『保身に動く文政権に危機感「これは暴挙」検察総長排除』
チュ・ミエ法務部長官が、ユン・ソギョル検事総長の職務執行停止を命令したと発表しました。
チュ長官が今回の件の理由を「複数の不正の疑いを確認した為」とする一方で、検察側は「違法で不当な処分」と真っ向から対立、文政権の検察改革が大詰めです。
文大統領、秋美愛発表前に尹錫烈懲戒などの報告を受ける「別に言及はない」
文在寅大統領が24日、チュ・ミエ法務部長官がユン・ソクヨル検察総長に対する懲戒請求と職務の排除を発表する前に関連内容の報告を受けた。
カン・ミンソク青瓦台報道官はこの日午後、担当記者団に対し「文大統領は法務部長官発表直前に関連する報告を受けたが、それについて特に言及はなかった」と明らかにした。
チュ長官は同日午後6時、ソウル瑞草(ソチョ)区のソウル高等検察庁記者室で緊急ブリーフィングを開き、ユン総長に対して懲戒請求と職務排除をすると発表した。
チュ長官は「非常に重い気持ちで検察総長に対する懲戒請求および職務排除措置を国民に報告する」とし「これまで法務部は検察総長に対する多くの不正容疑に対して直接監察を行い、その結果、検察総長の深刻で重大な不正容疑を多数確認した」と述べた。
職務排除の理由は大きく5つで、△マスコミ各社の社主との不適切な接触の事実、△チョ・グク元長官事件など主要事件に対する裁判所の不法査察の事実、△チャンネルA事件およびハン·ミョンスク元首相事件に関する側近を保護するための監察妨害および捜査妨害、マスコミとの監察関連情報取引の事実、△検察総長の対面調査の過程で協力義務違反および監察妨害の事実、△政治的中立に関する検察総長としての威厳と信望が深刻に損なわれた事実だ。
【この記事に対する私の見解】
チュ・ミエ法務部長官は24日、ユン・ソクヨル検事総長に対する懲戒処分に向けた手続きを取り、ユン総長の職務停止を命令したと発表しました。
検事総長への職務執行停止命令は憲政史上初めての事で、文政権関係者が絡んだ事件の捜査を次々に進めるユン総長に対して、それを掣肘しようとするチュ長官の今回の動きは「違法で不当な処分」だとして、法曹界からも「とんでもない政治的暴挙だ」とする強い反発の声が挙がっています。
そもそもユン総長に対して一度もきちんとした監察がないまま、一方的に不正があると言って懲戒を請求したり、職務を停止させるのは明らかな職権乱用です。
また、チュ長官が主張する職務排除の理由も、本当に深刻で、検察総長を即時懲戒処分しなければならない案件なのかは大いに疑問です。
記事では検事総長が政治的中立を損ねた事を懲戒処分の根拠としていますが、これはユン総長が世論調査で大統領選の候補1位になった事を正さずに黙認した点を指しています。
しかしユン総長はこの件に関して世論調査機関に「自分を調査対象から除外してほしい」と要請した経緯があります。
それでも懲戒処分になるのなら、世論調査で人気が出るだけで検事総長をクビになってしまいますから、あまりに暴論と言うものでしょう。
こんな無理がまかり通るのでは、検察総長なんて言うものは、いつでも政権の都合で首を挿げ替える事が出来る、お飾りでしかありません。
元々韓国は軍出身の大統領が多かった経緯もあって、強権を抑制する為、検察などが強い力を持ち、権力を牽制してきた国家です。
その結果、政権が変わるごとに大統領が逮捕されるという事が頻繁に起こっていました。
文政権下でも、二人の大統領経験者が牢獄に送られていますが、これが自分の事となるとそんな末路は絶対に嫌なのでしょう。
裁判官を文政権寄りの人事で固めるなど、様々な分野で反対派の排除を進めています。
そうした中でも特にユン総長は目障りで仕方がなかったらしく、チュ長官はチョ・グク前長官を巡る捜査を指揮していた検察幹部32人を一斉に交代させて、ユン総長の側近を殆ど左遷してしまいました。
その後もチュ長官は、ユン総長に対して「こんなに言うことを聞かない総長ははじめてだ」と辞任するよう圧力を掛け続けます。
しかし、一向に辞任する様子の無いユン総長に業を煮やした文政権は、今回の様な前例のない暴挙に至った訳です。
ですが、そもそもチュ長官の主張する職務排除の理由は根拠に乏しく、仮に事実だとしても、憲政史上初めての手段に出る緊急性もありません。
そんな強引な手段でクビにされそうな検事総長が、現政権関係者に関連した捜査に多く携わっている事を考えれば、今回の件は文政権の保身のための行動と取られてもおかしくないのではないでしょうか?また、チュ長官に至っては、兵役中の息子を特別扱いするなど、自身がスキャンダルを抱えた状態と言う、開いた口が塞がらない状況です。
そんな中でも文大統領はこの件に完全に沈黙を貫いています。
そして、反対されていないので肯定だと、この異常な改革は進んでいます。
世論などの反発が想像を超えた場合、チュ長官はトカゲの尻尾切りにあいそうですね。
その為に、スキャンダルでヘイトを集めさせたと考えるのは、少し考えすぎでしょうか?
■この記事に対する反響のポイント
国民の意見は真っ二つ!文政権の保身は…
それでは、この記事に対する反響なのですが…「チュ長官を全面的に支持します!不正は排除だ」「検察庁法の改正も急いでください」「無茶苦茶だ、これが大韓民国の法治主義か?」「保身だけの者がろうそく大統領なのか?」このように、検察改革については賛否両論でおおよそ半々に意見が分かれた様ですね。
元々韓国はどちらが正しいかでは無く、どちらを支持するかと言う感情で物事を判断しますから、与野党どちらを支持するのかと言う意味で、半々と言う結果ははある意味妥当なのかもしれません。
しかし今回の件は、コメントを書き込むような熱心な支持者以外の層に大きな影響を与えそうです。
韓国国内でも大きく報道されているのですが、比較的ニュートラルなメディアでも、文大統領の支持率が低下する可能性がある事を指摘しています。
さすがに今回の文政権の動きは、暴走と言われかねない強引な物ですから、ただでさえ低迷しつつある支持率を、更に押し下げる事になるのは避けられません。
いくら残念な文政権でも、この程度の事は理解できていると思うのですが、いったい何を考えているのでしょうか?この件に関して、チュ長官から報告を受けている文大統領ですが、今のところ特に言及は無いようですし、先程もふれたように、この沈黙は、どちらともとれる様にする為の保険なのではと疑惑が増していきます。
何か深い狙いがあるのか、あるいは何も考えず、邪魔な検事総長をクビにしたのか。
文大統領の発言に注目が集まっています。
続きは動画で…