『韓国経済の一角が窮地に現代車の莫大な品質コスト』
韓国を代表する大企業である現代自動車が、いよいよ窮地に立たされています。
様々な産業で中
品質コストで黒字から転落、現代車、第3四半期に赤字転換
現代自動車は26日、ソウル本社で2020年第3四半期の経営実績カンファレンスコールを実施し、2020年第3四半期の実績がIFRS連結基準で販売99万7842台、売上高27兆5758億ウォン(自動車21兆4865億ウォン、金融およびその他6兆893億ウォン、営業損失3138億ウォン、経常損失3623億ウォン、当期純損失1888億ウォン(非支配持分含む)と発表した。
現代自の関係者は7-9月期の経営実績について、「販売は世界の自動車需要が2-9月期に比べ主要国の封鎖措置緩和以降、回復傾向を見せているが、依然として感染症の影響で前年同期比逆成長が続き、減少した」とし、「営業利益は7-9月期のエンジン関連引当金が大幅に反映され、赤字転換した」と明らかにした。
続いて「該当品質費用を除くと、7-9月期の営業利益は既存市場予想を大きく上回る水準」と説明した。
現代車は2020年7-9月期のグローバル市場で99万7842台を販売した。
これは前年同期比9.6%減少した数値だ。
国内市場では、「新型感染症」の影響が続いているにも関わらず、個別消費税引き下げの延長による需要回復やGV80、G80、アバンテなどの新車販売の好調で、前年同期比21.9%増の19万9051台を販売した。
海外市場では、中国やインドなどの一部市場を除く全地域で、感染症の影響継続による需要減少が続き、前年同期比15.0%減の79万8791台を販売した。
売上高は前年同期比2.3%増の27兆5758億ウォンを記録した。
グローバル卸売販売の減少とウォン高ドル安が2019年第3四半期の1193ウォンから2020年第3四半期には1189ウォンに上昇するなど、ウォン高の非友好的な為替環境にも関わらず、SUV、ジェネシスなど高付加 価値 車両の販売拡大による製品ミックス改善効果や収益性中心の販売拡大戦略によるインセンティブの下落などで売上高が増加した。
売上原価率は、グローバル需要の低迷が続くことによる工場稼働率の下落やウォン高にも関わらず、製品ミックスの改善効果が続き、前年同期比2.2%ポイント下がった81.4%となった。
営業部門の費用は、不確実な経営環境を克服するための全社的なコスト削減努力によるマーケティング費用などの減少にもかかわらず、エンジン関連の大規模引当金設定で前年同期比34.3%増加した5兆4391億ウォンとなった。
その結果、20年第3四半期の営業利益は前年同期比6923億ウォン減少し、3138億ウォンの営業赤字を記録した。
営業利益率は前年同期比2.5%下落したマイナス1.1%となった。
経常利益もそれぞれ3623億ウォン、1888億ウォンの純損失を記録し、赤字転換した。
現代車は「新車販売好調によるミックス改善効果、内需·米国など主要市場での販売好調、全社的なコスト削減努力などの要因が総合的に作用し、根源的な企業体質改善が続いている」とし「今後もツーソン、GV70など主要新車の発売と地域別販売正常化案を積極的に推進し、収益性改善に集中する計画」と述べた。
【この記事に対する私の見解】
といったように、サムスンに次ぐ韓国の大黒柱だった現代自動車が窮地に立たされています。
現代自動車は日本や欧米の人気者の模倣をすることで、韓国国内に安価なファミリーカーを供給し、韓国を代表する企業となりました。
韓国国内の市場が飽和状態になった近年では、中国や東南アジアなどの新興国に、同じように価格の安い模倣車を輸出することで業績を伸ばして来ました。
しかし、他社の模倣で堅実な売り上げを維持するのは難しく、近年は急速に売り上げが落ちていました。
特に中国は、中国国民の所得があがるにつれて「本物志向」となっていき、現代自動車の「元ネタ」である、レクサスやベンツなど品質重視の顧客が増えました。
安価でとりあえず走れば良い、というユーザー層は中国メーカーに需要を奪われ、価格、品質ともにどっちつかずの現代自動車は居場所を失っています。
韓国国内では、多くの国民が未だ現代自動車に乗り続けていますが、それは自国メーカーであることと、日本車などには手が出ないというもので、決して海外ユーザーに現代車を誇っているのではない所が残念ですね。
現在の自動車市場は、電気自動車や水素自動車、自動運転など、様々な革新技術を取り入れた自動車の開発に各メーカーが力を入れていますが、これまで模倣を繰り返すのみだった現代自動車は新たな技術面において、創造性に欠け、自社の強みやブランド力を生み出すことができていないのです。
また、電気自動車においては、火災などの命に関わる欠陥や、マイナートラブルのクレームが相次ぎ大規模リコールを実施する事態に陥っています。
パンデミックに伴う世界的な不景気も相まって、更に追い込まれつつある中、現代自動車グループはチョン・ウィソン氏の会長就任を発表し、韓国世論に衝撃が広がっています。
現代自動車グループの発足以降、初の会長交代が世襲だったことに、韓国国内では、財閥企業の変わらない実態に落胆と失望の声があがっているようです。
現代自動車を筆頭に、財閥企業にはグループ全体を支配できる構造に批判が集まっていました。
また、モチベーションの低い従業員の癒着は深刻化しており、高待遇であるのにも関わらずストライキを繰り返したり、杜撰な工場の実態や、顧客対応が度々炎上の的となっており「労働貴族」と揶揄されるなど韓国国民からのイメージは地に落ちています。
その状況で、さらに世襲の会長が誕生したということは、今後も財閥一族による韓国経済の支配は続くことは避けられなくなります。
格差の深刻な韓国社会で「泥のスプーン」と呼ばれる恵まれない階層の人々の負の感情はさらに悪化していくことでしょう、現代自動車の韓国のGDPに寄与している割合を考えると、これ以上危機的状況が続けば政府の支援は必要不可欠になりそうですが、財閥解体ショーで人気を集めて来た文政権と、それを支持した国民が現代自動車に手を差し伸べるのかは難しい選択になりそうです。
■この記事に対する反響のポイント
現代車に未来はない…国民からは完全に敵意
それでは、この記事に対する反響なのですが…「労組の方々はもう給料を返さないといけません」「国民の命は二の次で金を稼ぐだけの企業」「故障の多い車は外国で人気がないのに、誰が現代車を買うのか?」このように、現代自動車の窮地に対し、多くの韓国国民が冷ややかな視線を送っていることがわかります。
品質と価格のバランスが取れず、需要を失いつつあるのは、海外新興国だけでなく韓国においても同じようで、韓国国内でも消去法で現代車を選んでいるだけで、自ら進んで購入するユーザーはほとんどいないと言われています。
それを裏付けるように、公用車や政治家、要人の車のほとんどが外国製で、一部では反日議員がレクサスに乗っていたりと、富裕層ほど現代自動車を避けるという悲しい状況に陥っています。
新会長が世襲となれば、抜本的な改革は困難になることが予想されますが新製品の開発や、海外進出よりも先に、まずは韓国国内のイメージ回復が急務となりそうです。
新会長は50歳と、異例の若さではありますが、果たして現代自動車を立て直すことはできるのでしょうか?
続きは動画で…