中国が北に食糧支援、これに対して北は韓国に「ビラしかよこさない」と皮肉…、今後の中北との関係は？【世界情勢】

北では、干ばつや長引く経済制裁の影響もあり、慢性的な食糧不足に陥っています。
北の食糧生産は長年悪い状態が続いており、1990年代の凶作では、
何十万人もが栄養不足により死亡したとされ、感染症以上の被害も想定される状態です。
昨年時点での国連の報告書では、同国の穀物生産量は過去10年間で最低水準だとし、
緊急の食糧支援が必要な国民は少なくとも1000万人にも上ると指摘しています。
この時点からさらに食料状態は悪くなっていると推測され、
中国が食糧危機に瀕している北に対して、大規模な食糧支援を行ったことが明らかになりました。
これに触発されたわけでもないのでしょうが、
韓国では脱北者団体が、コメや医薬品、医療マスクなどを詰めた
プラスチック製容器を北との国境に近い海に流し、送り届ける計画の準備を進めているようです。
今回の中国の明らかにされている支援内容は、米60万トンとトウモロコシ20万トンと言われています。
それに対し今回の韓国も海に流そうとしている支援内容は、
米は2リットル入りの容器に1本当たり最大1.5キロを詰め、
最終的に全部で700キロを送るというものです。
スケールは比べ物にならないですが、北の住民にとってはありがたがいには違いないでしょう。
しかし、この支援物資の問題点は、北政権の非難のビラが基本的にセットであるということです。
確かに北の独裁政権は問題が多く、それから逃げ出した脱北者団体が、
それを非難する運動は、人権問題の観点からは当たり前の行為です。
しかし、北からすれば到底受け入れれるものではありません。
これに怒ることのない国であったなら、こんな制裁を受ける状況にはならないでしょう。
また、韓国は昨年6月に5万トンの食糧支援を北朝鮮に申し入れ、
結果米韓軍事演習への反発を理由に支援を拒絶された事がありましたが、
この拒否は、中国からの支援があることを見据えて、
北が韓国に恩を売られたくないと思っての行為ではないかと言われています。
しかし、韓国と比べ、今後付き合っていく上で、借りを作ることも仕方なしと判断したのでしょう。
もちろん、中国も何の見返りも求めずに支援をしたとは到底思えません。
中国は、北を韓国への強力な牽制カードとして取り込みたいと考えたのではないでしょうか？
ある意味中国にとって北は韓国より扱いやすいのかもしれません。
韓国にとって、中国が北との距離を詰め、離れていくことは
軍事・経済の両面でデメリットだらけだということは誰の目にも明らかです。
ここはプライドを捨て、というか当たり前の支援を正面からすればいいと思うのですが、
このままでは溝を深める速度のみが、ますます加速するばかりとなりそうですね。

流石にこの勝手な言い分に対してはあちらの国民はご立腹といった様子ですね。
「援助で保っている国が上から目線」といった考えが前提の意見が多くみられます。
まあ、直近であのような事をされた後で、友好度全開の態度をとるのは難しいでしょう。
また、中国に対する不信感も相変わらず強いようで、この支援の裏側を探る意見も多いです。
この、反響部分だけを見ると、南北統一という方向に目線を向けている国民は
皆無と言っていいのでは？というほど友好的な意見は見られません。
そして、やはり懸念されているのは、核開発に関する支援ですね。
この流れに沿って、本当の目的はそこではないかという疑惑の声も多いですね。

といったように、あちらの国民的には北との関係修復は、
まともな国家運営を考えるならば絶望的だという考えが殆どを占めています。
実際、人権運動に沿った人道支援を行った結果があの行為だと考えると、その難しさは理解できます。
しかし、中国と北朝鮮という世界から距離をとりつつある国家と有効な関係を続けるには、
それなりのリスクも伴ってしまうことは仕方のない事で、
韓国政府がどのあたりでその線引きをしているのかが今後の注目する点になるのではないでしょうか？
様々な反響を見ていると、韓国国民としては、もちろん一般的な国家としての在り方を望んでいます。
しかし、これまでの韓国政府の動きを鑑みるに、“一般的な国家という立場を捨てるのか？”と見えました。
今回の記事の様な問題が報じられる度に、
あちらの国民は政府が何を言い出すのか気が気じゃないのでしょうね。
しかし、そういった両極の美味しいところを取ろうと、バランスを調整する姿勢が、
どちらの陣営からも評価を落としてしまう要因にないっている部分で、
長引けば逆にデメリットしか享受できない状況になってしまうのではないでしょうか。

韓国政府には180度方針を変える
改革をしているという自覚はあるのでしょうか？