『文大統領は更に酷い韓国大統領の末路』
韓国の大統領経験者として、史上4人目の実刑が確定したイ・ミョンバク元大統領ですが、この大法院の最終判断に、韓国内の報道も大きく分かれているようです。
イ元大統領を擁護する声と徹底的に非難する声の二つに対立するメディアに国民の声は?
李明博前大統領、懲役17年・罰金130億確定…再収監
会社資金を横領し、サムスンなどから巨額の賄賂を受け取った容疑で裁判にかけられたイ・ミョンバク元大統領に懲役17年が確定した。
大法院2部(主審 パク・サンオク大法院判事)は29日、特定犯罪加重処罰法上の収賄などの罪で起訴されたイ元大統領の上告審で、懲役17年と罰金130億ウォン、追徴金57億8000万ウォン余りを言い渡した原審を確定したと明らかにした。
判決は「横領、収賄などの事実認定に関する原審の結論に過ちはない」とし、イ元大統領側と検事の上告をすべて棄却した。
イ元大統領に対する裁判所の保釈取り消し決定を不服として再抗告した事件も棄却された。
裁判部は、控訴審の実刑判決による保釈取り消し決定に対しては、再抗告をしても執行停止の効力は認められないと指摘した。
これで今年2月、控訴審直後に裁判所が拘束執行停止を決定し、釈放されたイ元大統領は再び収監されることになった。
イ元大統領は、自動車部品メーカー(株)ダースの会社資金約349億ウォンを横領し、サムスン電子が肩代わりした(株)ダースの米訴訟費約119億ウォンを含め、計163億ウォンほどの賄賂を受け取った容疑などで裁判にかけられた。
一審では、公訴事実のうち贈収賄約85億ウォンの容疑と横領約246億ウォンの容疑などの有罪を認め、懲役15年と罰金130億ウォン、追徴金約82億ウォンを言い渡した。
ダースの実質的な所有者はイ元大統領だと判断したのだ。
二審では収賄容疑の認定額が94億ウォンで、1審より8億ウォン余り増え、量刑が2年加重された。
法解釈の違いでダースの横領額も約252億ウォンに5億ウォン増えた。
【この記事に対する私の見解】
イ・ミョンバク元大統領が収賄疑惑で裁判にかけられ、懲役17年が確定しました。
この件は韓国内でも注目され、国内の新聞でも大きく扱われていますが、その内容は保守系と革新系で大きく異なっているようです。
保守系の新聞は朝鮮日報・中央日報・東亜日報ですが、その全てがイ元大統領を擁護しています。
元々、イ元大統領に対する捜査は国家情報院のコメント事件から始まりました。
国の安全保障に係わる国家情報院が、税金を投入して国民の世論を操作していたと言うものです。
これが事実であれば大問題なのですが、結局立件には至りませんでした。
すると捜査は国家情報院の特殊活動費に移行します。
その後もダースの実質的所有者論争、大統領選資金など、捜査はコロコロ変わり、最終的に今回の判決に至りました。
保守系メディアはこうした捜査過程を、有罪ありきの捜査と指摘し、「何の罪なのか誰が悪いのか、何も分からない」と今回の判決を非難しています。
積弊清算の名を借りた保守勢力に対する攻撃で、政治的報復のための捜査だと言うのです。
確かにそういった側面があるのは間違いありません。
しかし、だからと言ってイ元大統領に問題が無かったかと言えばそんな事は無いでしょう。
取り調べの中で一部の容疑は認めていますから、少なくとも全くの無罪とは言えません。
一方で文政権を支持する革新系の新聞はハンギョレ新聞や京郷新聞がありますが、こちらはイ元大統領に徹底的な攻撃を加えました。
大統領になりながら有罪判決を受けた事を強く非難し、「裏切者」「詐欺師」と強い表現で罵っています。
また、過去に河川の事業で失敗した事を指摘し、大統領としての能力にも不適格の烙印を押し付けています。
しかし、イ元大統領の大統領としての業績を見た場合、そこまで糾弾されるほど失敗続きだった訳でもありません。
通貨危機の際には日本や中国とのスワップ合意に成功して経済を立て直していますし、北の非核化を重要視していた点だけ見れば、文政権よりマシと言えるのではないでしょうか。
客観的に見て今回のイ元大統領の判決は、失敗も成功もあったごく平凡な大統領が、収賄で有罪判決を受けたと言うだけの事で、韓国にとってはお約束でしかありません。
しかしそれは保守にとっても革新にとっても、相手陣営を攻撃する格好の材料だったのでしょう。
保守の意見は贔屓の引き倒しですし、革新の非難は露骨な悪意が剥き出しです。
結局のところ新聞は、今回の判決の是非などどうでも良く、ただ、自分にとって都合の良い部分だけつまんでいるに過ぎない事が分かります。
いかにも韓国のメディアらしいですが、こうした偏向報道は韓国国民にとってどう映っているのでしょうか?
■この記事に対する反響のポイント
韓国では当たり前、退任後の逮捕劇
それでは、この記事に対する反響なのですが…「文在寅も結局同じ道を辿る」「裏切りには、全財産没収! 無期懲役!までやらないと」「文在寅は果たして何年になるだろうか?」など、国民の意見も新聞同様、文大統領とイ元大統領、それぞれを非難する意見に分かれているようですね。
しかし、イ元大統領を非難する意見は驚くほど少ないようです。
普通に考えれば、大統領経験者が収賄で有罪になったのですからもっと非難する声は多くても良いように思いますが、むしろ「文在寅は100年を越えるだろう」という文大統領を非難する声や、「イ・ミョンバクは経済でもうまくやっていた」といった、イ元大統領の頃の方が良いと言う意見の方が多いようですね。
捕まった大統領の方が、今よりよっぽどマシという事かもしれません。
文政権を支持する革新系の新聞は、保守陣営を叩くのにやっきになっていますが、国民には全く響いていないようです。
朴槿恵元大統領に続いて、イ元大統領を刑務所に送り込んだ文大統領ですが、自身も牢獄に送られる結末は、避けられないのではないでしょうか?
辞めると逮捕されるのは韓国の大統領にとってお馴染みの末路ですが、いい加減、なり手が居なくなってしまいそうですね。
続きは動画で…