『韓国も目が離せない北の動向金与正氏が名実共にナンバー2』
北朝鮮の金与正副部長が来年1月に絶大な権力を持つ政治局委員に就任する模様です。
金副部長はこれまでも韓国に対して圧力をかけており、文大統領は相当に気を使っています。
しかし金副部長は韓国に対しては強硬姿勢を続けており、それだけに文大統領が情けなく見えます。
北朝鮮、金与正氏「名実共にナンバー2」に
政府が、来年1月に開かれる北朝鮮の第8回労働党大会で、金正恩朝鮮労働党委員長の妹の金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長が権力の核心である政治局委員に就くと見て、神経を尖らせている。
2017年、政治局候補委員に抜擢された33歳の与正氏が政治局委員になれば、水面下の実力者として名実共に北朝鮮権力のナンバー2になる。
政府は、執権5年目の16年の党大会で「1人支配体制」を確立した正恩氏が、執権10年目に開催する党大会を通じて白頭(ペクトゥ)血統の兄妹による党支配体制を強固する狙いがあると見ている。
政府当局者は29日、「与正氏が党大会で政治局委員に就く可能性が高いと見ている」とし、「与正氏が今年7回談話を発表するなど実質的な地位の変化が、党大会で公式に地位格上げに反映されるだろう」と述べた。
一部では、与正氏が政治局委員への進入と同時に、長官級の党部長に昇進する可能性が提起されているほか、党核心エリートに対する思想検閲や人事権を持つ組織指導部長に就くという観測も流れている。
組織指導部長だったリ・マンゴン氏が今年解任され、与正氏が組織指導部を掌握し、事実上の部長役を担ってきたという。
14年に党宣伝煽動部副部長として公式舞台に登場した与正氏は、16年に党中央委員に任命され、17年に政治局候補委員に超高速昇進し、この時から公式の肩書も党第1副部長になった。
18年2月、平昌(ピョンチャン)冬季五輪の時に正恩氏の特使として韓国を訪れ、存在感をアピールした与正氏は、今年、国政全般を総括して対南・対米業務を担い、実質的なナンバー2の役割を果たしているという。
与正氏が、労働党の最高政策決定機構である政治局委員になれば、公式の肩書と年齢に比べて大きな権力を行使してきた与正氏が、対外的にも実力者であることを公式化することになる。
慶南(キョンナム)大学極東問題研究所のイム・ウルチュル教授は、「政治局委員は北朝鮮権力の核心の中の核心」とし、「正恩氏が信頼している与正氏の地位を制度的に確かにすることで、正恩氏の1人支配の権力構造を強固にする狙いがあるようだ」と分析した。
国家安保戦略研究院のキム・インテ責任研究委員は、「今回の党大会で最も注目する部分の一つが与正氏の地位変化」とし、「あらわれた動向だけを見ても、すでに政治局委員以上の役割を担っている」と指摘した。
特に5年前の第7回党大会と最高人民会議で、労働党委員長、国務委員長などのタイトルを得て、1人支配体制を確立した正恩氏が、来年執権10年目を迎え、白頭(ペクトゥ)血統の兄妹に権力が集中する「党による支配」をシステム化する狙いがあるとみられている。
与正氏が今年、直接韓国に対して警告し、開城(ケソン)南北共同連絡事務所を爆破したのも、与正氏の政治局委員格上げのための業績づくりだったという見方が少なくない。
一方、朝日新聞は29日、韓国政府関係者を引用して、北朝鮮が最近、市場での外貨の使用を禁止し始めていると報じた。
北朝鮮住民たちが食糧、日用品などを売り買いする市場では、自国通貨のウォンより、米ドルや中国の人民元が使われている。
このような市場が北朝鮮内に800ヵ所にのぼるという。
同紙は、北朝鮮のこのような措置が、党大会で打ち出される「経済開発5ヵ年計画」での構造改革の一環とみられ、市場を統制し、ウォンの使用頻度を高める狙いがあると分析した。
【この記事に対する私の見解】
