『韓国政府の本音!国産化は順調だが、日本は輸出規制を解除して!』
韓国が日本から輸出管理を受けはじめてからはや1年が経とうとしています。
「輸出規制対象品目の国産化は順調だが輸出規制を解除してほしい」と韓国政府は言っています。
この矛盾した発言は一体どこから来るのものでしょうか?
ホンナムギ「日本、韓国の努力に応える番」
韓国のホン・ナムギ経済副首相兼企画財政部長官は2日、非常経済中央対策本部の会合で、「日本政府が輸出規制の撤回と解決に向け、誠意ある姿勢へと前進した立場を示すよう求める」と述べた。
日本が韓国に対し輸出規制を強化する措置を取ってから1年がたつ。
ホン氏は、韓国政府は両国間の対話や国内の関連制度の再点検などに真剣に取り組んできたとした上で、あらためて日本に積極的な対応を求めた。
輸出規制強化を受け、韓国は素材・部品・装備(装置や設備)の競争力強化を図ってきた。
ホン氏は「この1年、官民が力を合わせて努力した結果、生産に支障を来すことなく、規制をよく乗り越えた。高純度のフッ化水素など主要素材の一部は国産化し、一部は輸入先を多様化するなど、素材・部品・装備の国内供給網を強化する契機になった」と、関連戦略の成果を強調した。
政府は素材・部品・装備の特別予算を組んで競争力強化策を集中的に進めているとしながら、この日の会合では「素材・部品・装備2.0戦略」を話し合うと述べた。
ホン氏は2.0戦略を「感染拡大や保護主義拡大などによるグローバル・バリューチェーン(GVC=国際的な価値の連鎖)再編に対応して素材・部品・装備供給網の安定性強化、新産業と企業の国内回帰促進などに取り組み、韓国を最先端の製造クラスター(集積地)に作り上げるための対策」と紹介した。
【この記事に対する私の見解】
日本政府は昨年の7月1日に韓国に対し、輸出管理を行いました。
対象製品は、ディスプレイや半導体の部品となる素材品目でしたが、しかしこの輸出管理をきっかけに、韓国は対象品目の国産化や輸入先拡大が成功し、ほとんどこの規制の影響を受けることはなくなり、日本依存から脱却してしまい、むしろ輸出先がなくなった日本が困っていると発表していました。
それなのに輸出管理の解除を積極的に求めていくと言った発言にはちょっと理解に苦しみます。
韓国が日本から輸入した半導体素材の輸入額も物によっては減少してはいますが、大幅に減った物は高品質のものではなく、日本依存の脱却とは言えません。
特にフッ化ポリイミドについての輸出量は増加しているのです。
これではとても「日本に頼らなくて良くなった」とは言えない状況です。
つまり、韓国国民向け発表と事態には大きな齟齬があったということになります。
実際にこの綱引きは、日本側が一方的に有利な状態かと言われるとそうでもないでしょう。
事実、日本企業が輸出できる品目が減っているわけですので、少なからず影響は受けていると思われます。
そういう状況を受けてなのか、韓国政府が半導体を中心とする産業界が、原材料国産化と輸入先の多角化を勢力的に対応し、むしろ日本が窮地に追い込まれているとうい見方さえあります。
韓国に対する輸出管理はむしろ日本企業に否定的な影響を与えたという日本側の論調もあります。
「日本総合研究所」は最近、報告書で「韓国の半導体産業の脱日本化は、日本の輸出管理施行の意図せざる結果」とする診断結果を発表しました。
それと共に「中長期的に韓国の半導体産業は成長するだろう。」とし、「日本の役割が低下する恐れがある」と憂慮する報告もされていました。
「一度シェアを奪われれば再び奪還することは難しい。」というフッ化水素メーカー関係者の話も伝えられています。
図らずも国産化を強いた結果、「お得意様」が「競合」に変化してしまったというのです。
しかし、もしこれらの日本ピンチ的な分析が本当にそうだとするならば、韓国が規制解除を強く求め続けることなどありえないと思うのですかいかがでしょうか?
韓国にとっては半導体やディスプレイ、いわゆるオハコの電子製品産業のクリティカルに必要な部分を日本に握られ続けるのは気持ち悪くて仕方がないはずです。
この分野に関しては、何を置いても一刻も早く脱日本を図りたいはずであり、輸出管理はその大チャンスでもあったはずです。
でも韓国は日本からの輸入を続け、“輸出規制”解除を訴え続けています。
その点も併せて考えると、原材料国産化と輸入先の多角化の進捗が「実は芳しくない」という回答が導き出されてしまいます。
つまり良質な材料が十分確保できていないという事の表れです。
例え高純度フッ化水素を試験管の中で製造することができたとしても、産業向けに大量の超高純度フッ化水素を製造することとは全く話が異なります。
その技術開発は、一朝一夕にできるものではありません。
韓国は類を見ないほどの外需依存型の産業国です。
その超外需依存国が感染症の影響で外需が縮小している今でも、不買運動対象国に対して“輸出規制”を解いてくれといい続けるという事はそう言えるのではないでしょうか。
何よりも今の状況が苦しくて仕方がなくて、早く何とかしてほしいという事を、手続きの厳格化をした管理強化を、未だに“規制”と言い続けていることからも感じられますね。
■この記事に対する反響のポイント
・何故日本に懇願をするのか?
・国産化が進んでいないのでは?
・結局日本は必要
それでは、この記事に対する反響なのですが…
この一連の輸出管理を巡る問題で、ここまでは国産化成功で強気だった政府が、急に必死に日本に解除を求めだした姿勢に疑問を抱いているようです。
「国産化して日本が損をしているはずでは?」という意見が殆どを埋めており、韓国政府が見せたかった、日本に屈しない韓国という印象ではなく、「結局日本に頼らないといけない」という印象の方が強く映ったようですね。
【これに対する私の見解】
反響を見ていると、韓国国民は政府の発表に振り回されている印象を持ちます。
韓国政府が日本に対して輸出管理の解除を要求しているのが不思議でならないようです。
それほどまでに韓国国内では原材料の国産化がうまくいっているという事が、信じられていたようなのですが、まず考えなければならないことがあります。
そもそも特定の原材料が輸入できないのなら国産化しようという考えは、グローバルな経済の実態を考ると、突飛な方策と言わざるをえません。
この点を冷静に指摘している韓国内の経済紙もあるぐらいです。
現代の製造業は通信や移動手段の向上により、国際的分業が基本となっており、1円でも安い素材や部品を世界中から探し求め、それをかき集め、より低コストで製品を作る事が製造業の基本となっています。
素材や部品を自国で1から作リ出すという形態では、研究開発費や設備投資、製品化への年月を考えるとコストがまったく見合わなくなるため、そもそも成り立たないという事をまず考えるべきではないでしょうか。
といったように、“日本の依存から脱却し、日本に屈しない韓国”という姿を国民に持ってもらいたかったはずだったのが、結果を急ぎ過ぎたせいで、最初はよかったのに逆効果になってしまったようですね。
脱日本がうまくいっているのに韓国政府が必死に規制解除を要求する姿が、もはや、現状に対しての答えになっていますね。
続きは動画で…