『韓国政府がメディア市場開拓
「韓国版ネットフリックス」誕生』
まだまだ一般的に見れば高支持率の範疇とは言え、支持率の急激な低下を迎えており、
特に若い世代の「共に民主党離れ」に苦しむ文政権は、若者の心を取り戻すためなのか
安易にネットフリックスなどの人気コンテンツに飛びつき始めたようです。
「韓国版ネットフリックス」誕生か?… 政府「国内メディア市場、10兆ウォンに育てる」
政府が24年までに世界的な1人メディアと若い創作者を育てる
1兆ウォン規模のファンドを造成する。
2022年までに韓国メディア市場の規模を10兆ウォンに増やし、
グローバルプラットフォーム企業を確保するという計画も立てている。
チョン・セギュン首相は政府ソウル庁舎で第12回情報通信戦略委員会を開き、
こうした内容などが盛り込まれた5つの案件を22日審議・議決した。
同日の会議には民間委員13人と政府委員10人が出席した。
政府は変化するメディア市場に合わせ、1人メディア環境を構築する方針だ。
このため、1人メディアクラスターを造成し、コンテンツの共同創作スペースを拡充する。
コンテンツ制作と海外進出を支援する1兆ウォン(約770億円)規模の
「文化コンテンツファンド」も24年までに造成する。
コンテンツ投資と制作支援基盤の構築にも取り組む。
コンテンツ制作や流通R&D、輸出向け端末を活用し、
国内OTT(インターネット基盤動画サービス)プラットフォームの広報を誘導し、
輸出向けコンテンツを再制作するなど、関連支援を拡大する。
オンラインビデオ物の制作費に対する税額控除も推進する。
「韓国版ネットフリックス」を作るため、関連制度も改善する。
有料放送市場のシェアの3分の1を超えないようにする規制を廃止し、
放送通信分野の買収合併(M&A)の手続きも簡素化する。
既存のOTTなどオンライン映像物の映像物等級委員会の等級分類方式は自律分類方式に変えた。
これを通じて政府は2022年までに「革新成長を引率するデジタルメディア大国」をビジョンに
△国内メディア市場規模10兆ウォン
△コンテンツ輸出額134.2億ドル
△グローバルプラットフォーム企業少なくとも5社
を目標に支援していく。
このような決定には、グローバルOTT会社の早い成長に、
国内メディアコンテンツ事業者らが押されているという懸念が大きく働いた。
政府は「(ネットフリックスやフォックスなど)グローバルメディア企業が
戦略的M&Aやコンテンツ投資を拡大し、速いスピードで国内外市場での影響力を拡大している一方、
国内企業は垂直規制環境やグローバルメディアとの不公正競争のため、苦しんでいる」と強調した。
グローバルOTT市場は、14年の17兆ウォンから18年は46兆ウォンへと、
4年間で2.7倍も伸びた。 23年には同市場が86兆ウォンまで成長するとみられる。
政府は今回の規制緩和で、国内メディア市場の規模が22年までに10兆ウォンに拡大し、
コンテンツ輸出額は134億2000万ドル(約16兆3000億ウォン)まで増えるものとみている。
【この記事に対する私の見解】
といったように、支持率低下と若者離れを懸念した文政権は、
また分かりやすいコンテンツに飛びつき、税金を投入することで
イメージアップを図ろうという狙いがあるようです。
昨年9月にも「コンテンツ産業3大革新戦略発表会」なるイベントに出席し、
「文化を輸入した韓国は世界7位のコンテンツ強国に跳躍し、
文化コンテンツは半導体の次に成長産業」と述べた上で
「コンテンツ冒険投資ファンド」の新設を含む金融支援、バーチャルリアリティ、拡張現実など
実感コンテンツの公共分野への早期導入を通した市場の先取りや
新韓流を活用したKブランドの活性化など3大戦略を打ち出しました。
しかし、この後目立った動きはなく、計画倒れになったとの見方が強くなっています。
以前にも韓国政府は、2015年までに4100億ウォンの予算を投入して、
国内映像コンテンツ全体の20%を3D化するなど、2兆5000億ウォン規模の3D新市場創出を目指し、
1兆4500億ウォン規模の資金を投入したと言われていますが、こちらも立ち消えとなっています。
そもそもK-POPの主要市場である、日本やベトナムの関係を軽視してきた文政権が
今更メディア支援に乗り出すというのも噴飯ものです。
この他にも、韓国の基幹産業7つを守るとして、40兆ウォン規模の基幹産業安定基金を
立ち上げた文政権ですが、結局まだ支援するための資金すら用意できていない状況です。
基幹産業安定基金が機能していないせいで、多くの雇用を生み出す製造業が、
まだまだ資金難が続いている中で、パンデミック禍で世界的に勢いを伸ばした
ネットフリックスに乗っかろう、というのはあまりに安易すぎる考えです。
また、文政権は公営放送の人事に干渉し、
自分たちに批判的な局員をあからさまに冷遇するなど、報道の健全性を損なわせています。
看板番組のアナウンサーや記者が、電話もインターネットもない倉庫に机だけ置かれて、
そこで仕事も与えられずに待機させられている、
そんな実態を元MBC局員がSNSで写真付きで公開し、大きな問題になりました。
比較的自由度の高いネットフリックスなどの配信系メディアに、政権が肩入れするようになれば、
保守政権時に存在が発覚したブラックリスト騒動のように、
政権に批判的な文化人への助成金や民間資金を枯渇させ、政府の監視下に置く事態が起きかねません。
エンターテイメントなどの娯楽産業は、豊かな生活があってこそ発展するものです。
国家規模のデフォルト危機を抱える韓国が、限られた財源を費やすのは明らかに優先順位を間違っています。
韓国ニューディールしかり、発展の可能性を孕んだ分野に国家が直接介入するのではなく、
自由市場を信頼して、企業の底力を信じる姿勢が必要なのかもしれません。
■この記事に対する反響のポイント
・メディア統制が目的か?
・政府の介入は国民は望まない
・技術不足で税金の無駄になる
それでは、この記事に対する反響なのですが、
あちらの国民からは、こういった市場に政府が介入することを非常に嫌がっているようです。
「政府は黙っててくれ」といった声が多くみられますし、政府がメディアに手を出すのは、
国民には、市場を発展させるのが目的というよりは「メディアを統制したい」と見えているようです。
確かに、最近のスキャンダルなどを見ていると、信用をしろというのは無理な話です。
先程も述べた様な放送人事の介入などの実例もありますしね。
また、「技術がない」という声も多く、無駄な税金投入になるとの思いもあるようです。
【これに対する私の見解】
といったように、韓国国内ではまた政府が介入したことで、無駄に資金だけ費やされ
企画倒れになるのではないかと危惧する声が多く見られます。
研究や開発の段階の草の根から育てるのではなく、ある程度話題になり、
発展の可能性があると報じられた瞬間に飛びつく文政権の安易な態度には
韓国国民もあきれ返っているようです。
また、ネットフリックスなどの自由度の高い配信コンテンツに
政府が肩入れすることで、一気に白けてしまうのではないかと心配する声や、
偏向的な内容になるのではないかという懸念も大きなものとなっています。
K防疫をあれだけ国内外に推して、大恥をかいた経験があるだけに
もはや文政権のアイディアは、最初から冷めた目で見られてしまうようです。
若者の支持を集めたいのであれば、人気者にあやかろうとするのではなく、
堅実な経済政策で、若者が希望を持てる環境を作ることが必要でしょう。
韓国版○○〜、K◯○というのは
文政権以降度々聞くようになりましたが
まともに機能しているところを、
一度は見てみたいものですね。
続きは動画で…