『現代・LGがリコール費用押し付け韓国産業の信用が失墜』
現代自動車で生産された電気自動車に火災発生の危険性があるとして、大規模リコールが実施されますが、リコール負担費用について現代自動車とLGが揉めているようです。
しかし、それよりも大切なのは消費者への誠意と今後の防止策なのではないかと感じます。
韓経:コナEV全量リコール…現代自動車・LG「1兆ウォンの費用」だれが負担するか
現代自動車が電気自動車「コナEV」などのバッテリー不良により、火災発生の恐れがある車両をすべてリコールする。
対象車両は2017年11月から昨年3月までに生産されたコナEV、アイオニックEV、エレクシティバスなど8万1701台だ。
国土交通部は24日、「LGエネルギーソリューションの中国南京工場で生産された高電圧バッテリーの一部でセルの製造不良による内部ショートにより火災が発生する可能性が確認された。
高電圧バッテリーシステムをすべて交換する是正措置(リコール)に入る」と発表した。
リコール費用は1兆ウォンに達する見通しだ。
現代自動車とLGエネルギーソリューションがリコール費用をどのように分担するかはまだ決まっていない。
国土交通部はこの日、自動車安全研究院(KATRI)と関連専門家らの合同調査結果を発表した。
KATRIなどは昨年10月から最近までリコールで回収した高電圧バッテリーを詳細に調査して火災再現実験をした。
国土交通部は詳細な調査の結果、バッテリーセル内部整列不良で火災が発生する可能性があることを確認したと明らかにした。
バッテリーセル内の負極タブが折りたたまれ負極にリチウム副産物が発生し、この副産物が正極に広がり正極タブと接触すると負極と正極タブが短絡し火災につながりかねないと説明した。
国土交通部は再現実験を進めているが、まだ火災は発生していないと付け加えた。
国土交通部はまた、電気自動車用バッテリー管理システム(BMS)のアップデート時に充電マップロジックの誤適用を確認したし、これによる火災発生の可能性がないか追加調査をすると発表した。
その上で充電マップロジックの誤適用の有無が火災につながるのか有意味な差を発見できず追加調査が必要だとした。
リコールは来月29日から始まり、米国をはじめとする海外でも近くリコールを申請すると発表された。
国土交通部関係者は「現代自動車とLGエネルギーソリューションはまだ欠陥調査が完了していないのに消費者保護のため既存バッテリーシステムを改善した製品にすべて交換することに決めた。
関連調査を持続的に推進しリコール適正性も調査する計画」と説明した。
リコール対象の大部分はコナEVで7万5680台だ。
現代自動車とLGエネルギーソリューションは先制的リコールには同意したが、火災発生理由と費用分担率などに対しては交錯した反応を見せた。
現代自動車は「リコール費用は約1兆ウォンと予想され、今後分担率を反映して最終品質費用として算定する予定」と明らかにした。
また「リコール費用は2020年10-12月期の経営実績に反映する計画」と付け加えた。
バッテリーはLGエネルギーソリューション(セル)→現代モービスとLGエネルギーソリューションの合弁会社であるHLグリーンパワー(バッテリーパック)→現代ケフィコ(BMSシステム)→現代モービス(最終モジュール)などの過程を経て現代自動車の車に搭載される。
LGはバッテリーセルの欠陥は受け入れられないと反論した。
国土交通部発表後に立場文を出し「国土交通部の再現実験で火災が発生しなかったためセル製造不良を直接的な原因とは言いがたい。
現代自動車がBMSに充電マップロジックを誤って適用したのを確認しただけに火災発生と関連性があるのか追加で調査する計画」と主張した。
業界では両社がリコール費用分担率をめぐり不和を生じさせかねないとの観測も出ている。
ある関係者は「国土交通部の発表をめぐってもそれぞれ異なる解釈を出すほど両社は尖鋭な立場の差を見せている。
最終結論が出ても費用分担率を決める交渉は容易ではないだろう」と話した。
総額1兆ウォンに達する費用も問題だが、急成長する電気自動車とバッテリー市場で火災発生責任があると名指しされ注目を集めるのを避けたいという説明だ。
【この記事に対する私の見解】
現代自動車とLGが対象車種のリコールに対し、早急に合意した理由としてはこの問題を長引かせ、リコールがいつまでも決まらないという姿勢を見せることにより、現代自動車の評判が更に下落してしまうことを避けたかったからでしょう。
