『韓国が「キャリアドローン」を公開水素技術「誇らしい」と絶賛』
韓国科学技術研究院で液体水素エンジンを搭載したドローンの航空母艦が開発されました。
将来の代替エネルギーとして世界的に注目される水素燃料ですが、先日も問題が起きていましたよね。
この分野における韓国の技術水準はかなり問題視されていましたが、果たしてどうなるのでしょうか?
そんなに飛んでも30分もすればポンと…ドローン「バッテリーの限界」を破った
ドローン12機を運んで「空の上の航空母艦」と呼ばれる「キャリアドローン」の実物が国内で初めて公開された。
これを開発した韓国科学技術研究院(KIST)のイ·テクジン博士研究チームは「キャリアドローンは設計によって20台、30台以上の小型ドローンを乗せて移動·保管させることができる」とし「軍部隊が山岳地帯を偵察したり超高層建築物に火災が発生した時、被害状況を早く把握して遭難者を救助する用途に活用される」と説明した。
この日、韓国機械研究院(以下、機械研)のブースには観測·通信用ドローンメーカーとともに電動キックボード共有サービス業者からの問い合わせも殺到した。
機械研はこの日、開発中の「ドローン·ロボット用液体水素エンジン」のテストモデルを初めて出した。
これは、これまでガソリンを燃料に使っていた航空小型エンジンを水素燃料が使えるように改良したものだ。
これを開発した機械研のパク·チョルウン責任研究員は「水素が持つ特性のために現れる異常燃焼反応などを制御できる”直接噴射式水素エンジンパワーパック”などを適用、高い水準の非出力(重さ対比出力)と温度安定性、軽量化を実現した」と説明した。
「ドローンに適用する場合、約8~10時間運用が可能だ。
」 また、このエンジンは電動キックボードのようなパーソナルモビリティにも応用可能だ。
パク研究員は「路上で見かける電動キックボードは毎日充電しなければならないが、今回開発した液体水素エンジンは既存のリチウムバッテリーよりエネルギー密度が高く、長時間の高出力が可能なため、約2・3日充電なしに使える」と述べた。
韓国化学研究院次世代水素資源化研究団は水素を安全に貯蔵·運送できる「液状有機水素貯蔵体(LOHC)」技術を紹介した。
現在、地域の製鉄所などで生産された水素を首都圏と忠清(チュンチョン)圏に位置する水素充填所に運ぶため、水素専用移送特殊車両のチューブトレーラーを利用している。
これは膨大な運送費がかかり、水素燃料費を増やす主な要因となっている。
LOHCはこのような特殊車両の代わりに、現在使用中の大型タンクローリーにも移すことができる。
研究院の関係者は「水素自動車の利用者が増えるほど、より複雑で大きなチューブトレーラーが必要だが、こうした特殊車を作り続ければ水素燃料の価格競争力を確保するのは難しい」と指摘した。
続いて「LOHCは既存の石油化学インフラをそのまま活用するので価格差別化のためには必ず確保しなければならない技術」と強調した。
さらに、水素貯蔵容量も相対的に高い。
【この記事に対する私の見解】
将来の化石燃料の枯渇やCO²削減という長期的で避けられない課題に答えるために、世界的に石油燃料に代わる代替燃料として注目されているのが水素エネルギーです。
特に、航空用燃料についても多様化が模索されている中で、水素燃料航空機が注目されています。
水素燃料航空機のメリットとしては「原料が豊富で安価」「発熱量が高く燃料特性が良好」「貯蔵や輸送が容易で取扱いが安全」「低公害性」「現在の航空技術で利用できる」などが上げられます。
既に、この分野では米国とヨーロッパと日本が先端技術のしのぎを削っていますが、残念ながら、韓国の技術は世界的に注目されるレベルではありません。
例えば、エアバス社では2035年までに、ZEROeと呼ぶ水素燃料使用の旅客機の就航を目指しており、この旅客機の普及で航空業界が排出する大気汚染物質を半減させる計画で、2050年までに総エネルギー需要の24%を水素が供給する見通しを立てています。
水素を燃料とする航空機については、既に2008年に米国のボーイング社が、燃料電池航空機の有人機実証実験を成功させています。
また、2009年にドイツDLRが離着陸を含む全航程で、水素燃料電池航空機の飛行実証を成功させています。
一方、日本では水素の貯蔵施設の開発が進められています。
トルエンに水素を反応させメチルシクロヘキサン(MCH)に転換しMCHの状態で水素を輸送すると、常温・常圧の水素ガスを1/500の体積の液体として貯蔵・輸送することが可能です。
現時点で日本最大の液化水素タンクは、種子島の540m³ですが、2020年度に神戸に2500m³のタンクを、2022年度頃には5万m³のタンクを製造可能な技術の開発を目指しています。
つまり、現状においては水素燃料電池航空機の実証はいずれも小型機によるもので、今後、大型の水素ジェット航空機を実用化するには、水素燃料電池だけでなく、燃料タンクや動力系の大幅な軽量化が必要となってきます。
その意味で水素技術で欧米や日本を追いかける立場の韓国が、軽量な小型ドローンや、電動キックボードなどのニッチ分野に挑むのは頷けます。
ただ、先日話題になっていた水素自動車の失敗について問題点とされていましたが、韓国の水素に関する技術開発は、貯蔵技術を最優先にしないといけません。
今回の記事ではそのあたりの明るい展望が伺えるような内容になっていましたが、これは日本が先を行っている貯蔵技術に関して頼らないという姿勢も表しているのでしょうか?
■この記事に対する反響のポイント
韓国政府の方針に国民も不満噴出
それでは、この記事に対する反響なのですが…「素晴らしいアイデアです!ドローン母艦がすごい」「無線充電技術さえ発達すれば全て解決する」「空母を推進するのではなく、この技術を軍事用に積極的に開発しなければならない」といったように、素直に技術の進歩を喜ぶ声が見られます。
先日の水素燃料のインフラの件を考えると、かなり明るい展望が見える内容ですからね。
しかし、先程も述べましたが、技術的には韓国は一歩遅れを取っている状況です。
そんな状況で今回アピールしている内容は日本の分野と被っているというところが気になります。
これが日本に対する当てつけなのだとしたら、国民はいつも通り肩透かしを食らう事になりますね。
また、「衛星の件もあるし期待は出来ないな…実用化にはもう少し時間がかかりそう…」と、発展途上の韓国の技術を理解した冷静な意見もそれなりに見られますが、このくらいの気持ちでいた方が、落胆する事も無いと思いますね。
文政権の新エネルギー政策は迷走していますが、水素エネルギーに関する将来像はどうなっているのでしょうか?
続きは動画で…