『韓国国民年金が2054年に底をつく!
政府予想より3年早い見通し』
日本は若い世代の貧困が問題視されていますが、韓国では高齢者の貧困が社会問題となっています。
しかし、韓国の年金制度は崩壊しており、高齢者の収入源としては現在もほとんど機能しておらず、
今後、韓国の年金システムはいったいどうなって行くのでしょうか?
それではニュース1の記事から内容のまとめと
それに対する反応を見ていきましょう
国民年金2054年に底をつく…「政府予想より3年早くなるように “
国民年金が2054年に底をつく見通しだ。
財政の枯渇時期が政府の予想より3年繰り上げられるものと予想され、
先送りしてきた国民年金再編案に対する早急な処理が必要だという指摘が出ている。
国会予算政策処が21日に発表した報告書「社会保障政策分析」によると、
国民年金の財政は2040年に赤字に転じ、2054年に枯渇するという。
これは18年、政府が発表した第4次国民年金の財政計算より3年早いものだ。
当時、政府は国民年金が42年に赤字に転じた後、57年に基金が枯渇すると予測した。
国会予算政策処は、政府展望値より枯渇時期が繰り上げられたことについて、
「財政展望に使用した変数が違うように適用された為」と説明した。
政府は18年の財政展望当時、統計庁の16年の将来人口推計を適用したが、
予算政策処は最新資料である「19年の将来人口推計」を展望に使用した。
また、政府が財政計算のマクロ経済変数と資産別のポートフォリオおよび
期待収益率を資産別の投資比重を適用して展望した反面、
予算政策処は独自の変数と社債金利対比国民年金基金の収益率の平均倍率を適用したと説明した。
この為、国民年金は2040年に16兆1000億ウォンの赤字が発生するものと予想され、
2054年の積立基金が163兆9000億ウォンの赤字となり、底をつくものと見られる。
予算政策処は、国民年金の枯渇時期が予想より早まる可能性がある為、
国民年金改革を急がなければならないと指摘した。
予算政策処は「国民年金の老後所得保障の役割を強化し、年金の財政的持続可能性を高めるため、
国民の意見に基づいて年金制度改革を早急に果たす必要がある」とし、
「政府はこのため、改革による政府の財政変化の見通しなど、
より豊富な資料を分析・提供する必要がある」と明らかにした。
しかし、国民年金の再編は容易ではない課題だ。
財政枯渇を防ぐためには、保険料の引き上げなど国民の負担を
重くさせる政策的決定が必要だが、世論を意識して政府や国会が簡単に決定を下せずにいる。
これに先立ち政府は、2018年12月に国民年金改革に関する合意に至らなかった後、
現行の維持案、基礎年金強化案、老後所得保障強化案①、老後所得保障強化案②、
の4つの改革案を国会に提出した。
しかし、以後、経済社会労働委員会、国民年金改革特別委員会でも単一案を導き出すことができず、
3つの代案だけを提示して終了した。
特委が提示した案は、所得代替率を40%から45%に引き上げると同時に、
保険料率を10年にわたって9%から12%まで引き上げる案と、28年まで現行通り維持する案、
28年まで所得代替率は維持するものの保険料率だけを10%に直ちに引き上げる案だ。
予算政策処はこれについて、
「国民年金改革について議論する過程で、国家財政支援に対する政策方向が共に議論されなければならない」
とし「国民年金の改革方向と内容によって政府の財政所要が変わらざるを得ない構造」と明らかにした。
【この記事に対する私の見解】
韓国の高齢者は2人に1人が貧困状態にあり、世界的に見ても高い貧困率だと言われています。
韓国は儒教社会なので、子が親の面倒をみる伝統が強かったのですが、近年は若者もN放世代と呼ばれ、
人生の楽しみ全てを諦めざるを得ない状況にある今、その伝統が急速に廃れています。
その一方で、国による公的年金等の社会保障は著しく脆弱です。
このために生活苦に陥る高齢者が増えているのです。
