『文大統領の徴用問題へのスタンス国際法を守る?「日本は従え」』
激化する応募工問題に、司法の判断を盾に着た文大統領。
ついに重い口を開き、市民団体と裁判所の言い分を踏まえた上で、スタンスを発表しましたが、矛盾だらけの内容となっており、この発言は日韓関係、韓国世論にどう影響するのでしょうか?
文大統領「二度と誰にも負けない堂々たる大韓民国」
文大統領が「私達の独立運動は国を取り戻すことであり、同時に一人ひとりの尊厳を築く過程だった」とし「私達は独立と主権在民の民主共和国を樹立する革命を同時に成し遂げた」と明らかにした。
文大統領は15日午前、ソウル・トンデムン・デザインプラザ(DDP)で開かれた第75周年光復節祝賀式典での祝辞を通じて「再び誰にも負けない堂々とした国を作ろうとする韓国国民の努力は、光復後でも止まらなかった」と述べた。
文在寅大統領は日本へのメッセージを取り上げながら、日帝強制徴用企業に対する賠償請求訴訟の話をした。
彼は「2005年に4人の強制徴用被害者が日本の徴用企業を相手取って裁判所に損害賠償訴訟を起こし、2018年に大法院勝訴の判決を受けた」と述べた。
そして「最高裁は1965年の韓日請求権協定の有効性を認めながらも、個人の”不法行為賠償請求権”は消滅していないと判断した」とし「最高裁の判決は大韓民国の領土内で最高の法的権威と執行力を持つ」と強調した。
文大統領は「政府は司法府の判決を尊重しながら、被害者達が同意できる円満な解決案を日本政府と協議した」とし「今も協議の扉を開けている。
韓国政府はいつでも日本政府と向き合う準備ができている」と述べた。
続いて「共に訴訟を起こした3人は既に故人となり、一人になったイ・チュンシクご老人は、昨年の日本の輸出規制が始まると”私のせいで大韓民国が損害を受けたのではないか”と言った」とし「私達は個人の尊厳を守ることは、決して国の損害にならないという事実を確認する」と付け加えた。
文大統領はまた、「三権分立に基づいた民主主義、人類の普遍的価値と国際法の原則を守っていくために、日本と共に努力していきます。
一人の人権を尊重する日本と韓国の共同の努力が両国国民の友好と未来協力の橋になることを信じている」と述べた。
文大統領は「今日、私達が集まったトンデムン・デザインプラザは朝鮮時代の訓錬都監(フルリョントガム)と訓練院(フルリョンウォン)の敷地だった」とし「日帝独占期のキョンソン運動場は、解放後にソウル運動場に変わり、長い間、トンデムン運動場という名で数多くの汗の歴史を持つ場所だ」と説明した。
また「その中で植民地時代の朝鮮青年、ソン・ギジョンが流した汗こそ最も熱く切ない汗として記憶されるだろう」とし「1935年にキョンソン運動場で1万メートル競技1位となったソン・ギジョンは翌年のベルリン五輪マラソンで世界新記録で優勝した」と述べた。
続いて「日本の国歌が演奏された瞬間、金メダル受賞者のソン・ギジョンは月桂樹の苗木で胸の日の丸を覆い、銅メダルを取ったナム・スンリョンは頭を下げたまま目を閉じた」とし「民族の自尊心を立てた偉大な勝利だったが、勝利の栄光を捧げる国はなかった」と付け加えた。
【この記事に対する私の見解】
といったように、これまでは応募工問題に関し、あくまで「司法の判断に委ねる」として、自身の立場の明言を避けて来た文大統領ですが、ついに、司法と市民団体の肩を持つことを明確に表明しました。
これには、支持率が急降下する現在、自身の岩盤支持層であるこれらの市民団体からも、文大統領の応募工に対する日本の顔色を気にしたような発言は不満が高まっていたので、解決に向けて行動する用意があることを支持者に対して示したかったのではないかと予想されています。
一方では、韓国国内では公娼支援の市民団体のリーダー、ユン氏の金銭スキャンダル以降、こうした反日運動は下火になりつつありますし、中国や北に対する強い嫌悪感から消極的な親日派が増え始めているとも言われています。
