『LG化学ガス漏れ事故で12人逮捕インド警察は起訴を検討中』
インド警察は5月のガス漏れ事故と絡め、LG化学の韓国社員と現地社員計12人を逮捕しました。
警察は事故直後から被害状況を調査してきましたが、彼らの起訴を行うかは決まっていません。
インドが提出した報告書をみると、韓国の責任を追及していくようですし、どうなっていくのでしょうか?
「インドのガス事故」LGポリマース韓国人の従業員2人の現地で拘束収監
今年5月のインドガス漏れ事故と関連し、LG化学の系列会社法人トップと韓国人社員2人が現地で拘束収監された。
現地時間8日、外交当局とLGポリマーズ・インディアなどによると、インドのアーンドラ・プラデーシュ州警察は、法人トップと技術顧問などLGポリマーズの韓国人職員2人と現地職員合わせて12人を過失致死、毒性物質の管理を怠った疑いなどで逮捕した。
彼らはその後、現地の法的手続きによって拘束され、拘置所に収監された。
警察は彼らに対する捜査をした後、60日以内に起訴するかどうかを決める予定だ。
同期間内にLGポリマーズ側の保釈申請が受け入れられれば、非拘束で捜査が進められる可能性もある。
LGポリマーズは、LG化学が1996年にインド市場に進出して買収した現地初の事業所だ。
アーンドラ・プラデーシュ州ビサカ・パートナムの同法人には、韓国人職員4人が勤務中だった。
ちなみにこの州は最大の都市でもあり、とりわけ重工業が進んでいたらしいです。
しかも観光地としても有名だったようですね。
それだけ栄えていた街ということです。
韓国大使館関係者も「今回の状況を注視している」とし「必要に応じてインド連邦政府とも協議していく」と明らかにした。
さらに、アーンドラ・プラデーシュ州を管轄するチェンナイ総領事館も、LGポリマーズ側と緊密に協議しながら、必要な領事の助力をしていく方針だ。
一方、今回の事件に関してはインド環境裁判所(NGT)でも調査を進めた。
環境裁判所は、産業プロジェクトが環境に及ぼす影響を評価し、企業各社の環境規定遵守を監視する一種の特別裁判所だ。
LGポリマーズは同裁判所の命令により、今年5月下旬に損害賠償のために5億ルピー(約80億ウォン、約7億1500万円)を供託した。
さらに専門家らは、被害住民や環境団体などの民事訴訟も提起されるだろうと見込んでいる。
インドの刑事裁判は上告審まで進めば2-3年以上かかるという。
民事訴訟は裁判所で溜まった訴訟が多すぎて、長ければ10年以上かかる。
【この記事に対する私の見解】
この事件、日本ではあまり大きく取り上げられませんでしたね。
こういう事があったというだけで、続報が殆どなかったのでおさらいをしておきしょう。
今回事故を起こしたのは、LG化学の子会社LGポリマーズの工場で、当時、現地の工場には韓国社員が4人勤務していました。
そんな中、5月7日に毒性のガスが漏れ、数百人が病院に搬送された事件が発生しました。
これにより、韓国社員2名と現地スタッフ10名が逮捕されました。
今回漏れた有毒なガスは「スチレン」という化学物質です。
合成樹脂や合成ゴムの原料などとして使われる液体であり、普段は冷凍されているのですが、スチレンを貯蔵するタンクの冷却器の故障が原因で発生したようです。
古い貯蔵タンク内の温度が許容値の6倍以上に上昇していたと言う事で、不適切な設計と適当なメンテナンスといった杜撰な管理体制から起きた事故という事ですね。
今回事故が起こらなくても、いずれ何らかの形で問題は起こっていたと思います。
また、事故当時の韓国側の対応も遅く、事故発生から3日経ってやっと謝罪を行いました。
これだけ大きな事件が起こったのですから、当然このLGポリマーズの工場は封鎖されました。
そして、このガス漏れの被害により、結果12名が命を落とし大惨事となりました。
これほどたくさんの被害者が出たのですから、韓国は処罰を受けて当然でしょう。
インド警察は重大な事件として調査に踏み切ったものの、本格的な捜査は遅らせたみたいです。
これはインド政府が事故後に調査委員会を立ち上げ、徹底的に調査すると発表したからで、これには最低1月以上の時間がかかるとの事でしたが、7日に、事故の経緯を確認した調査報告書の全文が明らかになりました。
LGポリマーズの杜撰な管理を指摘し、管理に問題があったという内容を示したのです。
タンクの老朽化や整備不備、設計ミスや危険シグナルを無視したことなどが原因のようで。
そのうちの20件は、トップの責任だと主張しました。
二度と同じことが起こらないように、対策として工場を住宅から離すよう要請し、今後、インドの住民が危険にさらされないようにするための対策などが行われました。
この忠告を聞いたLGポリマーズは、真摯に受け止め素直に応じる意向を見せています。
被害者や遺族のためにも、政府と協力しながら支援をしていく方針を示しており、事実、すでにLGポリマーズは200人規模の組織を用意し、住民への補償活動を始めています。
5月中旬には19万人分に食糧を配ったりもしており、住民の声に電話で対応しサポートもしています。
まあ、事故を起こしたのですから、このようなサポートは当たり前と言えますがね。
しかし、いくらインドに尽くしたところで、再開は難しいのではという見解がされています。
インド環境裁判所でも調査しており、LGポリマーズは裁判所の指示に従い、5月末に損害賠償用の手付金として約7億円を支払っています。
しかし、ネガティブな印象は簡単には拭えないので、会社の行く末も不透明です。
現地では永久封鎖を求めるデモなどが起こりましたが、とりあえず直ぐに撤退という事はなさそうです。
また、この裁判はまだまだ決着まで時間がかかりそうです。
10年後になることも見通されているため、インドと韓国で泥沼化が懸念されています。
■この記事に対する反響のポイント
・処罰を受けるのは当然
・この件はLG側の非を認める
・しかし、インドは下という意識がある
それでは、この記事に対する反響なのですが…
流石にこれに関しては「処罰は免れない」とLG側に責任があるとの意見が殆どです。
あちらの職員を危惧する声もありますが「拘束は仕方ない」との考えのようです。
また「インドを途上国として杜撰な管理をしたんだろ」といった上からの意見も見られますね。
しかし、驚きなのは、この状況でもインド側に難癖をつける意見があることです。
起訴を待機していることに対して「裏金をくれという事だろ」という意見があるのは呆れましたね。
【これに対する私の見解】
といったよう、この件に関してはさすがにLG側をかばう発言は極端に少ないです。
拘束されている人に対しては同情してはいますが、インドからすれば、事故を起こした当事者ですからね。
今回の件で懸念されているのは、インドとの関係のようなのですが、なんとも上から目線の意見が多くみられることから、裁判が決着が着くまでに、また大きな地雷を踏みぬいてしまいそうな気がします。
「インドは韓国に厳しくないか?」という声もありますが、自然とそういった態度になっているからではないでしょうか?これから裁判などで10年近く問題を引きずっていく事になりますし、協力してやるといった態度では、完全な信頼関係の修復は困難を極めることになりそうです。
という事ですが、これ以降の続報は日本ではされなさそうなので、どのような決着をつけるか追いかけないとですね。
続きは動画で…