この高齢者の苦悩は自殺統計にもはっきりと表れており、
韓国の高齢者の自殺率は日本の3倍以上となっています。
日本も若い世代の貧困が問題視されていますが、若者と違って転職や資格、技術の取得によって
経済的な転機が訪れることのない高齢者の貧困は、国家の扶助なしでは救済できません。
そのため、年金制度の強化が期待されるわけですが、
韓国では不安定な市場の維持のために国民年金の資金を使ってきているため、
近年乱高下を繰り返してきた韓国市場のおかげで、国民年金は枯渇し始めていると言われています。
年金基金の仕事は国民の老後を保障することです。
国民から集めたお金を、証券市場などで増やすことが本来の目的なのにも関わらず
株価維持を目的に買い出動して損を出したら本末転倒ですが、このような事態が恒常化しています。
また、セルコリアが本格化すると、国民年金基金が大量に買い入れ、
暴落を防ぐというサイクルは近年繰り返されているため、
外国人投資家たちの投機的なゲームの場にされており、
安定から遠ざかるという悪循環に陥っています。
今、韓国の国民年金基金はヨーロッパの不動産に手を出し始め、
これらで資産運用を図っているようですがこれらの投資も、
もろ刃の剣ですから年金の安定性においては大きな懸念材料となっています。
また韓国の年金制度の最大の問題点は、日本以上の少子高齢化社会であることに加え、
そもそも国民年金の加入率が低い点でしょう。
韓国では法律上、18〜59歳の人は加入義務があり、
日本の年金のように強制的に徴収されることを目指しているのですが
実際はいろいろな制度上のループホールがあり、国民の30%ほどが、
年金制度からあぶれてしまっていると言われています。
ここにも所得格差があるようで、月収400万ウォンの勤労者の加入率は96.6%と高い一方で、
月収100万ウォン以下の低所得者になると、15%まで下がってしまいます。
月収100~200万ウォンの層も60.7%と低い数値になっており、
貧困層は元々の貯蓄もない上に年金の扶助も受けることができないのです。
しかし、強制徴収されている人々も存在する中で、
崩壊したので年金支給はできないとは口が裂けても言えません。
果たしてこの負のサイクルから抜け出すことはできるのでしょうか?
■この記事に対する韓国国民のコメント
・国民年金の納入金を全て返せ
・公務員・軍人・私学年金から改革せよ!
・国民年金の平均が35万ウォン、公務員年金は350万ウォン
・国民年金がなくなれば公務員年金もなくせ!
・サラリーマンや自営業者の金だけ取って、公務員に年金を払うのか?
・あちこちの予算が底をついているようだ…
・国民年金も公務員年金の様に国家が責任を持って支給保障せよ
・公務員、軍人年金を減らそう
・国会議員の年金も無くすべきだ
・なぜ公務員、教員年金は払い、国民年金は払えないのか?
【これに対する私の見解】
このように、韓国国内では、強制徴収されている人々が年金制度崩壊を恐れ、
今まで払い込んだ年金を返して欲しい!と嘆く声が多く見られます。
また、公務員や軍人の年金制度は充実していることも、一般国民の反感を買う要因となっています。
韓国の年金制度は、専業主婦などの所得のない人は成人でも払わなくて良い、など
日本の年金制度より抜け穴が多いため、こうした不満から支払いを回避しようとする若者が増えれば
国民年金の財政状況はますます悪化してしまいます。
そもそも政府が、市場の乱高下に対し、
年金を使った「輸血」に依存している時点で構造上の大きな欠陥があります。
しかし文政権以降、韓国市場は日に日に不安定さを増していますし、
経済政策でも有効なものは何一つ見られなかったため、
今後も韓国市場の「年金頼み」は続くことが予想されます。
様々な方面から真綿で首を絞められるように弱っていく韓国経済。
果たして年金制度は立ち直ることができるのでしょうか。
少子高齢化社会に加え、
市場の安定の役割も背負わされるとは、
韓国の年金は重荷が過ぎますね。
続きは動画で…