とんだお門違い、ソウル市長告訴の女性が危険に？韓国で歪んだ正義が問題に【世界情勢】

『ソウル市長告訴の女性が危険に？韓国で歪んだ正義が問題に』

SNSをはじめ、インターネットを利用した攻撃については日本でも問題になっていますが、韓国ではさらに深刻な問題となっていることが、今回の件で伺えます。
被害女性が、なぜ報復を宣告されてしまうような状況なのでしょうか？

「パク・ウォンスン告訴女性必ず探し出し、報復」

「ソウル市庁で公開されている閲覧可能な資料を探してみたら…すぐに見つかりそうですね！同じ女性として、私がその方に真の教育をしてやりましょう」10日午前9時ごろ、インターネット・コミュニティーサイト「タンジ日報」にこのような投稿があった。
ここに書かれている「その方」とは、パク・ウォンスン・ソウル市長からわいせつ行為やセクハラ（性的嫌がらせ）などを受けたとして警察に告訴したパク市長の元秘書だ。
文面は「セクハラ被害者を探し出して報復する」という趣旨の反社会的内容だったが、掲示板に書き込まれてから数時間後には400件近い「推薦」を受けコメントも100件以上付けられた。
ほとんどが「そいつに人の世は恐ろしいことを教えてやらねば」「そんなに堂々としているなら、名前を出してMeToo（性的暴行被害の告発を）するなりしろ」「悪は懲らしめなければなりません」など、最初の投稿者の主張に同調する内容だった。
タンジ日報は親与党系ジャーナリストのキム・オジュン氏が作ったサイトだ。
これがメディアで報じられて物議を醸すと、この投稿は同日午後に削除された。
だが、同日のインターネット上には同様の方法で「2次加害」を目的とした被害者女性の個人特定や、被害者女性の味方をする人々に対するコメント・テロが相次いだ。
その主体は、主に過激な与党支持者だった。
革新系政党・正義党のリュ・ホジョン国会議員は被害者女性に向けて「あなたが孤独でなかったらいい」とフェイスブックに書いたという理由だけで悪意あるコメントによる攻撃を受け、「サイコパスか」などと中傷された。
「故人になったパク市長を哀悼するのが先だ」という趣旨の攻撃だった。

警察は同日、被害者女性に対するインターネット上の悪意あるコメントついて、証拠の確保など捜査に乗り出す予定だと明らかにした。
ソウル地方警察庁関係者は「被害者の要請や同意があれば身辺保護措置を取る」と言った。
ソウル市がパク市長の葬儀をソウル特別市葬として行うと発表したことをめぐっても「2次加害」論争が起こった。
セクハラなどで訴えられたパク市長の葬儀を市民の税金ですること自体が被害者女性に対する2次加害に当たる可能性があるとの指摘だ。
パク市長は自身の秘書だった女性からセクハラで告訴を受けた翌日に家を出て、ソウル・プガクサンのふもとで死亡しているのが発見された。
両事件の相関関係はパク市長の遺書にもはっきりとは書かれていないが、親与党系のネットユーザーたちは被害者女性に対して露骨な非難や個人特定を開始した。
キム・オジュン氏が作ったサイト「タンジ日報」にはこの日、被害者女性を特定して攻撃する書き込みが殺到した。
同日午前7時ごろに投稿された「私は女です」という投稿には、「お前にやましいことがないなら公の場で言えよ。
ゴキブリのように隠れて弱いふり、被害者のようなふりをするなって」と書かれていた。
すると、誰かが「胸がスッキリする雄たけび」とコメントを付けた。
同日午後には「カカオトーク」などのメッセージ・アプリを通じて、被害者女性だと早合点した特定の女性の写真など、さまざまな思い込みが何度もシェアされた。

これらの2次加害に立ち向かう動きも始まった。
インターネット上には、「パク市長は本当に無責任だ。
真偽を確かめるべき事項があるなら確かめればいいではないか。
自殺で告訴人にむなしい思いをさせた」「セクハラ事件で被害者に寄り添った弁護士という実績のある人が（自殺をするなんて）、いたわりが必要なのは被害者だ」という投稿もあった。
フェイスブックやインスタグラムなどのソーシャル・メディアでは「＃パク・ウォンスン＿市長を＿告発した＿被害者と＿連帯します」というハッシュタグが多く見られた。
「故人（パク市長）の冥福を祈らない」と宣言する人もいた。
高麗大学経営学科のイ・ハンサン教授は10日午前、パク市長について、「故人のご冥福を祈る」と言いながらも、「ソウル市は被害者である元秘書を保護し、事実関係を把握して、元秘書に支援と補償をしても足りないという時に、何億ウォン（何千万円）かかるか分からないソウル特別市葬を5日に行い、市庁前に焼香所を設けて市民の弔問を受けるという。
あり得ないことだ。
私の税金がこのように話にならないことに使われるのは反対だ」と書いた。
チン・ジュングォン元東洋大学教授は、時事評論家ユ・チャンソン氏のフェイスブックでの発言を引用し、「皆が故人を追悼するだけで、被害者女性が一生抱えていくことになる苦痛には言及しない」と書いた。

