『北は脅威ではない米国は余計なことするな』
先日行われた北の大規模な軍事パレードにて、新型のICBMなどが公開されました、これに対して韓国国内では、米国が干渉する事に対する懸念の声が挙がっています。
同盟国であるはずの米国を避ける韓国側の意図は、いったいどこにあるのでしょうか？
「北ICBM、SLBM発射すれば米国は中距離ミサイル配備」
北朝鮮が大陸間弾道弾（ICBM）や潜水艦発射弾道弾（SLBM）の発射実験を強行すれば、米国がこれに対して韓国に新型中距離防衛兵器を配備するという見通しが出た。
韓国国防研究院安保戦略研究センターのブ・ヒョンウク責任研究委員は21日、「米中戦略競争時の米国の軍事的対応：韓半島の戦略状況による意味」という報告書で、「（北朝鮮が）ICBMまたはSLBMの試験発射などの挑発行為を行えば、米国は近く中距離防衛兵器配備カードを出すかもしれない」と述べた。
ブ委員は「同盟国と米本土と在韓米軍を保護しなければならないという名分が生じるからだ」とし「そうなれば私達はTHAAD配備時の影響よりも更に困難な状況に直面することになる」と明らかにした。
彼は「米国は2019年8月の中距離核戦力条約（INF）を破棄して以来、中距離防衛兵器を着々と準備している」とし「北朝鮮が挑発すればこれを名分に韓半島に、中国が挑発すればそれを名分にグアムや沖縄などに中距離防衛兵器を配備しようとするだろう」と予想した。
ブ委員は「北朝鮮が新しい道を進めば、事実上、米国の痒いところを掻くことになる。
北朝鮮が挑発的行動をすれば、米軍が計画している軍事措置を繰り上げることになる」とし「この場合、北朝鮮自ら、韓半島を米中戦略競争の根源地にさせることになる」と強調した。
彼は「北朝鮮が深く考えた上で動かなければならないし、韓国も戦略的に動かなければ、米中競争という車輪の下敷きになりかねない」とし「（韓国政府は北朝鮮に）じっとしろと説得しなければならない。
米国と中国が真剣勝負を準備しているのに、横で剣舞を踊る格好になる」と述べた。
ブ委員は韓国政府に対し、「我々は米国に対して少し大胆になる必要があるようだ。
北朝鮮の核には一緒に対応するが、中国牽制で韓国を関与させることには線を引く必要がある」とし「韓国の国益が何かを考え、中国だけでなく米国にも韓国の声を出す必要がある」と助言した。
【この記事に対する私の見解】
記事では、韓国のブ委員が北の軍事的挑発行動をたしなめ、これ以上やると米国の圧力が高まると警告していますが、これは米国がこれ以上、朝鮮半島で軍備を増強する事を警戒しています。
何故かというと、以前THAAD配備時に、中国から強硬な対応を取られた過去があり、この時中国は国内にある韓国企業に対して営業停止措置などの制裁を行い、経済被害は8兆5000億ウォンに達するとまで言われました。
記事にある様な中距離防衛兵器配備が行なわれた場合これを上回る報復は必至ですから、韓国側としては、これを何としてでも避けたいのでしょう。
その事はブ委員の「中国牽制で韓国を関与させることには線を引く必要がある」と言う発言からも伺うことが出来ます。
しかし、こうしたブ委員の意見からは、実際に軍備を増強している北の脅威に対しての韓国側の危機感が感じられません。
米国の動きと中国の反応を気にするのは分りますが、現実に存在する、休戦中の北の脅威を考慮に入れないのは、あまりに不自然ではないでしょうか？あるいは自国の防衛力を高める事で自主国防を目指しているのでしょうか？しかし、先日お伝えしたKTSSM開発工場の爆発事故からも分かる通り、韓国軍の未熟さは周知の事実です。
また、今年になって韓国初となる軍専用通信衛星「アナシス2号」を打ち上げましたが、肝心の衛星を制御する端末は開発していない事が判明しました。
巨額の予算を投じて衛星を打ち上げておいて、リモコンがないから使えないという状況なのです。
こんな有様の韓国軍に自主国防を期待するのは難しいのではないかと思います。
このように自主防衛がおぼつかない韓国ですが、同盟国である米国との関係は悪化する一方です。
文大統領は安全保障上のパートナーである米国に全く配慮せず、北との終戦宣言を述べました。
駐米韓国大使は過去70年間に及ぶ米韓同盟に関して、その歴史や恩義を忘れて、韓国が同盟を選択する立場だと発言しています。
米韓安保協議会では防衛費分担金問題などをめぐって激しく衝突、「在韓米軍の現水準を維持」という表現が取り除かれ、予定されていた両国国防トップの記者会見も中止される事態となりました。
そうした中でブ委員の「我々は米国に対して少し大胆になる必要がある」という発言は、韓国の離米方針が依然、継続中である事を示しています。
終戦宣言を述べた事で、既に北は脅威では無いと考えているのかもしれませんが、それはあまりにも現実から目を背けた認識です。
文大統領が妄想から目を覚ます事はあるのでしょうか？
■この記事に対する反響のポイント
韓国という国を、過大評価し過ぎ
それでは、この記事に対する反響なのですが…「最も良い解決策は、韓国が核や中長距離ミサイルを作ることだ」「韓国は自主国防する」「文在寅は、北の核を自分のものと考えてるような行動をしているね…」といったように、韓国では自主国防を望む意見が多いようですね。
しかし、韓国が核や中長距離ミサイルを作ると言いますが、そんな開発技術や維持管理する能力が韓国にあるのでしょうか。
韓国軍が不祥事を起こすたびにあれほど非難しているのに、なぜこれほど自主防衛に自信が持てるのかが分かりません。
また「米国は、韓国が核武装できるよう放ってくれればいい」などの声もありますが、なぜ米国が信頼を失った韓国に安保問題を任せるなどと思えるのでしょうか。
こうした韓国の惨状を「自主国防の道を閉ざす米国、脅威を与える北、敵国日本、厚かましい中国…みんな嫌いだ」というコメントが象徴しています。
嫌い、嫌いと他国を否定してばかりですが、そうした態度が孤立を深めている事には気づかないようです。
周辺国全てが嫌いで仕方がないようですから、いっそ鎖国でもしてはいかがでしょうか？
続きは動画で…
