『世界情勢に対応できない韓国経済!為替レートの変化にパニック!』
近年稀に見るドル安傾向ですが、輸出に依存する韓国経済はどうなっているのでしょうか?多くの大企業は悲鳴をあげている中、何故か韓国メディアと韓国政府は楽観姿勢。
ドル安のプラスの面だけに目を向けて、精神勝利記事を連発しています。
ウォン·ドルレート、予想を上回る急落ぶり 当局·市場緊張
ウォン・ドルレートが破竹の勢いで下がっている。
1100ウォン台を割ってから1日で1090ウォン台を割った。
4日のソウル外国為替市場でウォン・ドル相場は前日終値より14.9ウォン高の1082.1ウォンで取引を終えた。
4日連続の下落だ。
当局と産業界は予想より速い下落に戸惑いながら、推移を見守っている。
◆1日で1090ウォンを割るこの日の為替レートは、4.5ウォン高の1092.5ウォンで取り引きを開始し、激しい下落の流れに飲まれ、午前に1090台を割り込んだ。
取引終盤には1081.10ウォンまで落ちた。
前日に2年6ヵ月ぶりで1100ウォン台を割り込み、次は1日で1080ウォン台に下落し、1082.1ウォンで取引を終えた。
この日のウォン相場は2018年6月14日に1083.10ウォンを記録して以来、2年6カ月ぶりに最安値を更新した。
韓国ウォンは世界的なリスク選好現象、人民元高、感染症危機の中で相対的に善戦した韓国の経済指標が相まって強気の流れを見せている。
米政府が感染症浮揚策で莫大な資金を追加で供給する予定だったため、ドル安は予定されていた流れだった。
市場では自然と景気刺激策の年内成立に期待が膨らんだ。
ドナルド・トランプ米大統領も感染症浮揚策を支持すると明らかにした。
主要6通貨に対するドルの価値を反映するドルインデックスは、90.6線まで下落し、2年半ぶりの最安値を3日連続で更新した。
三星先物研究員のチョン・スンジは「リスク選好、株価上昇、外国人投資家の株式買い入れなど、様々な条件がウォン高に友好的な状況となり、今日は人民元の為替レートまで同時に落ちた」とし「市場で韓国に対する肯定的な見方が続いている上、今日の韓国銀行の10月経常収支発表で経常黒字が2カ月連続100億ドルを超えた点もウォン高に影響を及ぼした」と説明した。
◆予想より速いペース 当局の動きはウォン高は予想された流れだが、スピードが問題だ。
金融界はウォン高が来年まで続き、1ドル1050ウォン台まで進むだろうと見込んでいる。
ただ、たった1日で1100ウォン、1090ウォン台が急速に崩れ、政府の悩みは深まっている。
金融当局のトップらは急激なウォン高を懸念し、先月から口先介入を行ってきた。
ホン・ナムギ経済副首相兼企画財政部長官は先月19日、「この2カ月間でウォンは世界主要通貨の中で最も速いスピードで切り上げられており、ウォン相場は一方向に偏りが続く様子」とし「過度な為替変動は決して望ましくない、市場安定のためにいつでも積極的に対応していく」と述べた。
韓国銀行のイ・ジュヨル総裁も先月26日、「ウォン高の速度が相対的に速く、この動きを注意深く見ており、偏りに対する懸念がある場合には市場安定化に積極的に努力しなければならないという考え」と述べた。
当局の懸念は大きいが、為替市場に積極的に介入するには難しい現状がある。
米財務省は、韓国を為替操作国の前段階である観察対象国に指定している。
更に、為替操作国に指定されれば、米国の制裁を受けかねない。
韓国貿易協会によると、中小企業はウォン・ドルレートで1100ウォン、大企業は1000ウォンを為替損失に耐えられるマジノ線とみている。
韓国自動車産業協会は、為替相場が10ウォン下落すれば、自動車メーカー5社基準で売り上げが約4000億ウォン(約380億円)減少するだろうと見込んでいる。
6ヵ月続いてきた経常収支黒字の流れは暗礁に乗り上げることになった。
