旧時代的だ、スポーツを政治的に利用している。
・北より、大韓民国の国民の面倒を見てください!
・何処までも北の犬なんだな…自国はどうなってもいいんだろ。
・この国はあなたの道具ではない!
・そんな事、国民は望んで居ない、まずは自国を立て直してくれ!
【これに対する私の見解】
と言ったように、昨今の情勢は必ずしも文在寅大統領が思い描く理想図と
韓国国民の現在の価値観に相当なズレがあると言わざるを得ません。
文在寅政権の根底として、
チョ・グク問題や他の諸問題で急落した支持率を高めるためには、
北朝鮮への支援が切実だと考えているようです。
また、米朝関係が冷え込み、南北関係にも特に進展がない現状において
南北体育交流も事実上中断した状態となっています。
また、文大統領は2018年平昌冬季五輪での
女子アイスホッケー合同チームなどで南北関係の転換点を用意したように、
今年のスポーツ国際大会を南北関係の突破口として
考慮しているのではないでしょうか。
しかしながら現実として、
五輪開会式の南北合同入場も現在のところ難しいと考えられます。
また4月には韓国の国会議員300人を選ぶ総選挙が行われ、
与党の共に民主党が敗北すれば政権は死に体化し、
北朝鮮政策などを大幅に見直す必要が出てくるかもしれません。
これらの事も、まずは選挙を乗り越えて、
現在の状況を打開してからですね。
中々思うように事は進んでくれなくて、
見ていて可哀想になってきます。
続きは動画で…