2020年になってからますます存在感を拡大させてきた金与正副部長ですが、来年にはナンバー2に上り詰める見込みです。
私としては5月に金正恩委員長が死亡したというニュースが流れたときに、それを裏付けるかのように北の代表者として振舞っていたことから、むしろ今までナンバー2と認識されていなかったことに驚いています。
韓国でも8月時点でチョン・ギョンドゥ国防部長官が、金副部長が組織指導部を事実上掌握していると見解を示しており、金委員長が傀儡となっているという話まで聞こえてきました。
それだけに韓国国内でも驚きの声が上がっています。
韓国政府は「一人支配体制から兄妹統治体制へ移行して、より権力を強める」と予測しています。
その影響もあってか、韓国政府は金副部長に対してもすり寄りを見せています。
金副部長へのすり寄りの一つと言われているのが、対北ビラ散布禁止法の制定です。
これまでに何度も述べたように、金副部長のビラ散布の禁止を要請する談話を受け、文大統領はその圧力に屈して、この法案を設置するに至りました。
しかし、この法案は各国の人権団体から非難されたり、米国からは北への傾倒が著しいと釘を刺されてしまいました。
野党から「金与正下命法」などと揶揄されたり散々なものでしたが、そもそも、制定さえすれば北との関係が改善されるというのも疑問です。
というのも北は、こうした人権運動の他に経済制裁も問題にしており、それを口実に韓国に圧力をかけ緩和させることを目論んでいました。
なのでビラの散布だけ禁止しても効果は限定的であり、北の強硬姿勢が完全に改善されるとは思えません。
文大統領は完全に北の意図を読み違えており、このまま迷走を続けると韓国の国益の向上どころか、自身のライフワークとしている南北融和すら出来ないでしょう。
さて金副部長ですが、先述したビラ散布の禁止を求める談話以降、内政に集中していたのか対外的な発信は行っていませんでした。
しかし12月に入ってから突如韓国に対して談話を発表しました。
内容はカン・ギョンファ外交部長官に対する批判で「我々の非常防疫措置について傲慢不遜にも批評した」という強硬なものです。
発端はカン外交部長官が北の感染者ゼロの発表に疑問を呈したことですが、そもそもこの期に及んで感染者ゼロという発表を大真面目に信じている人は、国際社会はおろか北の国内でもいないでしょう。
それとも北は感染者を片っ端から処刑しているので、結果としてゼロになっているとでも言いたいのでしょうか。
いずれにしても、北は経済制裁や災害に加え、新型感染症という災難に見舞われており、それらを乗り越える為に、金副部長は韓国に対いして今後、更に大変な要求を強い圧力で掛けてくることは間違いないでしょう。
■この記事に対する反響のポイント
北との統一?韓国国民は完全否定
それでは、この記事に対する反響なのですが…「どんなに強がっても無能力な独裁者一族、戦争ごっこが大好きなアジア最貧国」「金正恩には無いアゴを精一杯上げて虚勢張って、粛清乱発」「悪党国家はこれからも変わる気がないんだろう」といったように韓国では、政府の態度とは一変して、北を痛烈に罵る声が上がっています。
韓国国民の多くが、北を相いれない国家と認識しており、誰が幹部になっても北への姿勢が変わる見込みはなさそうです。
一方、日本では「結局、同じ一族の人間が統治するのなら何も変わらない」「ダメな時にダメな人や組織が行う行動は、世界共通なんだな」など、金副部長の出世を苦笑する声が上がっています。
確かに派手な行動が目立ちますが、やっていることは韓国の恫喝ばかりであり、決して実りのある行動を行なっているとは言えません。
金委員長は色々権限を与えている模様ですが、金副部長にそれを使いこなす技量があるのかは未知数ですし、最悪なのは、暴走して北の予想外の行動を引き起こす危険性もあるという事です。
誰がナンバー2になっても金委員長の方針が変わらない以上韓国の受難は間違いないです。
続きは動画で…