『通貨スワップを通じ中韓の結託強固に』
韓国と中国が通貨スワップを5年延長したことがわかりましたが、これは中国、韓国共に最大規模のスワップ契約であり、人民元とウォンが国際社会においてどれほどの価値を持つかは未知数ではありますが、中韓の結託はより強まっているようです。
韓中通貨スワップ:中国の人民元の国際化狙うことができたのか
「中国は以前より通貨スワップに積極的だった」「通貨スワップの増額・期間拡大を全て快く受け入れた」1週間前に韓中通貨スワップ延長契約が締結されてから、交渉に参加した関係者らが伝えた後日談だ。
規模と期間がいずれも拡大する予想外の結果となったが、中国当局の態度がいつにも増して好意的だったというのが共通の評価だ。
終末高高度防衛ミサイル(THAAD)問題と重なり苛立っていた3年前とは違い、水が流れるように議論が進められたということだ。
中国の専門家らは、「今回の契約は中国政府が推進している人民元の国際化と相まって、中国にとってかなり得になる側面が大きい」と解釈している。
米国と対立している中国としては、リザーブ通貨(保有通貨)として人民元を拡大させることが、国際信用度や為替安定度の面で役立つという。
政府と韓銀が28日に明らかにしたところによると、韓中通貨スワップ延長契約に関する議論が本格化したのは9月中旬からであり、それから約1カ月間で従来の契約よりも規模と期間を全て拡大する結果となった。
韓銀は今月22日に中国人民銀行と通貨スワップ延長契約を締結し、規模は560億ドル(64兆ウォン、約5兆8千億円)から590億ドル(70兆ウォン、約6兆1千億円)へ、期間は3年から5年へと延長されたと発表した。
今年初頭の国際会議の席上で10月10日に満期を迎える通貨スワップ契約を巡る議論について触れたことはあるが、実質的な議論は満期間近になって行われたという。
更に、新型感染症の拡散で、大半の議論は電話や電子メールなど非対面で進められたが、特別な雑音なくスムーズに進められたというのが関係者の話だ。
韓国側が規模・期限の拡大を提案した際も、中国は快く応じたという。
3年前のTHAAD事態では、中国との通貨スワップ契約延長を巡って緊張感が漂っていただけに、延長する際はできるだけ長く大規模なほうが有利だというのが韓国側の判断だった。
当初はカナダと交わした契約のように無制限の通貨スワップを提案したが、中国側では前例にないだけに難しいという反応だった。
香港との通貨スワップ契約規模である4000億元が、中国が交わせる最大規模という。
中国が欧州中央銀行(ECB)と英国と交わした通貨スワップ契約規模は3500億元(約5兆4千億円)で、韓国との契約より規模が少ない。
中国に詳しい専門家らは、今回の通貨スワップ契約で表れた中国の態度変化は、人民元の国際化を始めとする金融市場開放政策と関連が深いと見ている。
中国政府は今年に入り、4月の証券・ファンド会社の外国人投資家の持ち分限度廃止、6月の海外直接投資(FDI)ネガティブ産業分野の縮小、9月の適格外国人機関投資家と人民元適格外国人投資家の統合運営および規制緩和など、開放措置を相次いで打ち出している。
更に人民銀行は、デジタル人民元(DCEP)の導入などを通じた人民元の国際化も加速化している。
中国は、韓国と締結した通貨スワップ契約によって、決済や投資通貨で即座に人民元の活用度を高められるわけではないが、リザーブ通貨(保有通貨)としての立場を固めることができる。
特に、米国との対立で、中国企業への金融制裁も排除できないだけに、できるだけ多くの国と通貨スワップ契約を交わすのが、中国にとって有利だという。
成均館大学中国大学院のアン・ユファ教授は「中国が世界各国と通貨スワップ契約を締結すればするほど、より多くの人民元を相互保有することになる」とし、「米国との葛藤で為替環境が不安になった状況で、通貨スワップは中国の国際信用度と為替安定に非常に重要だ」と述べた。
【この記事に対する私の見解】
といったように、韓国と中国間のスワップ契約が、5年延長されたことがわかり、韓国の中国依存が、より鮮明になったようです。
今回、韓国が中国と結んだスワップは、最近米韓で結ばれた「為替スワップ」と違い、正真正銘の「通貨スワップ」のようです。
米国と短期で契約しているのは、為替スワップであるのにも関わらず、あたかも通貨スワップであるかのように発表していた韓国ですが、通貨スワップは国家間の相互の信頼がなければ締結し得ません。
過去の日本は通貨危機以降、半ば慈善事業的に締結していたに過ぎないのであり、今の米国が、文政権がトップの韓国を信用するなどありえないでしょう。
かといって、中国が韓国経済を信用しているかというと、恐らくそうではありません。
中国は韓国に首輪を付けて、より韓国に対して強気にでようという算段でしょう。
元々いつ紙くずになるかもわからない超ローカルカレンシーの人民元ですし、10月9日には、中国の「全国人民代表大会」で財政経済委員会副主任が「中国資本市場では自由な外貨両替制度はない」と明言したように、スワップなどの契約どころか、外国人投資家が中国国内で利益をあげたとしても中国のさじ加減一つで人民元からの両替を禁止される可能性があるのですからもう目茶苦茶です。
このような国と経済上の協定を結ぶことに何の意味があるのか、甚だ疑問ではありますが韓国はそれだけ乱高下するウォンのセーフティネットが欲しくてたまらないのでしょう。
しかし、この通貨スワップが、韓国にとっての対中関係における足かせになることは明らかですが、それでも文政権は中国への依存を一段と強めたわけです。
今回の中国との契約延長により、韓国が「通貨スワップ」を締結した国はスイスと110億ドル、オーストラリアと85.2億ドル、UAEと54億ドル、マレーシアと36億ドル、インドネシアと78.2億ドル、そして中国と600億ドルとなったことで外貨の面でも中国に手綱を握られることとなりました。
米国とも短期で600億ドル規模の為替スワップを締結しているとはいえ、これが更新されなければ、米中板挟みどころか、完全に中国の属国に成り下がる韓国ですが、韓国政府やメディアはいたって前向きな反応です。
むやみな反日政策さえしなければ、日本との「通貨スワップ」が維持できたと悔いる頃には、完全に中国に支配されているかもしれませんね。
■この記事に対する反響のポイント
中国に依存する政府国民はどうするべきか?
それでは、この記事に対する反響なのですが…「政府はみんな中国の下僕だ」「中国の陰謀ではないだろうか?」「全世界が中国経済を壊そうと努力しているのに、韓国は近づくのか…」このように、韓国国内では中国への依存を一段と強める文政権の振る舞いに対し不安と不満の声が高まっています。
ただでさえ民間レベルでは朝鮮戦争の歴史問題により対中感情が悪化している中での国民感情を逆なでするような決定は、文政権の支持率にも響きそうです。
しかし、文政権としては「あの中国が超高額、長期間のスワップを結んでくださる」とありがたがっているのでしょうから、国民との温度差は広がる一方です。
先日の歴史認識問題における文政権の弱気な発言も、スワップを結んでもらった手前中国に忖度したのでしょう。
人民元との通貨スワップでここまで喜べる国って韓国ぐらいではないでしょうか?
続きは動画で…
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韓国がまさかの中国との関係強化!中韓通貨スワップを大幅に拡大し、中国に身を委ねる文政権【世界情勢】
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