『韓国国民の不安と不満
公務員年金赤字に血税投入』
韓国の国民年金制度が脆弱なことは以前から有名な話ですが、
公務員が受け取れる公務員年金は、国民年金に比べて給付算定方式が異なるなど恩恵が多く
不足分が発生すると税金で賄われるため、納得のいかない国民が増えているようです。
公務員年金の赤字が雪だるま式に増加…2045年には国民の血税11兆ウォンが投入
今後25年後、雪だるま式に増える公務員年金の赤字を埋める為に投入される国家補填金が、
約11兆ウォンに達するものと展望された。
公務員年金の場合、関連法上赤字が出れば、国がこれを全額保障するように規定されており、
血税の投入は避けられないという指摘だ。
21日、国会予算政策処が発刊した「社会保障政策分析報告書」によると、
2045年の公務員年金の国家補填金は10兆7284億ウォンと見込まれている。
これは今年の予想国家補填金1兆2611億ウォンより9兆4673億ウォン(751%)増える規模だ。
公務員年金に対する国家補填金は退職給与と退職遺族給与に対して発生する赤字分に対する補填をいう。
年金納付額などの収入より退職給与などに出る支出が多く、
赤字が出た場合、これを国が財政を投入して補填するようにしたのだ。
政府は15年から制度改編を通じて、この様な国家保全制度を施行している。
問題は、公務員年金が1999年に初めて財政収支の赤字が発生して以来、
制度再編を実施したにもかかわらず支出が増え、持続的に赤字を出していることだ。
2016年の公務員年金は2兆3296億ウォン(補填金支援前)の赤字を記録し、
2017年と2018年にもそれぞれ2兆3293億ウォン、2兆2941億ウォンの赤字となった。
19年の公務員年金の赤字は2兆2368億ウォンで、
今年の財政赤字規模は1兆7227億ウォンと見込まれている。
特に、去年と今年の場合、国家補填金を投入しても
それぞれ6192億ウォンと4616億ウォンの赤字を記録するものと見込まれている。
年々赤字が増え、公務員年金の赤字を埋める為に投入される国家補填金の規模も
雪だるま式に増える見通しだ。
今年の公務員年金国家補填金は1兆2611億ウォン(政府+自治体)から
30年には8兆2011億ウォンに増える見通しだ。
続いて60年には11兆6398億ウォンの財政投入が予想された。
国会予算政策処の関係者は「特殊職域年金の財政収支の悪化は、
国家財政の負担と年金加入者個人の負担を同時に加重させる問題がある」とし、
「政府は特殊職域年金の財政収支改善に向けた制度改編論議を
中長期的な観点から始める必要がある」と述べた。
【この記事に対する私の見解】
韓国の国民年金は導入されたのが1988年と非常に遅く、
制度も積立金額も未成熟なため真面目に支払っていても、
生活に十分な金額はもらえないという現実が度々指摘されています。
少子高齢化である上に、所得の9%という低い積立額、その積み立てているお金も資産運用と称して、
韓国市場の安定のための輸血に使用され、消えていくなどその運営の確実性には疑問が残ります。
所得代替率は満額支払った場合でも40%程度と言われており実際の支給額は平均40万ウォン、
日本円にして3万5000円から4万円程度と到底生活できる金額ではありません。
韓国はチキン屋などの自営業者が多いため、所得が把握しにくいため、
実際の所得に対する年金の負担額が低いことも影響しているようですが、
今後、国民年金基金が枯渇するとも言われているように、健全に機能しているとは言えません。
しかし、公務員年金はどうでしょうか、積み立てる金額は所得の17%と高く
それも個人で負担する分は8.5%、残りの8.5%は国が負担しています。
軍人年金や教員年金も同じような割合になっており、
これらの年金が、いかに国民年金と比べて優遇されているかがわかります。
制度としての歴史も1960年からと長く、安定運用ができているかと思いきや
記事でも指摘されているように、赤字だらけの運用状況で、
税金投入を頼りにせざるを得ない状況のようです。
しかし、国民年金と違い、困っても国が輸血をしてくれるので、
無い袖は振れない、といった状態にはならないのです。
このような老後の安定性に加え、文政権以降、財閥企業ですら安泰とは言えなくなってきたことから、
公務員志望の若者がますます増え続けています。
国を牽引するような大志を抱いて官僚クラスの公務員職試験を受けるのではなく、
「一生楽して暮らせるから」と、9級職と呼ばれる公務員の中でも
最低職位の試験合格を、幼少期から勉強漬けで過ごしたエリートが席を奪い合っています。
韓国では9級職でいいから公務員になれば、退職までに15億ウォン、
約1億3000万円を超える収入を得られますが、
小企業に入るとなると、生涯賃金は8億ウォンに届きません。
中堅企業に入ったところで、生涯賃金は9級合格者より約4億8000万ウォンも少ないのです。
大企業であれば、9級職合格者を約7000万ウォン上回りますが
大手財閥系に入社できる新卒者は1%程度、当然、豊富な海外経験や様々なスキルを求められるため
公務員の最低職位を狙った方が、断然コスパがいいのです。
多くの優秀な若者が、金銭的な理由から、
その能力を活かせるとも思えないポストを奪い合う不毛な状況は、
年金制度を始めとした様々な不公平感を取り除かなければ今後も続いていくことでしょう。
■この記事に対する反響のポイント
・公務員の数が多すぎる
・財政が破綻しないか心配
・不公平さを感じる
それでは、この記事に対する反響なのですが、
まあ、自分たちが払った税金が、他社の年金に使われるというのは納得できる人は少ないようで、
しかも、それが全国民ではなく、公務員だけとなる「不公平だ」という意見が多いです。
そのことから「公務員を半分に減らせ」といった意見もかなり見かけられますし、
この流れを作っている政府の政策に対する不満も目につきますね。
そして、「このままでは財政が破綻するのでは」との意見も散見されています。
【これに対する私の見解】
といったように、韓国国民の間では現在の韓国の経済状況に比べて、
極端に優遇されている公務員に対する不満の声が多く見られます。
こうした不公平感を解消するために、文政権は公務員の数を増やしたわけですが、
公務員の数が増えたところで国民の不公平感が解消されるわけではないので、
余計に怒りを買っているようです。
赤字だらけの年金制度ですが、少子高齢化に伴い、
その運営はますます厳しいものとなると予想されます。
国家財政も赤字だらけですから、ただ税金をつぎ込むだけではなく
早急に制度改革を行わなければ、国民の反発は避けられないでしょう。
文政権の失策により
韓国の様々な制度が崩壊に進んでいますが、
それでも、減ったとはいえ
高い支持率をキープしているのが不思議ですね。
続きは動画で…