しかし、今回両社が争点としているのは、リコールの費用負担をどちらが行うのかといった点です。
バッテリーの不良を理由としたリコールであることを主張する現代自動車と、そこに反論するLGとが揉めているとのことですが、たしかに自動車の生産をしているのは現代自動車で、自社で生産していないバッテリーに不良があったとしても、自動車を売る側として、その責任を担っているのは間違いありません。
しかし、自動車という機械は、ほぼ全てのメーカーが部品工場と組み立て工場を別としていて、バッテリーやその他の部品に関してもその部品ごとに別の工場で作られ、最終的に組み立て工場で自動車となります。
ですから、バッテリーは自動車の中に入っていますが、生産過程は別と考えると、LGが費用負担を担うという意見も間違いではありません。
ただどちらの意見にも思うことですが、バッテリーの不良であっても、自動車の不良であっても、お互いが生産をして、お互いが利益を得ている以上、同等に負担して、且つユーザーへの謝罪と誠意のある対応が重要なのではと思います。
このように内部での争いを見せつけられてしまっては、現代自動車に対する購買欲そのものが失われてしまいます。
現代自動車が生産した「コナEV」という車種の不具合に関しては、昨年からリコールに関する議論がなされており、この記事にもあるように、来月29日からやっとその手続きが始まるという状況です。
リコールとなると莫大なお金が掛かりますし、その原因究明を徹底的に行わなければ、同様の不具合が繰り返され、それこそ自動車会社の大きな不利益に繋がるでしょうし、なによりもその自動車を使用している人が安心して乗ることは出来ません。
まあ、LGのバッテリーに関しては昨年10月頃、現代自動車の不具合が指摘された時期と同時期にそのバッテリーを使用していたGM・BMWの電気自動車が共にリコールを行っています。
昨年はパナソニックを抜き。
LGが世界1位となったことで大喜びをしていたそうですが、その矢先でこの不具合となると、その大喜びですらも足を引っ張る材料となってしまうほど信頼性が下落してしまったように思います。
今後、電気自動車の普及はより進行し、それに伴いバッテリーの品質・値段など、様々な面が競争材料となり、現在台頭している日本・中国・韓国だけではなく、各国においてその生産がなされるようになるかもしれません。
現在のところこの三国がメインとなってバッテリーの生産を行っていますが、その中でも今回のようにバッテリーの不具合などはメーカーにとって大打撃となりますし、生産が安定してくることで、価格競争よりも品質への評価が重要となってきます。
ですから、韓国や中国などの製品を見ても、品質が最高級とは言えない国にとっては勝負の時期となりそうですね。
また、タイガー・ウッズ選手の事故も現代車にとっては無視できない影響を与えているようで、各メディアもフォローに徹しています。
■この記事に対する反響のポイント
現代の信用は失墜、今年はターニングポイント
それでは、この記事に対する反響なのですが…この記事に対して韓国からは「今のようなサービスを続ければ、自国民にも徐々に捨てられるだろう」「韓国国民は無視なのに、米国がリコールしてほしいと言ったら直ぐにするんだ」「最も重要な部分であるエンジンが故障、火災となると信用性はない」という意見が上がっていて、韓国国内においては現代自動車の態度や対応に対する否定的な意見が多いようです。
電気自動車となると一番重要な部分ともいえるバッテリーですが、その生産を行うことが出来る日中韓三カ国において、世界を視野にいれた自動車生産は当たり前です。
だからといって自国民に対する態度と海外に対する態度が大きく異なるのは違います。
日本では大多数が日本車を所持していて、国内からの信頼性の高さが伺えます。
国内に対しても誠実な態度で対応できないようでは、今後の台頭は難しいかもしれませんね。
品質や値段は重要ですが、それよりも何事に対しても誠実な態度を貫くことを学んだ方が良さそうです。
消費者にとって重要なのは、誰が負担するのかではなく、いつどのように対応してくれるのかということですよね。
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