韓国銀行が4日発表した「10月の国際収支」によると、先月の経常収支は116億6000万ドルの黒字となり、歴代3位の記録だった。
輸出と輸入の格差を意味する貿易収支は101億5000万ドルで、10月に続き100億ドルを上回った。
しかし、ウォン高が続けば、同量を輸出しても黒字幅は減るしかない。
【この記事に対する私の見解】
といったように、近年稀に見るドル安傾向に対し、相対的なウォン高状態が続いています。
韓国の景気がよくなったためウォンの価値があがったというわけではなく、歴史的な不況の中で、米国が取った感染症浮揚策の影響によるウォン高状態に、輸出に依存する多くの韓国企業は危機的状況に置かれています。
韓国企業の損益分岐点は中小企業は1ドル=1133ウォン、中堅企業は1ドル=1135ウォン、大企業は1ドル=1126ウォンと言われてます。
100万ドル分を輸出したときのレートが1ドル=1200ウォンであれば、企業は12億ウォンの利益を得ることができますが、1ドル=1100ウォンのラインを切ってしまうと、同じ商品の取引でも売上高は11億ウォンにしかなりません。
なので、1100ウォンのラインを切った今、大企業を含む全ての韓国の輸出企業が、赤字輸出状態になりつつあるのです。
このような危機的状況にあるのにも関わらず、政府と韓国メディアは楽観姿勢を続けています。
韓国の経団連である「全国経済人連合会」は警鐘を鳴らすどころか「韓国は7年後に日本を超えて世界第5位の輸出国になる見通し」と発表。
「中央日報」などの大手メディアでも、このような国策記事を取り扱っています。
そもそも「7年後に日本を抜く」という根拠もよくわからず、この発表そのものが噴飯物です。
昨年、日本は世界5位の輸出国で、韓国との差は0.7%差です。
今後「韓国の輸出が2010年代の成長率を維持するだけ」で、7年後に世界5位の輸出国になることが予想されるというのです。
2010年代は、リーマンショックの反動で前年比6.5%と高い成長率を記録した年な訳ですが、わざわざそのような「栄光の歴史」を取り出して「日本に勝てるぞ!」などと喧伝し、ウォン高に伴う深刻な輸出不振を、見て見ぬ振りいるのですから呆れて物も言えません。
韓国の大企業も文政権による打倒財閥ともとれる政策の数々に低迷の一途をたどっています。
最低賃金の引き上げや労働時間の制限により、生産コストはあがっているため品質の高さや技術もない韓国製品の唯一の取り柄だった「低価格」は中国に奪われつつあり、競争力を失い韓国製品は居場所を失いつつある状況でのこのウォン高は、本来致命傷になりうる危機であるのにも関わらず、見て見ぬ振りを続ける韓国政府と韓国メディア、この現実逃避はいつまで続くのでしょうか?
■この記事に対する反響のポイント
乱高下を続ける現状に、韓国国民も混乱
それでは、この記事に対する反響なのですが…「企業が焦っているが、貿易では黒字…経済が良いのか悪いのか分からない」「輸出依存なのだからバランスが大切、政府は為替レート防御せずに何をやっているのか?」このように韓国国内では、感染症以降はウォンの暴落に怯えてきただけに、ウォン高という状態をどのように捉えればいいのか分からない国民も多いようです。
確かに、ドル安は悪い側面だけではありませんが、今の韓国にとっては悪影響の方が大きいはずです。
そうした無知な国民に付け込むようにして国策記事を連発する韓国メディアと韓国政府は悪質極まりないといっていいでしょう。
しかし、一部の国民からは輸出の危機を感じるコメントも出てきていますから輸出企業の危機が国民生活にも実感できるレベルになってくれば、文政権のさらなる支持率低下は避けられない展開です。
ドル安状態は長期化することが予想されますが、文政権はこの精神勝利発言の裏で何か対策を練っているのか…とういうのは考えすぎでしょうか?
この状況でここまでポジティブでいられるのはある意味才能ですね。
続きは動画で…