『韓国の期待が打ち砕かれる…菅長官「請求権協定が日韓関係の基本」』
安倍首相の辞任を受けて、ポスト安倍として有力な菅官房長官ですが、韓国国民はある期待をしていました。
韓国国内において、ヒール役で、日韓関係悪化の元凶としていた安倍首相からトップが変わることによって、韓国側は膠着している日韓関係において転機になると踏んでいたようですが、思惑通りとはいかないようです。
「安倍後任」で有力な菅「韓日関係の基本は1965年請求権協定」
安倍首相の後任として有力な菅義偉官房長官は、韓日関係の基本が1965年に締結された韓日請求権協定だと重ねて主張した。
菅官房長官は6日付の産経新聞とのインタビューで、徴用被害者賠償問題で悪化した韓日関係について、「日韓請求権協定が日韓関係の基本だ」とし、「それに縛られること(拘束されること)は当然だ」と述べた。
菅官房長官はこれまで、日本政府の報道官の役割を果たす官房長官として開いた多くの記者会見で、「2018年の韓国大法院の徴用被害者賠償判決は、韓日請求権協定に反する」と述べてきた。
そして「請求権問題は完全かつ最終的に解決された」と宣言したこの協定の趣旨に合った対策を韓国政府が主導的に出すべきだと主張した。
さらに、韓国原告側が賠償債権の確保のため、被告企業である日本製鉄(旧新日鉄住金)の韓国内資産を現金化することに備え、あらゆる対応策を検討しているとし、報復措置の可能性を警告してきた。
菅官房長官の右寄りな産経新聞とのインタビューでの発言は、自身が首相になった後も、「個人慰謝料請求権は、韓日請求権協定の適用対象から除外される」という韓国大法院の判決を拒否する従来の立場を固守するという意思を再確認したものと分析される。
このため、すでに安倍政権の全ての政策を継承すると宣言した菅官房長官が、今月14日に予定された自民党総裁選挙で当選し、16日に新首相に就任しても、徴用賠償問題で悪化した韓日関係が改善する可能性は高くなさそうだ。
彼は前日、ブログで発表した政策集でも「日米同盟を基軸とする外交・安保政策を展開し、中国をはじめとする近隣国との安定的な関係を構築する」としたが、 韓国を直接取り上げないなど、意図的に韓国と距離を置こうとする印象を与えた。
「外交は継続性が重要だ」と強調した菅官房長官は今回のインタビューで「安倍首相とドナルド・トランプ米大統領の日米首脳電話会談が37回開かれたが、1回を除いてはすべて同席し、ロシア・中国・韓国に関する重要事項を決める時は全て報告を受けてきた」とし、自分が外交が得意ではないという世間の評価に反論した。
今年4月に予定され、感染症のため無期限延期された習近平国家主席の国賓訪日について菅官房長官は「感染症対策が最優先なので、日程調整手続きに入る事は慎重に考えている」と述べ、今すぐ推進する意思が無いことを示唆した。
安倍首相が実現出来なかった改憲問題については、「憲法改正は自民党の党是だ」とし、改正のための環境を整備していくという立場を明らかにした。
太平洋戦争終戦後の1947年5月に発効した日本国憲法(9条1、2項)は、国際紛争の解決手段として戦争と武力行使を永久に放棄すると規定し、陸海空軍の戦力を持たないという内容から「平和憲法」と呼ばれる。
安倍首相は同条項をそのままにして、事実上軍隊の役割を果たす自衛隊の根拠条項を入れる改憲を推進してきたが、国民的な支持を得ることが出来ず、野党も反対し進展がなかったが、菅官房長官は安倍首相の意思を受け継いで改憲を引き続き推進すると明らかにしたのだ。
一方、菅官房長官は来年10月までの任期を約1年残している衆議院を解散し、早期総選挙を実施する案については、「感染症の対応が優先」と述べた。
ただ、これまで記者会見を通じて衆議院解散関連の質問を受けるたびに「首相がするならすることで、しないならしないと答えてきた」とし「それ以上でも、それ以下でもない」と述べ、今後の政治環境を見て早期総選挙カードを切り出す可能性があることをほのめかした。
【この記事に対する私の見解】
韓国国内では安倍首相の辞任を受けて「ポスト安倍」の分析が盛んにおこなわれています。
日本で韓国の大統領が交代することになろうと、ここまで大々的に後継者を探る報道がされることはありません。
これを見ても、いかに韓国が日本を強く意識しているかを感じさせられます。
