『日韓貿易論争が法的紛争本格化…
韓国の自爆行為の真意は?』
6月2日にWTO紛争解決手続きを再開した韓国は、貿易紛争にさらに力を入れていくようで、
WTOに対してバネル設置を要請しましたが、日本にとって圧力になるとは思えませんし、
それは韓国政府も気付いていると思うのですが、果たしてどんな外交的意図があるのでしょうか?
韓日、WTOで法的紛争が本格化…政府「パネル設置要請書の提出」
世界貿易機関(WTO)で、日本の対韓国の輸出規制をめぐって、
韓国と日本の法的紛争が本格化した。
駐ジュネーブ韓国代表部は、18日(現地時間)、
スイス・ジュネーブにあるWTO事務局と駐ジュネーブ日本代表部に
パネル設置要請書を発送したと発表した。
これにより、29日に開かれる紛争解決機構(DSB)会議で
主要議題として取り上げられることが予想される。
パネル設置要請は、一般的にWTO提訴と呼ばれる措置であり、
WTOで1審に相当するDSBパネルが両国の貿易紛争を審理することになる。
もしパネル判断に不服がある場合、規定上上訴をすることができるが、
WTOで最高裁判所の役割をする上訴機構が、昨年12月から機能が中断している状態だ。
通常のパネル判断は、1〜2年程度、最終審まで2〜3年程度かかる。
これに先立って、日本は、韓国最高裁の日本帝国主義の強制労働賠償判決に対する
事実上の報復措置として、昨年7月に半導体・ディスプレイの製造に必要な重要素材である
フォトレジスト、フッ化ポリイミド、高純度フッ化水素など3品目を
一般包括許可の対象から個別許可の対象に変えた。
また、8月には、自国企業が輸出する際の承認手続きの簡素化の優遇を認める
ホワイトリストから韓国を除外した。
これに対し、韓国政府は、昨年9月11日WTOに提訴したが、同年11月22日、
日韓の対立を対話で解決すべく、日本への圧力カードだった
軍事情報保護協定(GSOMIA)終了通知の効力を猶予し、WTO提訴の手続きも中断した。
以後、韓国は、日本が輸出規制の名分とみなした制度の不備をすべて整備し、
日本に先月末まで輸出規制解決策を出すよう要求した。
しかし、日本が最後まで前向きな回答を出さなかったため、
政府は、6月2日WTO紛争解決手続きを再開することを決めた。
【この記事に対する私の見解】
日本の対韓輸出管理強化をめぐり、韓国政府はWTOでの紛争解決手続きを開始した模様です。
さらにはWTOに対してパネル設置もすでに要請済みとの報道がされています。
この自爆ともとれる行為に戸惑う日本人が多かったのではないでしょうか?
再三に渡り、韓国では高純度フッ化水素の国産化に成功したと報道されており、
日本からの輸入に頼らなくとも自国で賄えると誇らしげな論調も湧き上がっていました。
それが本当なら、少なくともここまでこの件にこだわらなくてもいいような気もしますよね。
しかし、ここに来ての法的紛争の本格化には一体どのような意味があるのでしょうか?
やはり真っ先に想像できてしまうのが、北による南北共同連絡事務所の爆破により高まった
文政権に対する国民の不満をそらすために、切り札の反日カードを切ったという事です。
実際、文政権の支持率は事件直後の調査で53.6%に急落していますので、
不満解消と支持率回復のため、法的紛争の本格化に踏み切った可能性が非常に高いです。
そして、この判断には何の躊躇もなかったであろう事も強く推測できます。
そしてもう一つ考えられるのが、高純度フッ化水素の国産化がまだ軌道に乗り切れていない事です。
最近、SKマテリアルズが半導体向けフッ化水素の量産を開始したとのニュースがありました。
しかし、量産を実現したフッ化水素ガスの純度は99.999%で「ファイブナイン」と呼ぶ純度です。
これまで日本の素材メーカーが輸出してきたのは超高純度の「トゥエルブナイン」であり、
比較すると品質は劣るとされており、ハイエンドモデルへの使用等には一定の懸念が残るでしょう。
元を正せば、半導体・ディスプレイ製造に不可欠な、フォトレジスト、フッ素ポリイミド、
高純度フッ化水素の3品目が軍事転用可能な素材であるにも関わらず、
その管理が杜撰だったためにその対象3品目を一般包括許可対象から個別許可対象に変えた
輸出管理強化である事は世界の共通認識と言ってもいいでしょう。
その後、韓国は日本が輸出規制の理由とした制度不備をすべて解消したとし、
日本に5月末までに輸出規制解決策を明らかにせよと要求していたのです。
しかし、日本が期日までに前向きな回答を出さなかったため、
WTO紛争解決手続きを再開することを決めたと主張しています。
しかし、日本側の一貫して対話での解決を求める姿勢に対し韓国は、
「再びホワイト国に入れろ」の一点張りで全く話が先に進まなかったのが事実とされています。
そもそも3品目の扱いの主導権は日本にありますし、日本は韓国が講じた措置が
適切に実行されているかどうかの検証もしなければいけません。
もっと話を噛み砕けば、「軍事転用されては困りますのできちんと管理してください。」
「できるまで特別扱いはしないでおきますからね。」
「できたのが確認できたら元に戻しますからね。」
というそもそもごくシンプルな要請なのです。
韓国大法院の強制労働賠償判決に対する事実上の報復措置などという難しいものでもないのです。
こういった本来シンプルに解決できる事案を、政権安定のカードとして利用してしまう事が
いつも物事を複雑化・長期化させてしまっている大きな原因なのではないでしょうか?
■この記事に対する韓国国民のコメント
・日本は、韓国がWTOに提訴するって言っただけでもビビるだろう
・この件が決着するまでレクサスやホンダには乗るなよ
・日本をしっかり懲らしめるのだ!
・日本は永遠に親しくなれない国だ
・今後、俺の生涯に日本はない
・文政権はアメリカと中国の顔色伺うのをやめよう!
・ここで手を抜かず不買運動は続ける
・日本は、WTOで全世界の面前で笑い者になるのだろう
・日本と中国は手を切るのが正解だ
・今は日本じゃなくて、北とそうやって争うべき時じゃないの??
【これに対する私の見解】
中立的に見て、この件に関して特に日本は整然とした対応をとっているにも関わらず、
日本を揶揄するようなコメントが多いのには少し驚きました。
韓国の国民は事の本質を理解させてもらえていない事が浮き彫りになってしまっています。
一連のWTO提訴絡みに関連した韓国側の行動は、日本にとって事を複雑化され、
嫌がらをされているように思えて、本当にめんどくさい気持ちになりますね。
件の3品目の管理が杜撰であった事が発端である事を韓国国民は伝えられていないのでしょうか?
梶山経産相も、韓国のWTO手続き再開について「韓国側の一方的な対応は、日韓双方が対話と
コミュニケーションを通じて懸念を解決することとしたこれまでの輸出管理政策対話での
合意を反故にしかねない」とし、極めて遺憾だと述べています。
お互い同士の国益をきちんと見据えた、建設的な対話を期待したいものです。
輸出管理は安全保障上の問題で
世界貿易機構であるWTOで論ずるには
馴染まないという事も
忘れないようにしなければいけませんね。
続きは動画で…