今回の発言からは必要以上に強い言葉で日韓対立を煽ることは避けている様子も伝わりますが、やはり、自身の支持者へのフォローを優先した様子が見て取れます。
韓国は1965年の日韓協議の際、日本側の勧告をお構いなしに、韓国国民の個人の権利を放棄した過去があります。
国家の利益を優先して個人の権利を黙殺したのは韓国側であり、そのことは元応募工の人々からも度々指摘されて来ました。
日本への新たな賠償を求めるのではなく、過去に日本から受け取った財産はどこにいったのか?などと憤る元応募工の人々も多くいます。
慰安婦ビジネスの事例のように、市民団体の幹部による寄付金や賠償金の横領発覚など、当事者たちはすでに国家だけでなく、市民団体への信頼も失っている状況です。
また、いたずらに日本の反発を煽って、その報復を待つ他ない状況を迎えるというのは、韓国経済にとっても大きな打撃を与えます。
日本企業の撤退による雇用の消失だけでなく、制裁により人的交流が制限されれば、韓国企業との関係性を完全に絶ってしまう日本企業も多くなってしまうからです。
経済だけでなく、安保面でも懸念材料は増えます。
GSOMIAの破棄などをチラつかせれば、不穏な動きを見せる北に付け入る隙を与えかねませんし、中国が日韓対立を望んでいるのは明らかです。
この世界的な混乱状態で、むやみな対立を生むことは、軍関係者や経済界からの批判は避けられない状況ですが、それでも強固な支持層である市民団体を見捨てることはできなかったようです。
一部の偏った層の票を確保したいがために、今回のような暴挙に出た文大統領ですが、今になって個人の請求権を認め、韓国にある日本企業の財産を差し押さえようとすることは、逆に日本人が引き揚げの際、韓国に残してきた莫大な財産を取り戻す権利も、当然認められねばならないし、その財産を基盤にして成長した韓国企業を相手に訴訟を起こしてもおかしくないことをわかっているのでしょうか?この文大統領の判断が日韓関係にどう作用し、日本側の対応が、韓国世論と文政権の評価にどう影響するのか、注視していく必要があります。
それでは、この記事に対する反響をポッチー君に教えてもらいましょう。
■この記事に対する反響のポイント
・否定的な意見が急増している
・反日は韓国に対するメリットがない
・引き延ばしにうんざり
アシスタントのポッチーです!それでは、この記事に対する反響なのですが…「日本に負けられない」「日本に屈して歪んだ正義を認めてはいけない」というような、日本との対立を続けるべきと言う意見と、「身内から出た不正は見ないふり」「国の繁栄を考えての行為とは思えない」というような、文政権のスタンスを問題視する意見が見られます。
国民の間でも、日本との対立は今の韓国にとってマイナスだという意見が増えているようです。
「誰にも負けない堂々とした大韓民国とか言える状況ではない」と言う声もあり、先が見えない現状に、かなり焦っている様子が伺えます。
【これに対する私の見解】
ポッチー君ありがとうございました。
このように、韓国国内でも日本との対立を煽る意見と、もう文政権の反日パフォーマンスにはうんざりしているという意見が見られますが、どちらかというと後者の勢いの方が強くなっており、いかに韓国で反日というコンテンツが求心力を失っているかが見て取れます。
不動産バブル問題や、雇用など現実的な課題が山積みの状況で、イデオロギー中心の精神勝利的な話題ではもはや人気を回復するのは難しくなっているようです。
今回は、現実的な経済復興のためには、日本とは協力していかなければならないことを強調するのが、最適解だったようにも思えますが、市民団体に支えられて来た左派政権には、このような考え方は、なかなか難しいのかもしれません。
国民も望んでない泥沼化ですが、それでも文大統領はイデオロギーを貫き通すのでしょうか?
続きは動画で…