『韓国統一部が北との現状を語る、文政権の本音に韓国国民は?』
韓国のイ・イニョン統一部長官候補が、最近の北との関係について発言しました。
このイ候補者の発言からは、文政権の明確な北に対する忖度が感じられますが、過度な挑発行為を受けている状況で、文政権はまだ北に傾倒するのでしょうか?
李仁栄統一部長官候補「韓米軍事訓練の戦略的検討必要」
イ・イニョン統一部長官候補者は、対北ビラ散布について「必ず中断する必要がある」と明らかにした。
イ候補者は19日、国会外交統一委員会所属で共に民主党のキム・ヨンホ議員室に提出した人事聴聞会の書面質疑答弁書で「対北ビラ散布は南北関係の改善という観点より、境界地域住民の生命・安全・財産に深刻な危険をもたらすという点で、必ず中断が必要だ」と主張した。
対北食糧支援についてイ候補者は「南北間で食べ物、病気、死ぬ前に見たいものに対してはいかなる政治的・安保的計算なしに中断のない協力が必要だ」とし、「北韓住民に対する人道的協力が必要なら適期に実質的な協力を推進する必要がある」と強調した。
保健医療協力と関連しては「北韓の関心が高いピョンヤン総合病院など病院施設・医療人材の改善、ケソンや非武装地帯(DMZ)に『南北生命保健団地』の構築など、包括的・体系的な協力システムを構築するための南北協議も急がれる課題」と指摘した。
また、昨年の対北制裁を前面に出した米国側の要求で韓国側のタミフル対北支援が遅れたことと同じ事態が「二度と再燃されないようにする」と付け加えた。
韓米合同軍事演習については、戦略的な検討が必要だという立場を明らかにした。
イ候補者は「韓米合同軍事演習は韓半島の緊張要因として作用せず、南北対話と北米対話を促進する方向で戦略的な管理が必要だ」と述べた。
また、戦時作戦統制権返還推進計画が支障なく進展するには訓練規模を調整してでも実施しなければならないという側面を認めながらも、「国連安全保障理事会が感染症局面で即刻休戦を促している状況なので、このような感染症による現実的制約を考慮しながら戦略的に検討しなければならない」と述べた。
離散家族と関連しては「今年は離散家族再会20周年であるだけに、秋夕(チュソク)に離散家族再会を推進できるよう北韓と協議を進める」という計画を明らかにした。
【この記事に対する私の見解】
韓国のイ統一部長官候補が北との関係性について様々な方面について発言しました。
統一部は韓国の行政機関の1つで統一部長官は国務委員が任命される要職で、首相に次ぎ外務部長官と並ぶ要職とされています。
今回の統一部長官候補であるイ候補は与党「共に民主党」の前院内代表で、3日に文大統領から次の統一部長官候補に指名されています。
その統一部の役割は朝鮮半島の南北統一を進めるため、北との対話・交流・協力・人道支援に関する政策の樹立と、統一教育・広報・その他統一に関する事務を管掌することです。
以上を踏まえた上で、このところのイ候補の発言から文政権の戦略を探ります。
まず、記事にもあるように、19日にイ候補は以下の様に述べています。
「韓米合同軍事演習は韓半島の緊張要因として作用せず南北対話と北米対話を促進する方向で、戦略的な管理が必要だ」
つまり、米韓合同軍事演習の実施には反対しないものの戦略的な管理が必要と述べています。
この発言からは、米国を最大限に意識しつつも、北の機嫌を損ねないように何とか軍事演習を止めることはできないかなという意思が伝わってきます。
また、20日には国会外交統一委員会に提出した答弁資料で以下の様に述べています。
「クムガンサン観光の再開は南北首脳が合意したため環境を整えるよう努力することが重要」
この件についても、このように南北の間で話はついているためとして、米国に対して制裁の例外としてほしいという事を要請しています。
そして、同じ日にイ候補は「未来統合党」議員に提出した人事聴聞会の要請資料を通じて、北の南北連絡事務所爆破について以下の様に述べています。
「韓国側の被害を救済するために様々な案が検討されなければならないことは明らかだ」
「南北関係の特殊性上、損害賠償請求などによって問題を解決するには限界がある」
流石に、北の南北共同連絡事務所爆破については協議違反だという点では同意していますが、司法上の手続きでは解決を諦めるなど、何とか穏便に済ませたいという思いが伝わってきます。
また、今回の緊張関係の切っ掛けとなったビラ散布については、「境界地域住民の危険を考慮して韓国は必ず中断する必要がある」とし、まるでこの行為が人命を危険にさらす愚かな行為というような見解をしています。
ここまでの発言を見る限り、イ候補は相当北に対して気を使っていることが見て取れます。
本来なら、北朝鮮政府への挑発行為に対する遺憾などを表明するところだと思うのですが、逆に頭を下げて許しを乞うているようにさえ見えます。
こういった姿勢に対して、兼ねてよりあちらの国民からは非難の声が上がっており、実際にこれが原因で、政権支持率が急落する事態となっています。
ですが、そんなことはお構いなしで、南北統一という目的が最優先のようですね。
文大統領自身も「米国の承認無しでも北に支援する」と発言していましたし、イ候補もそういった姿勢なのだという事がわかります。
それでは、この記事に対する反響をポッチー君に教えてもらいましょう。
■この記事に対する反響のポイント
・統一部は北の代弁者
・文政権は北に傾倒しすぎてる
・支持率が落ちた最大の要因
アシスタントのポッチーです!それでは、この記事に対する反響なのですが…
「北韓の報道官が話したのか?」というように、この北最優先の姿勢には、あちらの国民は不満が爆発しているという様子で、ほとんどが否定的意見です。
「文政権の弾劾を望む」や「おかしな国になった」といったように、経済政策に対する不満よりも、北への傾倒の方が問題だと思われているようですね。
「南北統一も北が主体の統一だ」と、北による支配を懸念しているようですね。
【これに対する私の見解】
ポッチー君ありがとうございました。
北が文政権との対話を完全に拒否し南北連絡事務所爆破という南北協議違反を犯しても、今回のイ候補の発言を見る限り北への配慮と対話姿勢の継続が明らかです。
確かに、分断された国家である韓国が統一部という組織を作り統一を目指すのは理解できますが、少なくとも半数近い保守的な韓国国民の支持を得ているとは考えられません。
経済問題でも支持率の低下が見られる文政権が、2年程度の残りの任期の中で具体的な成果を出せるのかが問われています。
この姿勢を貫いていくと、既に亀裂が生じている米韓同盟も更に悪化するでしょうし、米中対立で米国側に着くことを望んでいる国民の割合が多い事からも、ろうそくを持った国民が、青瓦台の前を埋め尽くす日も意外とすぐにやってきそうですね。
今後、強硬な北の対話拒否姿勢に対して、文政権がどのように取り繕っていくのか、その結果、韓国はどうなるのかが要注目です。
続きは動画で…