『ドル安に振り回される韓国経済!韓国政府の課題は?』
ウォン高ドル安が止まらない韓国ですが、1ドル1000ウォン台に突入してしまいました。
急速なウォン高には懸念の声が多く、韓国企業のデッドライン崩壊を懸念するも、韓国政府が取り組まないといけない課題とは何なのか?
ウォン·ドルレート、予想を上回る急落ぶり 当局·市場緊張
ウォン・ドルレートが破竹の勢いで下がっている。
1100ウォン台を割ってから1日で1090ウォン台を割った。
当局と産業界は予想より速い下落に戸惑いながら、推移を見守っている。
韓国ウォンは世界的なリスク選好現象、人民元高、感染症危機の中で相対的に善戦した韓国の経済指標が相まって強気の流れを見せている。
米政府が感染症浮揚策で莫大な資金を追加で供給する予定だったため、ドル安は予定されていた流れだった。
市場では自然と景気刺激策の年内成立に期待が膨らんだ。
ドナルド・トランプ米大統領も感染症浮揚策を支持すると明らかにした。
サムスン先物研究員のチョン・スンジは「リスク選好、株価上昇、外国人投資家の株式買い入れなど、様々な条件がウォン高に友好的な状況となり、今日は人民元の為替レートまで同時に落ちた」とし「市場で韓国に対する肯定的な見方が続いている上、今日の韓国銀行の10月経常収支発表で経常黒字が2カ月連続100億ドルを超えた点もウォン高に影響を及ぼした」と説明した。
ウォン高は予想された流れだが、スピードが問題だ。
金融界はウォン高が来年まで続き、1ドル1050ウォン台まで進むだろうと見込んでいる。
ただ、たった1日で1100ウォン、1090ウォン台が急速に崩れ、政府の悩みは深まっている。
金融当局のトップらは急激なウォン高を懸念し、先月から口先介入を行ってきた。
ホン・ナムギ経済副首相兼企画財政部長官は先月19日、「この2カ月間でウォンは世界主要通貨の中で最も速いスピードで切り上げられており、ウォン相場は一方向に偏りが続く様子」とし「過度な為替変動は決して望ましくない。
市場安定のためにいつでも積極的に対応していく」と述べた。
韓国銀行のイ・ジュヨル総裁も先月26日、「ウォン高の速度が相対的に速く、この動きを注意深く見ており、偏りに対する懸念がある場合には市場安定化に積極的に努力しなければならないという考え」と述べた。
当局の懸念は大きいが、為替市場に積極的に介入するには難しい現状がある。
米財務省は、韓国を為替操作国の前段階である観察対象国に指定している。
更に、為替操作国に指定されれば、米国の制裁を受けかねない。
当局としては口先介入のレベルを高めることで、ウォン高に手綱を締め、軟着陸を誘導する可能性が高い。
ウォン高で輸出企業に緊張感が高まっている。
韓国貿易協会によると、中小企業はウォン・ドルレートで1100ウォン、大企業は1000ウォンを為替損失に耐えられるマジノ線とみている。
6ヵ月続いてきた経常収支黒字の流れは暗礁に乗り上げることになった。
ウォン高が続けば、同量を輸出しても黒字幅は減るしかない。
【これに対する私の見解】
それでは 記事を読んだ僕の感想ですが米大統領選で勝利宣言したバイデン氏が打ち出した、巨額の財政支出による景気刺激策を受けてドル安が止まらなくなっています。
10月前半は1ドル当たり1150ウォン台でしたが11月半ばには1100ウォン台まで進行、記事にもある様に今月はとうとう1080ウォン台まで下がってしまいました。
この傾向は今後も続く見込みでNH証券やKB証券からも、「来年もウォン高が続くだろう」と予測する声が寄せられています。
これではいくら売れてもウォン高が続く限り利幅が減ってしまいますから、輸出依存度が高い韓国にとって非常に深刻な問題です。
既にその影響は出始めていて労組問題を抱える韓国GMや現代自動車、EVバッテリーの不具合でリコール騒動が起きているLG化学などからは、追い打ちをかけるようなこのウォン高に悲鳴の声が上がっています。
輸出が回復傾向にあるとして、主力輸出品目と期待していた自動車産業でさえこの有様なのです。
また韓国にとって特に好材料がある訳でも無いのに、外的要因でウォン高が進んでいる点も不安要素の一つです。
米国のドル安を受けて本来の価値以上にウォンが高くなっている為、一旦下がり始めると今度は急速にウォン安に転落してしまう可能性もあるのです。
ウォン高に限らずウォン安でも問題は大きく、今年3月にウォンが大幅に下落した際は、韓国企業の株が投げ売りされ株価が大暴落してしまいました。
この記事ではウォン高による輸出への悪影響を心配していますが、本質的な問題は韓国の輸出依存度の高さにあります。
その国の経済が輸出に依存している度合いが大きいと、主要貿易相手国の景気変動や世界経済によって、経済状況が左右される可能性が高くなる事は避けられないのです。
このようなウォンが上下する度に大騒ぎしなければならない不安定な環境を改善するには、内需を活性化させて貿易への依存度を少しずつ下げる必要があります。
そして本来であれば輸出で得た外貨を使って内需拡大の為の政策に税金を投入するべきなのですが、文政権は4度の補正予算を組んで過去最大の借金を作りながら、支援金をバラ撒く以外に何ら手を打つ事が出来ませんでした。
その結果財政難になり、ワクチン確保の先行投資が出来ないのですから驚きです。
国内では不景気にあえぐ国民の声で溢れていますが、今回のウォン高はさらに、それに追い打ちをかけているようです。
記事にある「マジノ線」はかつてフランスとドイツの国境に建造された要塞で、韓国ではよく「最終防衛線」という意味で使われることが多いのですが、本物の「マジノ線」同様に韓国経済の「マジノ線」も崩壊してしまうのでしょうか。
■この記事に対する反響
それでは、この記事に対する反響なのですが…「大企業には良くないが、内需企業には良い」「韓国では為替レートが高すぎるとよくない」「本来の為替レートは1000ウォンだが、輸出を考えて文在寅が1200ウォンを維持してた」といったように、ウォン高に対して肯定的な意見と否定的な意見は半々くらいでしょうか。
中には、あれだけ慌てていた1200ラインをあえて支えていたとうお花畑な声も見られます。
実際のところコメントにもありますが、普通はウォン高が進むと国内の消費が活発になるので、必ずしも悪いものでは無いのですが、感染症の第3波が拡大する中では、国民がお金を使ってくれずその効果も薄いと考えられます。
またここまでウォン高が進むと、輸出関連企業の業績が悪化するので、ただでさえ倒産寸前の企業が多い中小企業には耐えられないのではないでしょうか。
本来ウォン高にはメリットデメリットがあるのですが、現在の韓国では感染症などのせいでそのメリットが最小化しています。
その一方で輸出に頼り過ぎた為デメリットはより一層大きくなってしまいました。
難局を迎える韓国ですが文政権の動きに注目が集まっています。
不景気で苦しむ韓国経済が更に厳しい環境に置かれる中で、文大統領は何か有効な打つ手を思いつけるのでしょうか?
続きは動画で…