【この記事に対する私の見解】

報道探

まず、今回の事件のあらましを簡単に説明します。
7月9日夜、ソウル市長のパク・ウォンスン氏が行方不明になったという報道がなされ、翌10日未明、ソウル北部の山中で自死と思われる状況で遺体となって発見されました。
原因は、行方不明が発表された前日にあたる8日に元秘書の女性職員からセクハラで告訴されたことが深く関係していると言われています。
パク氏は、1993年に韓国初のセクハラ裁判の弁護団に無報酬で参加の上、5年以上にも及ぶ法廷闘争に勝利し、セクハラの認識を世間に根付かせた功績があります。
2019年には韓国女性が直面する性差別を描いた『82年生まれキム・ジヨン』を読み「私はフェミニストだ」という発言もしていました。
セクハラがあったのかどうかの真偽は、正直闇の中です。
市長の死によって告訴も公訴権なしになるため、真実が解き明かされることは不可能と言わざるを得ません。
こうした社会的印象とかけ離れた実像が明らかになるのが耐えられなかったのでしょうか。
告発された次の日にこのような結果になってしまい、やましい事があったのだろうと推測することしかできない状況です。
そのような状況で、被害者とされる女性に「必ず報復」とは一体どういうことなのでしょうか？パク氏が市長を務めていたソウル市は、市とは言え韓国の首都であり、人口は約977万人です。
東京の人口が約927万人である事を考えると、その責任の重さや影響力は日本で言うところの都知事と同程度と言えるでしょう。
また、パク氏は近い将来の大統領候補とも目されていました。
それだけの人物のスキャンダルは、とてつもないインパクトを与えたことでしょう。
権力者が一般人になんらかの被害を与えたとなれば、良い悪いは置いておいてその真偽が置き去りになる勢いで権力者は叩かれ、被害者は擁護されるのが通常です。
しかし、現状では被害者とされる女性が「報復」なる言葉を使って危険にさらされているばかりか、その女性を擁護する発言をした公人までもが攻撃されている状況です。
ここで気になるのは文大統領はパク氏と司法研修院時代から深い縁があったとされている事です。
また、件の「タンジ日報」はそもそも政権寄りのサイトです。
今回の事件を政権側のスキャンダルととらえ、パク氏に哀悼の意を評しながら、被害女性を悪者にしようと世論誘導しているのだとしたらこれは大変なことです。
反日と同じような手法で、経済、失業、感染症など問題が山積みしている状況から、世間の目を逸らそうとしているのであれば、ありえなくもないと思ってしまいます。
さすがにそうでないことを願ってやみません。
それでは、この記事に対する反響をポッチー君に教えてもらいましょう。

■この記事に対する反響のポイント

ムンさん

・政府の印象操作疑惑
・被害者と加害者が入れ替わっている
・これはただの脅迫罪

ポッチ―

アシスタントのポッチーです！それでは、この記事に対する反響なのですが…あのような脅迫めいた内容に対して「被害者に報復とは？」といった戸惑いの声が見えます。
皆が一様にこの女性を追い詰めているという状況ではないようで、むしろ「事実だとしたら亡くなったからは言い訳にならない」といったように、きちんと真実を明らかにしてほしいという声が殆どを占めているようです。
また、政府の扱いにも疑問を持っているようで「加害者が被害者に成り代わった」といったように、政府が印象のごり押しをしていると考える人も多いです。

【これに対する私の見解】

報道探

ポッチー君ありがとうございました。
やはり被害者女性が悪いという意見は殆どありませんし、これが自然だと思います。
今回の件に関しては何か政権側だけが不自然である印象を受けてしまいます。
女性にやさしい「フェミニスト政権」を自称する文政権の関係者や支持者は、パク氏のセクハラ疑惑について目立った加害者批判や被害者擁護を起こしていません。
これとは逆に、これまでセクハラ問題に関して必ずしも敏感ではなかった保守系の人々が、むしろパク氏のセクハラ疑惑に極端とも言える怒りを表しています。
何事にも、敵か味方かに分かれ激しく対立する韓国社会の特色が色濃く出ているだけなのでしょうか？何やら政権のしがらみの中で被害者がいい様に使われているように見えますね。