韓国サムスンの足場が崩れていく…海外メディアがサムスンの不確実性を一斉に報じる！文政権の意図は何処にあるのか？【世界情勢】

ソウル中央地裁は9日、韓国最大の企業グループ、サムスンの経営トップ、イ・ジェヨン副会長によるグループ会社の不正会計疑惑に関し、検察による逮捕状請求を棄却したことが報じられ、なんとか最悪の展開は回避したサムスンですが、米中対立による半導体戦争の最中でトップが検察の対応に追われたことは、国際戦略において大きく遅れをとる結果となりました。
地裁は「逮捕の必要性と相当性の疎明が足りない」としていますが、「イ副会長の責任の有無や程度は逮捕状審査の場ではなく、裁判の過程で十分な攻防と審理を経て決定するのが妥当だ」とし時間をかけてじっくりと逮捕の足場を固める可能性も否定できません。
これまでもイ副会長は国政介入事件の特別検事による捜査でパク前大統領に賄賂を贈ったとして、2017年2月に逮捕され、二審で釈放されましたが、3年4カ月ぶりに再び身柄を拘束される危機に直面することとなりました。
今回は経営支配権の強化過程に違法性があるかどうかが争点ですが韓国経済全体が危機的状況にある中で、サムスンの身動きを取れない状態にすることに経済界だけでなく、国民からも疑問の声が上がっていました。
文政権は日米との対立をはじめ、義憤を大義名分に「採算度外視」な振る舞いを多くしてきましたが、GDPの15%を占めるサムスンを、このタイミングで追い込むことは代償が大きすぎます。
韓国の大黒柱としての自覚をはっきりと持っているサムスンは、7日に「サムスンが危機にあります」という文言で始まる声明を発表し、「サムスンにとってこれまで経験していない状況で、長期間にわたる検察の捜査によって、正常な経営が萎縮している、韓国経済の危機を克服する上でサムスンが役割を果たせるように助けてもらいたい」と国民とメディアに訴えました。
韓国司法は、「国民情緒法」と揶揄されるほど、世論に左右される傾向がありますからサムスンの凋落による、韓国全体の経済不安を訴える風向きを汲み取った面もあるでしょう。
これまでは幹部の不祥事などにも沈黙を貫いてきたサムスン広報ですが、今回は積極的に多方面からイ副会長逮捕の不当性を訴え、サムスンが正常な経営を行えるようにすべきだと主張しています。
憶測記事やフェイクニュースなども拾い上げ、否定するコメントを出すなどサムスンの本気ぶりが伺え、それだけ、この混乱の中でのトップの逮捕はサムスンにとって取り返しのつかないダメージだというのが見て取れます。
山場は越えたとはいえ、今後も予断を許さない状況は続き、半導体戦争の生き残りへ向けて全力を費やせる状況にないサムスン。
また致命的な弱みが世界に知れ渡ったことが、今後の米中対立において、どのように作用してくるのか、注視していく必要がありそうです。

このように、韓国国内でも低迷する韓国経済の中で、韓国の唯一の希望であったサムスンの足を引っ張る文政権の意図を感じ取った国民が怒りの声を挙げています。
財閥を解体し、資本の再分配をするなどという絵空事を本気で考えているように見える文政権ですが、サムスンが力を失えば、分配する富も無くなってしまうことを分かっていないのでしょうか。
本来であれば、韓国企業の中でも数少ない世界的な評価を得ている大企業サムスンを、国を挙げて支援して米中対立の中でより価値を高める場面であるのにも関わらず、文政権はむしろその価値を貶める行為を繰り返しています。
検察との争いは裁判へ持ち越しとなりましたが、サムスンにとって不自由な状況は続きます。
これがきっかけとなり、米中の半導体戦争において取り残されることとなれば、文政権の韓国経済へ与えたダメージは計り知れないものになりそうです。

サムスンを潰して、何が残るというのでしょうか？
文大統領の考えることはわかりませんね。
まさか、国有化でも考えているのでしょうか？