岸田文雄氏、石破茂氏、菅義偉氏の三名がポスト安倍として、名乗り出たわけですが、名実ともに、菅氏が有力な候補という下馬評が多くなっています。
文政権の方向性としては、誰が総裁になろうと、安倍首相の退陣は泥沼化した日韓関係において、距離を縮めるこの上ない名目上の理由といっていいでしょう。
文政権はこれまで、安倍首相を悪者にすることで反日を煽り支持率を稼いで来たため、岩盤支持層の評価を考えると、日本に歩み寄ることはできない状態でした。
しかし、現実的に韓国が置かれた立場を考えれば、経済的にも安保面、外交面でも、日韓関係の改善は必要不可欠な状況にある中、この安倍首相の退陣はいい転機となるのではないかと言われてきたのです。
なので、総裁が誰になろうと、文政権としては多少の日本への融和姿勢を探っていくことが予想され、「安倍の時よりは関係は悪化しない」という期待感もあったようでした。
しかし、安倍首相の側近であった菅氏が次期首相候補として有力だとなった時、メディアと韓国国民の間では、期待していた日本の韓国への歩み寄りに対して、どういったスタンスで挑んでくるのかが気になって仕方がないようでした。
そして、心配していた通り「日韓請求権協定が日韓関係の基本」という、安倍政権時のスタンスと同じである事を表明したのです。
これによって、韓国は「次期首相は誰でもいい」という考えが持てなくなりました。
菅氏はこれまでも、安倍首相の土下座像事件や、GSOMIA破棄騒動など、韓国側の反日行動に厳しい発言を繰り返して来ました。
日本国民からすれば当然の対応と言わざるを得ませんが、韓国左派勢力はこれが気にくわなかったようで、変わらぬスタンスに落胆しています。
また、文政権としても、「文政権による強硬な対日政策により、安倍首相が退陣した!」という勝利感を演出することで、新しい対日外交姿勢を国民にアピールしたいという狙いがある中、安倍首相の側近を務め、韓国に対しても毅然とした態度を通して来た菅氏が後継者であれば、「安倍首相のいない今、韓国側が主体的に一歩上に立っている」アピールは難しくなるかもしれません。
そのため、韓国国内では、公娼問題などでも韓国に寄り添う姿勢を見せる石破氏に期待を寄せる声が多いと言われています。
同じ自民党内でも、安倍首相に批判的な発言も多かった石破氏が総裁となれば、韓国に歩み寄る姿勢も含めて、文政権の望む「対日勝利イメージ」は描きやすくなるかもしれません。
しかし、そういったスタンスであるのなら、石破氏の次期首相は難しいと思います。
あくまで上から目線で日本との関係を模索していきたい文政権にとって、韓国に対して強気な菅氏がトップになった場合、今後、どのような対応を取っていくのか注視していく必要がありそうです。
■この記事に対する反響のポイント
・韓国でも次期首相は菅氏という考え
・結局変わらないスタンスに落胆
・政府と国民の間でひずみが生まれそう?
それでは、この記事に対する反響なのですが…「今回の発言で菅が首相になっても安倍と同じことが続くと分かった」「こいつが安倍よりも悪質である可能性が高い」「スタートが安倍よりも酷い」このように、韓国国内では次の首相は菅氏できまりという事を前提に、過去の発言や今回の発言を受けて、結局安倍政権時代と日韓関係は変わらないと受け止め、怒りを露にしている国民が多いようです。
このチャンスを使って、日本との関係を模索したい文政権や、経済界の思惑とは裏腹に、民間レベルでは根強い反日感情がくすぶっていることがよくわかります。
しかし、一方では中国や北への嫌悪感から「最悪なのは中国と手を取ることだ」「悔しいが、韓国の復興には日本の助けが必要だ中国ではない」など、消極的に日本との関係改善を望む声が多くなって来ているのも事実です。
ある意味、文政権の対日勝利感を出した上で、日本との外交姿勢を探るというのは反日の人々のプライドを傷つけず、実利を得ていくこともできますから精神勝利の国、韓国にとっては最適解と言えるかもしれません。
もはや国内政策では経済や外交、安保における不満を打破できない中、この状況を使って、強固な反日層を手なづけることができるかが文政権の今後を左右しそうです。
安倍首相をスケープゴートにしてきた韓国メディアと文政権、日本のスタンスが変わらないとなった場合、どのような変化を見せるのか注目が集まります。
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